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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第六話】王族狩り 17

「おいおい、ずいぶんしぶといなぁ。流石にここまで粘られると萎えてくるよ」


シェルはそう言うと、ため息を吐きながら歩み寄ってきた。

もう恭司に反撃する余力はない。

そう判断してのことだ。

シェルは剣を恭司に向け、今一度構える。

直接斬るつもりだ。


「僕も二度の雷でエネルギーを消費し過ぎてしまったからね。"もう使えない"し、最後はコレで締めるとするよ」


恭司は体をピクリと揺らした。

『もう使えない』と、シェルは言った。

残りは自力の剣術のみだということだ。

恭司はない力を振り絞って立ち上がる。

シェルは感心に目を大きくした。


「ほぉぉぉ、いい漢気だ。流石は『三谷』……。とでも言っておくよ。君との戦いはとても熱くて、楽しかった」


シェルはそう言って剣を振り上げる。

隙の一つも見つけられないほど綺麗なフォームで、恭司はそれを睨み付けるように見ていた。

決して見逃すまいと、目を大きくしながら、その瞬間を待っていた。

シェルはその様子を確認しつつ、剣を振り下ろす。

そのフォームはやはりとても綺麗で、隙なんてどこにもなかった。

どこまでも油断しない男だ。

その攻撃はここに至っても正確無比で、反撃された時のことまでしっかり織り込まれている。

万が一すら許さないつもりだ。

そして、

恭司はその剣筋を見ながら、ギリギリの所で技を行使する。

ラスト1回の三谷の技。

最後の最後に残された、唯一の活路。

それを放つ。

ーー基本技が一つ、『瞬動』。

恭司の体は、その瞬間、まるで瞬間移動のように消え去った。


「やはりかァ!!」


シェルの振り下ろした剣は空を斬るが、シェルは待ってましたとばかりに反撃に対する準備を整えた。

雷使いとしての反射神経はもちろんそのままだ。

油断も勿論していない。

何が来ようとも防いでカウンターを与える準備は出来ていた。

しかし、


「………………どうなっている……」


反撃は結局こなかった。

全ての準備を終え、いつ来られても大丈夫だったのに、何もこなかった。

何なら恭司自身の姿すらない。

瞬動を使って移動したはずだが、ここにはもうシェル以外誰もいなかった。

シェルはハッとすぐに気付いて、思わず身をプルプルと震わす。

そう、

シェルは、もうエネルギーを消費し過ぎて雷技を使えないのだ。

つまり、

『雷伝』も使えない。

シェルは思わず叫ぶ。


「逃げやがったかぁぁぁあああ!!」


声だけで衝撃が走り、殺気が辺りに弾け飛んだ。

今日で一番だった。

シェルは血が出るほど歯を食い縛り、己が失策を呪う。

カウンターの用意ではなく、逃げられないようにするべきだった。

まさかあの局面で『逃げる』と思えなかったのが、全ての要因だ。

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