第335話　ダンジョン探索

状況がいまいちわからないので、ユハニを呼びます。

「いかがなさいましたか？」

「ああ、ダンジョンの事なんだけど。それと、冒険者？そのあたりを説明してほしいんだけど。」

「その事でございますね。かねてより公爵様のご意向もあり、家臣を選別するのに今現在、多数のパーティにダンジョンの探索を行ってもらっております。」

うん？どういう事？

「いまいちわからないんだけど、探索メンバーは何人ぐらいいてどういう立場なのか、また選別基準がわからないんだけど。」

「さようでございますね。今後の常山領を支える人材の見極めでございますので、その中心人物たる常山公爵が知らないではいけませんでした。これは私の判断ミスでございます。」
「まあそれはいいよ、で、どんな感じなんだい？」

ユハニが説明してくれたところによると、
あまりにも多数の冒険者がこの領地に職を・・・・・家臣に加わりたい、または公爵付きの騎士団に・・・・そんなのないけれど・・・・入りたいとどんどんやってくる始末。
このままでは優秀な人材までもお引き取り願う事になりかねなかったので、ちょうど最近ダンジョンが発見され、その探索を開始しし始めていたので、その探索を彼らに行ってもらう事で、その時の状況それとこちらの課題を、条件をいかに守りながら探索を遂行できるか、その状況を見て家臣に加えるか、またどういった採用をするか逆に使えないと不採用にするか、その見極めに今現在ダンジョンに入ってもらっているそうだ。

「まあ万が一があるといけませんので、こちらで高レベルの人材を各所に配置しておりますし、先行して探索は行っておりますので、よほどの事がない限りは死人は出ないと思っております。ただ、こちらの意に沿わない行動をした場合には、その限りでは御座いませんが。」

「うーん、ある程度安全ならいいんだけど、で、具体的にはどういった条件があるの？」

「期間は１ヶ月でございます。そして、必ず一週間毎に一度報告に来るように伝えております。そして決して無理はしないように、と。」
「えええとそれだけ？」
「ええ、それに、これは能力その他の見極めであって、状況次第では全員採用、逆に全員不採用になる可能性も伝えております。」

「その基準は？」
「これは決して競争では御座いませぬ。競ってダンジョンの探索を行っても意味がございませぬ。いずれ採用されれば、常山領を発展させるために働く仲間になるのでございます。そう言った見極めも行うのですよ。そして、先行させているこちらの手勢は、逐一報告を行ってもらう事になっております。」

「よくわからないけれど、ちょっと気になります。僕もそのダンジョンに向かいます。」
「え？何故行かれるのでございますか？」
「よくわからないけれど、何故か行かないといけない気がしてね。」
「予知でございますか？」
「違うよユハニ。人として行かないといけない気がするんだよ。」
「いまいち理解できませんが、オイヴィ殿もおられるようですし、そもそも公爵様のレベルであれば、怪我すらしないでしょうし。」

いったいどんな所なんだろう？
僕は何故か急いだほうがいい気がして、急ぎ準備をする事にしました。