復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第六話】王族狩り 13
「フハハハ!!ようやく攻撃が当たったか!!最初に受けた奇襲の借りは返せたかな!?」
シェルはその間に雷の球体を大量に作り、王族狩りに向かわせる。
高速で移動するそれらに、王族狩りはただ逃げることしか出来なかった。
まだ、反撃できるほど体が回復していない。
「特別に解説してあげよう!!コレは僕の一番のお気に入りの技なんだ!!僕は地面や木に微弱な電力を流して、敵の位置を瞬時に把握することができるッ!!」
王族狩りは逃げるさながら、体をピクリと動かした。
それには、覚えがある。
ありすぎている。
それは、その技は……
「フハハハハハハハ!!そうさぁ!!覚えがあるだろう!?ありまくってるだろう!?"あの時"もコレが役に立ったんだ!!お前らのようなコソコソ奇襲を狙う"卑怯者"には効果抜群だったよッ!!」
一瞬、思考が止まった。
シェルが何を言っているのか分からなかった。
感情があまりに先立ち、言葉を上手く理解できない。
コイツハ、ナニヲイッテイル?
「ま、待て……。い、一体……何を……」
「そう!!あの時もぉぉぉおおおおおお!!貴様らを追い詰めるのは容易い"作業"だったよ!!僕はまだ子どもだったからコレだけに集中させられて、とても退屈だったんだ!!父や皆が羨ましかったよ!!弱者をコソコソ追い回すことしかできない強者気取りの"バカども"を蹂躙するなんて!!とても唆るじゃないかァ!!」
プツンと、何かがキレる音がした。
心が割れるようだった。
ドス黒い感情が爆発して渦を巻き、体中が熱で燃え上がって、呼吸すら止めてしまいそうだった。
コイツの……コイツノセイデ。
「だからこそォォォオオオ!!お前ら"負け犬"を取り逃がしていたことが僕には耐えられないッ!!せっかく言いつけ通りにしてやったというのになんてザマだ!!もう『三谷は全滅させた』と世界中に言いふらしてしまったんだぞ!!」
「シェル・ローズ!!貴様ッ!!貴様ァァアアアア!!」
「アハァーッハハハハハハァッ!!まぁ?男しかいない我が軍に、女どもだけは兵たちを存分に楽しませてくれたみたいだから、そこだけは感謝してやらなくっちゃなぁ!!ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
ドォォォォオオオ!!
その瞬間、
王族狩りから強烈な殺意が放たれ、空気が凍り付いた。
息を吐く度に空気が震撼して、まるで時が止まったような錯覚すら覚える。
シェルがわざと言っていることくらいは分かっていた。
コレはわざとそう仕向けられているのだと、それくらいはちゃんと理解していた。
挑発されていることなど、百も承知だった。
シェルはそんな中でも攻撃を止めず、相変わらず笑いながら、容赦なく王族狩りに雷の球体を放ち続けてくる。
逃げに徹する王族狩りを仕留めるために、
シェルは、攻撃のチャンスを待っているのだ。
怒りに身を任せた、王族狩りの渾身の大振りを、シェルはずっと待っていて、王族狩りは待たれていることすら分かっていた。
だが、
しかし、
でも、
「抑え切れるわけ!!ないだろうがぁぁああああああああ!!」
王族狩りの周囲から強烈な大風が吹き荒れる。
"父"たちの気持ちが分かった。
"あの時"も、きっとそうだったのだろう。
きっと、苦渋の末に、我慢の末に、抑えきれなかったのだろう。
国を愛し、一族を愛し、仲間が大好きだった父にとって、それは身を裂くような決断だったに違いない。
王族狩りは、いや、"三谷恭司"は、
ふと動きを止め、仮面を外す。
その奥には、秀麗で整った顔があった。
目も鼻も口も女性のように綺麗でありながらも、成人男性らしい男らしさも持っている。
その表情は、憎しみに完全に支配された鬼の形相だった。
シェルはその間に雷の球体を大量に作り、王族狩りに向かわせる。
高速で移動するそれらに、王族狩りはただ逃げることしか出来なかった。
まだ、反撃できるほど体が回復していない。
「特別に解説してあげよう!!コレは僕の一番のお気に入りの技なんだ!!僕は地面や木に微弱な電力を流して、敵の位置を瞬時に把握することができるッ!!」
王族狩りは逃げるさながら、体をピクリと動かした。
それには、覚えがある。
ありすぎている。
それは、その技は……
「フハハハハハハハ!!そうさぁ!!覚えがあるだろう!?ありまくってるだろう!?"あの時"もコレが役に立ったんだ!!お前らのようなコソコソ奇襲を狙う"卑怯者"には効果抜群だったよッ!!」
一瞬、思考が止まった。
シェルが何を言っているのか分からなかった。
感情があまりに先立ち、言葉を上手く理解できない。
コイツハ、ナニヲイッテイル?
「ま、待て……。い、一体……何を……」
「そう!!あの時もぉぉぉおおおおおお!!貴様らを追い詰めるのは容易い"作業"だったよ!!僕はまだ子どもだったからコレだけに集中させられて、とても退屈だったんだ!!父や皆が羨ましかったよ!!弱者をコソコソ追い回すことしかできない強者気取りの"バカども"を蹂躙するなんて!!とても唆るじゃないかァ!!」
プツンと、何かがキレる音がした。
心が割れるようだった。
ドス黒い感情が爆発して渦を巻き、体中が熱で燃え上がって、呼吸すら止めてしまいそうだった。
コイツの……コイツノセイデ。
「だからこそォォォオオオ!!お前ら"負け犬"を取り逃がしていたことが僕には耐えられないッ!!せっかく言いつけ通りにしてやったというのになんてザマだ!!もう『三谷は全滅させた』と世界中に言いふらしてしまったんだぞ!!」
「シェル・ローズ!!貴様ッ!!貴様ァァアアアア!!」
「アハァーッハハハハハハァッ!!まぁ?男しかいない我が軍に、女どもだけは兵たちを存分に楽しませてくれたみたいだから、そこだけは感謝してやらなくっちゃなぁ!!ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
ドォォォォオオオ!!
その瞬間、
王族狩りから強烈な殺意が放たれ、空気が凍り付いた。
息を吐く度に空気が震撼して、まるで時が止まったような錯覚すら覚える。
シェルがわざと言っていることくらいは分かっていた。
コレはわざとそう仕向けられているのだと、それくらいはちゃんと理解していた。
挑発されていることなど、百も承知だった。
シェルはそんな中でも攻撃を止めず、相変わらず笑いながら、容赦なく王族狩りに雷の球体を放ち続けてくる。
逃げに徹する王族狩りを仕留めるために、
シェルは、攻撃のチャンスを待っているのだ。
怒りに身を任せた、王族狩りの渾身の大振りを、シェルはずっと待っていて、王族狩りは待たれていることすら分かっていた。
だが、
しかし、
でも、
「抑え切れるわけ!!ないだろうがぁぁああああああああ!!」
王族狩りの周囲から強烈な大風が吹き荒れる。
"父"たちの気持ちが分かった。
"あの時"も、きっとそうだったのだろう。
きっと、苦渋の末に、我慢の末に、抑えきれなかったのだろう。
国を愛し、一族を愛し、仲間が大好きだった父にとって、それは身を裂くような決断だったに違いない。
王族狩りは、いや、"三谷恭司"は、
ふと動きを止め、仮面を外す。
その奥には、秀麗で整った顔があった。
目も鼻も口も女性のように綺麗でありながらも、成人男性らしい男らしさも持っている。
その表情は、憎しみに完全に支配された鬼の形相だった。
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