勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第413話 クサンデル氏’sとの再戦(逆にたどって)

訓練場での再戦。
しかしただもう一度戦うのではなく、可能な限り逆に、つまり決着がついたところから戦い始めるまでを辿っていくというもの。

え?わからない?

つまり先ほどのクサンデル氏との戦い。
あれを決着がついたところから逆にたどって、最終的には戦う前まで再現していくというプランです。

再戦じゃないじゃないかって突っ込みがありそうだけど、他にどう表現したらいいのかわからなかったのと、別にそこにこだわっていなかったので、再戦でいいや、という至極単純な考え。

しかしながら実際に行うのは、クサンデル氏がどうやって増殖したのか、これを突き止めるのとともに、あわよくば逆を辿る事で増殖したクサンデル氏を出現したタイミングで戻せないかの試みをしてみたかったという考えもあって。

「上手くいくといいが、万が一に備えていつでも解呪できるよう備えておこう。」

オイヴィは失敗した時に備えて準備をしてくれています。


そしてヨランデ女史が、

「万が一の時は私も何かしてあげるよ?」

そう言ってますが今はクサンデル氏、ヨランデ女史ともに呪いの装備を装着しなおしています。
この呪いのアイテムの影響でこうなった可能性が大きいので、これをうまく生かせば増殖したクサンデル氏を元の世界に戻せるのではないかと考えたからです。

大量のクサンデル氏、集まって部屋で話し合いをした結果、出現した順番が概ね分かったようです。

なので戦闘を行う場合、この順番が重要になってきます。


「よし、始めようか。」

クサンデル氏はそう言いますが、既に呪いの影響下にあるようです。しかしまだ大きな影響が表れていないので、今のうちにどんどん進めていきます。

僕はクサンデル氏と、複数のクサンデル氏と対峙しますが、そう言えば壁を出現してたっけと思い、土魔法で壁を出現させます。

その時猛烈な違和感が。
そう言えばクサンデル氏とに決闘の時も時々違和感があったのを思い出します。

その時オイヴィが声をかけてきます。

「呪いの影響が大きくなった!」

僕はこの時何か自身に強引に働きかけるというか侵入してくるような感覚があるのに気が付き、咄嗟に最後に出現したクサンデル氏と、その前に出現したクサンデル氏を捕まえ、双方に魔力を無理やり流します。

すると、最後に出現したクサンデル氏が輝きだし、この前に出現したクサンデル氏に吸い込まれてしまいました。

え?吸い込まれた?吸収した?

僕は少し混乱しましたが、オイヴィは少し離れた場所で見ていたので何やら気が付いたようです。

「順平殿!上手く言ったようだ!最後に出現したクサンデル殿は、その前のクサンデル殿によって召喚されている!」

何となくそうかなとは思っていましたが、なるほどこれはきっと最初のクサンデル氏は一人召喚を行い、その召喚されたクサンデル氏が新たなクサンデル氏を召喚した。
たぶんこんな流れなのでしょう。

そうとわかれば後は同じように繰り返していくだけ。

そして気が付けばクサンデル氏は一人になっていました。

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