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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第六話】王族狩り ⑦

「は?」


シェルは目を離したつもりはなかった。

むしろ集中して見ていたくらいだ。

何が起きたのか分からない。

王族狩りは一瞬の如き速さでシェルの前に躍り出ると、即座に刀を振り、シェルの首を斬り飛ばしにかかっていた。

シェルは間一髪剣を滑り込ませてそれを防ぐも、あまりの勢いに体制を崩される。

防げたのは雷使いとしての反射神経があったおかげだった。

最初の三日月を防いだ時もそうだったが、シェルは体内に常時電流を循環させ、自分に危機が迫ると体が反射的に動くように訓練している。

雷伝と組み合わせ、生命に危険が及ぶと勝手に防ぐようにしているのだ。

だから、

王族狩りの攻撃を防いだ今も、頭はまだ追い付いていない。

分かっているのは不意をつかれたことと、攻撃されたことだけだ。

そして、

一度マバタキした頃には、もう次の攻撃の準備が整っている。

王族狩りはその場から動かずに刀を振り、宙を飛ぶ風の刃を放ってきた。

その数は1、2、3、4、5連撃。

たった数秒の交錯の中、5つの刃が同時にシェルを襲い、シェルはその内の3つを剣で弾いて、残りは避けた。

また崩される体制。

王族狩りはそこにさらにさらにの追撃を仕掛ける。

シェルも流石に反応した。


「ナメるなァ!!」


雷を纏った剣を一閃。

その瞬間、

シェルを囲うように雷の壁が形成された。

またしても放たれていた三日月はそこで阻まれ、シェルは無事に地面へと着地する。

仕切り直しだ。


「兵の惨殺と言いコレと言い、さっきから随分と好き放題やってくれるなァ!!王族狩り!!貴様の正体はもう分かっているぞ!!さっさとその気色悪い面を外したらどうだ!?」

「…………」


シェルに怒鳴られ、王族狩りは一度動きを止めた。

勿論、怖気付いたなどということはない。

王族狩りもまた、怒りに身を震わせているようだった。


「好き放題だと……?分かっているだと……?よくもまぁ、ヌケヌケと言ってくれるものだな……」


強い怒りと憎しみのこもった声。

初めて聞いたその声は低く、喋る度に場が冷え込むかのようだった。

シェルは剣を構え、警戒レベルを上げる。

何かしてきそうな気配がした。


「俺はこの日をずっと待ち望んでいたんだ……。ローズ家……いや、ミッドカオス、貴様らを地獄に叩き落とすために」

「…………」

「貴様に分かるか?仲間を……友達を……父を家族を皆を!!大切な人を全て奪われた人間の気持ちがッ!!」

「………………」

「長かった……。とても長かったよ。修吾おじさんから受け取った秘伝書をもとに、俺はこの10年、ずっと修練に捧げてきたんだ。全ては貴様らを!!全員ブチ殺すためになぁ!!」


(修吾……。柊修吾か……。確か三谷一族の参謀だったな)


シェルはあくまでも冷静に分析する。

頭は王族狩りの殺し方で一杯だった。

シェルは元々、"短気で理不尽で高圧的"だ。


「特に貴様ら親子だけは決して許す事が出来ない!!貴様とバルキー・ローズだけは!!この手で必ず殺s」

「知るかぁぁああああ!!」


シェルの雷技が一つ、『雷撃砲』。

王族狩りの言葉を遮り、シェルの持つ剣の切っ先から横向きの雷が飛び出した。

王族狩りにまっすぐ向かう雷の放射は、さしずめ光線のような代物だ。

速すぎて普通は目でも追えない。

しかし、

王族狩りはそれを横に跳んで避けると、シェルはそこに雷迅で一気に距離を詰め、剣を振り下ろした。

王族狩りは空中でそれを受け止めるが、そのまま後ろに弾き飛ばされる。

シェルは再び切っ先を王族狩りに向け、叫んだ。


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