勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第348話 石化

「周囲には魔物の気配はないな。」
オイヴィがそう言うから間違いないだろうけど、どうやら今僕達の周辺には、たった今仕留めた魔物以外には魔物がいないようです。

「じゃあ周囲に気を付けながらドロップアイテムの回収と、あの目の前に見える何か、あれが何なのか調べてみましょう。」

・・・・
・・・
・・



魔石と、鱗、後は内蔵?ちょっと気持ち悪い外見です。そしてこれって目、だよね。何で目なんかドロップするの?
鑑定をしようと思いましたが、瑞華の声でそちらを見ます。

「これって何かしら?どう見ても人間の姿、それにこう、すごく上手く出来てるわね?」

何を言ってるのかな。そう思って瑞華の視線の先を確認すると、

冒険者の姿の石像が、この辺り一帯に立っています。

何でこんな所に石像が?
しかも冒険者って。

うーん、何か忘れてる気がしますが何を忘れてるのか思い出せません。
思い出せないって事は、大した事ではないのかな?

「順平殿、どうするのだ?」

石像を前にオイヴィがそんな事を聞いてきますが、何をどうするのかな?
「順平さん、子の石像誰が作ったんでしょう?よくできてますよね!」
友郁が石像を見てそう言ってますが、うん、とてもリアルで驚きます。
ただ、泉は何かを考えているようで、
「順平さん、何か見落としていませんか?この石像、本当に石像なのでしょうか?」

うーん、わからないです。

「順平、この石像の足元に、何か落ちてるぞ?」
柚奈の指摘で地面を見ると確かに何かが落ちています。
ええとこれは、ポーションの容器でしょうか。中は何も入ってないようですが。

ここで僕は思い出します。
そうだ、この魔物ってバジリスクだった。この魔物が厄介なのは、バジリスクの毒をその身に受けると石化する可能性がある、という事です。あ!石化!そうだ、石化だ!何で忘れてたのでしょうか?
という事は、このオブジェみたいな石像ってもしかして、もしかしなくても冒険者だよねきっと。

僕はどう対応をしようか悩んでいましたが、哀れ石像は柚奈がぺちぺちと叩いています。
「何だこれは?普通の石像じゃないな?」
え?そんないい加減な叩き方で何がわかるのかな?

「柚奈、それにみんな、これたぶん人間だ。」
「確かに人の形ですけど、どういう事かな?」
よくわかっていない瑞華が何だこれ?みたいな態度です。
「さっきも魔物、バジリスクといって、恐らくは石化の毒を口から吐き出すと思うんだけど、それで相手を石化させてしまうみたいなんだ。」
あ、オイヴィを除く全員が固まってしまったようです。

ただの石像と思っていたら、まさかの生きていた人間とは。
「じゃあ死んでしまったのでしょうか?」

震える声で友郁がつぶやきますが、これに対しオイヴィは、
「いやまだ生きているはずだ。順平殿は毒といったが、ありていに言えば石化という状態異常にかかっているのだ。」
「え?じゃあ回復魔法で治せるのかな?」
そうたずねますが、
「回復魔法では無理だな。よほど特殊な状態回復の魔法、もしくはエリクサーだ。かくいう私も石化は治す事ができない。」

神聖騎士たるオイヴィ、あ、本人は元とか思っているようだけど。
そのオイヴィが無理というのだから、普通の魔法では無理なんだね。では僕の持っているエリクサーでは?さっきエリクサーなら治るって言ったよね。


          

「勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く