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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第十話】母親 ⑤

「何でだ!!何で……ッ!!」


ピーンポーン


すると、

家にチャイムの音が響いた。

誰が来て、何の要件かは分かっている。

スパイルは一旦呼吸を整えると、玄関のドアを開けた。


「あ、夜分遅くにすみません、No.4、スパイル・ラーチェス様。No.2、ティアル・サーライト様より伝言があり、参りました」


現れたのは若い男だった。

見た所、新兵か。

おそらく、まだ3桁にすら到達出来ていないランク外だ。

スパイルも以前いたことがあるが、ディオラスに生まれ落ちた時点で、例え赤子でも順位が付けられる。

ティアルやスパイルのように自ら進んでランキング戦に関わらない限り、ランキングによる差別を受けるのは15歳からだ。

それまでは自分より上位の順位の人間の下につくのが普通で、この青年はティアルの下についているのだろう。

上位の人間の下につくとはいっても、通常、それが2位相手になるなんてことはないが、ティアルは自分の"悪癖"のために、敢えてそういった相手を下に加えたと見える。

吐き気がしそうだった。


「え、えっと……ティアル様からは、『明日の朝10時、王城』とだけ伝えるように言われております。これで……宜しいでしょうか?」


青年はオドオドした様子で話す。

他人からすれば待ち合わせくらいにしか思えない内容なのに、そのティアルには友達なんて全くいないから不安になったのだろう。

スパイルは頷いた。


「あぁ、これで大丈夫だ。よくやったな」

「は、はぁ……」


内容が内容だけに、簡単すぎて褒められてるのか分からなかったのか、青年は曖昧な表情で頭をかいた。

スパイルはそれ以上は絡まず、黙ってドアを閉める。

あの青年には"悪い気がした"が、仕方がなかった。

コレも、自分たちが生き残るためだ。

"無自覚な囮"になってもらうくらい、仕方がない。

スパイルはため息を吐き出した。


「行くか……地獄の夜会に」


用意しておいた大量の爆薬に、戦闘装備一式。

スパイルは、ドアを再びコッソリ開けて青年が去っていくのを確認すると、手早く装備を身につけ、道具を持った。

まだ感情は揺らいでいるし、万全とはとても言いがたいが、仕方がない。

覚悟もまだ決まってないが、行くしかなかった。

スパイルは完全にドアを開け、外に出る。

今こそ、このディオラスの生んだ悪しき狂人を、始末する時だ。


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