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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第九話】スパイルの過去 ③

「……その2つの質問の答えは、2つとも同じようなものだ。俺は今……ディオラスから逃げている状態だからな」


答え方が決まったのか、スパイルは口を開いた。

しかし、

その内容に、恭司は首を傾げる。


「……ディオラスから……逃げる?」

「あぁ」

「……どういうことだ?」

「言葉通りの意味だ。国内でとんでもねぇヘマやっちまってな。多分、処刑もんだから捕まる前にさっさと逃げてきたんだ。森にいたのは、単に逃げた先がここだっただけの話。国に報告しないのは、しないんじゃなくて出来ないだけだ。OK?」

「……信じられないな」

「そう言うと思ったぜ。お前、ちょっと疑心暗鬼すぎるんじゃないか?どんだけ人を信じられねぇんだ」

「…………」

「じゃあ、逆にどうやったら信じてもらえる?そして、どうやったらお前のバルキーを狙う理由を教えてくれる?」

「まだ知りたかったのか……」

「あぁ、知りたいぜ。じゃあ、こうしよう。俺は今からそのディオラスから逃げなきゃならねぇ理由をエピソードを踏まえて丁寧に細かいところまできっちり教えてやる。それを聞いて満足したら、お前のことを話してくれ。逆に満足しなかったら話さなくて良い。どうだ?」

「……ずいぶん俺に有利な話だが、そんな条件で良いのか?」

「あぁ、良いよ。俺の話は間違いなく面白ぇ。なんせ、三大国ディオラスのハイパートップシークレットな話だからな。残り2つの国の王だって知らねぇ話だ」

「…………」

「ってことで話すけど……あれは今から大体1ヶ月くらい前。俺がディオラスの『No.4』として就任した時の話だ」


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ご存知の通り、ディオラスは完全完璧に実力主義な国だ。

上から下まで、徹頭徹尾戦闘の実力だけで権力と階級が決まっている。

なんせ国是が『弱肉強食』だからな。

国政を担う役職は全て順位に基づいたナンバー、

人選は勿論戦闘における決闘だ。

職務への希望や経験なんて見向きもされない。

だからこそ、

国内ではランキング戦という名の内戦がほぼ毎日のように勃発する訳だが、そんなメチャクチャなシステムでも何とか出来てしまっている所が、この国の怖い所だ。

普通は破綻する所を、『ルドルフ』っていうカリスマただ一人のおかげで成り立たせていると言っていい。

まぁ、実力は戦闘力だけじゃないとか色々ご意見はあると思うが、俺もなんせ生まれた頃からその環境下で生きてきたからな。

結局はまぁ、その考えに馴染んでる。

俺は元々町外れの小屋みたいな所に母親と2人で暮らす貧乏育ちだったんだが、そんな俺が心地良く暮らしてたのは、正しくその国是のおかげだ。

生まれがどうとか育ちがどうとかはディオラスじゃあまり重視されないし、その辺の奴より圧倒的に強かった俺は、国内でも着々と出世したさ。

生まれ育ちは町外れの小屋でも、いい歳した頃には街中の一等地だ。

自分の才能に心から感謝したよ。

ディオラスは生まれ育ちを重視しない代わりに、実力の有無に対しては恐ろしく細かい国だからな。

弱い者イジメは国を上げて推奨されてるし、逆に実力も無いくせに威張り散らす貴族なんかは容赦なく叩き潰される。

そして勝った奴が新しい貴族になって、また弱い者イジメを始めるのさ。

まぁ、強い奴しかマトモに生活できないくらい、常に闘争が尽きない野蛮な国だったが、"強者"として生まれ落ちた俺には住みやすい国だったよ。

だが、

そんな国でも人間関係のイザコザってのはあるもんだ。

事は、俺がディオラスの『No.4』として叙勲した時に起きた。


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