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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第十一話】ティアル・サーライト ⑥

「戦力分析は終わったかァ?こんなチャチな攻撃、いくらされたって、この俺様の体には蚊ほども効きやしねぇぞ」

「……だろうな」


炎の槍でも傷一つ付いていないティアルの体を見て、スパイルは苦々しい声で呟いた。

ティアルの体は正しく金属。

足の爪先から頭の天辺に至るまで、ティアルの肉体は全て金属で構成されている。

腕が伸びたりしていたのもそういう理由だ。

あの体には、骨格という概念が無い。

その上、

それほど変幻自在に動くにもかかわらず、アレは恐ろしく硬い性質を持っているのだ。

生半可な攻撃は、あの体の前には何の意味もなさない。

全て弾き返され、内側には決して到達できないときている。

コレが、ディオラスNo.2としての皇太子の実力、いや特性か。

あの体は敵を殺す矛であり、身を守る盾でもあるのだ。

あの体を突破しない限り、ティアルに攻撃を通すことは難しいだろう。

『金属人間』とはよく言ったものだ。

物理攻撃でティアルを倒すことは、ほぼ不可能に近い。


「しかし思い切ったものだなァ、スパイル。ここまでの所業、いくらNo.4たって許されるはずもないぜェ?この俺様への暗殺未遂は勿論のこと、あのマグマで沢山の住民が死んだはずだァ。どう落とし前付けてくれる?」


多少は感情も落ち着いてきたのか、ティアルはそう言って話しかけてきた。

スパイルは息を整えつつ、返答する。


「もうここには戻らねぇつもりだから、正直言って関係ねぇのさ。せっかくこの地位まで来て口惜しいが、お前に目を付けられた時点で仕方ねぇと割り切ってるよ……。なんせお前、明日のランキング戦で、俺のこと殺す気だったろう?」

「カカッ!!カカカカカカッ!!そうか、気付かれちまってたか!!なら仕方ねぇなぁ……。今更もうどうしようもねぇが、あの女に会っちまったのが良くなかったのかねぇぇぇ?」

「…………」


先ほどの母親とのやり取りを思い出す。

そこについては、未だスパイルの中でも整理は付いていないのだ。

突然、自分に兄弟がいたなどと聞かされて、それがティアル・サーライトなど、簡単に割り切れるはずもない。

だが、

思い当たる節ならある。

この炎だ。

スパイルは炎を生み出し、自在に扱うことが出来るが、他にそういうことが出来る人間はいない。

こんな特殊能力を持っている者など、ディオラス中のどこを見てもスパイルしかいないのだ。

そう、

このディオラスの王、『ルドルフ・サーライト』以外は。

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