復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第六話】王族狩り ⑤
「て、敵の攻撃だー!!全員、配置につけー!!」
将軍の慌てた指示が現場に響く。
兵士たちはハッと我に帰るかのように動き出した。
何があったのか分からないが、何かあったのだ。
シェルを守らなければならない。
そして、
それから時を置かずして、気配のあった所に突如、風が吹き始めた。
ゴオオオッと強烈な旋風が巻き上がり、シェルは咄嗟に気付いて雷の障壁を張る。
嫌な予感がしたーー。
途端、
旋風は巨大な螺旋を描き出し、横向きの竜巻となってシェルに突っ込んできた。
「ば、バカなッ!!」
竜巻と障壁がぶつかり、一瞬だけ膠着する。
だが、
咄嗟の障壁では弱すぎた。
あっという間に弾かれ、シェルは背後の兵士ごと後ろに吹き飛ばされる。
道連れにされた兵士たちはその悉くが薙ぎ倒され、シェルの体は森の中にまで突入した。
数多の木々をへし折りながら、シェルの体はようやく木々の1つで止まり、一瞬意識を失いそうになる。
ダメージは深刻だった。
「あ、有り得ない……。有り得ないぞ、コレは……」
朦朧とする意識の中、シェルは呟く。
訓練場の方から兵士たちの悲鳴が聞こえた。
きっと王族狩りが暴れているのだろう。
兵士たちにあんな攻撃を防ぐ術は持たせていない。
おそらくは蹂躙されているはずだ。
「有り得ない……。まさか、また現れるなど、あってはならない……」
シェルは何とか木に掴まり、立ち上がる。
あの風を操る攻撃には覚えがあった。
ありすぎていた。
こんな事が出来るのはあの一族しかいない。
シェルは息を吸い込み、叫ぶ。
「まだ生きていたのか!!三谷一族ッ!!」
シェルの体から電流が放出される。
バチバチと空気を散らし、地面を捲り上がらせるほどの威力と迫力を持って、シェルは怒りを露わにした。
こんなことにならないように、あの日は父『バルキー・ローズ』と綿密に気配を探したのだ。
捜索隊も出し、全員死んでいることを確信するまで、何度も何度も丁寧に探したはずだったのだ。
それなのに……
それなのにだ。
「どうやって生き延びたァ!!絶対に吐いてもらうぞッ!!」
シェルは雷を纏い、さっきいた所まで戻る。
その動きは目に止まらぬほど高速で、およそ人の出せる動きではなかった。
コレも、シェルの雷技が一つ。
その名は、『雷迅』。
「ッ!!」
突如現れたシェルに、王族狩りは動揺を隠せなかった。
まだ生きているだろうと思っていたが、こんなに早く戻ってくるとは予想外だ。
王族狩りは風の障壁を張るが、今度はシェルの方が早い。
シェルは剣を振りかぶると、雷を纏った状態で振り下ろした。
今度は王族狩りが後ろに飛ばされ、森の寸前の所まで吹き飛ばされる。
ようやく、対面の時が来た。
将軍の慌てた指示が現場に響く。
兵士たちはハッと我に帰るかのように動き出した。
何があったのか分からないが、何かあったのだ。
シェルを守らなければならない。
そして、
それから時を置かずして、気配のあった所に突如、風が吹き始めた。
ゴオオオッと強烈な旋風が巻き上がり、シェルは咄嗟に気付いて雷の障壁を張る。
嫌な予感がしたーー。
途端、
旋風は巨大な螺旋を描き出し、横向きの竜巻となってシェルに突っ込んできた。
「ば、バカなッ!!」
竜巻と障壁がぶつかり、一瞬だけ膠着する。
だが、
咄嗟の障壁では弱すぎた。
あっという間に弾かれ、シェルは背後の兵士ごと後ろに吹き飛ばされる。
道連れにされた兵士たちはその悉くが薙ぎ倒され、シェルの体は森の中にまで突入した。
数多の木々をへし折りながら、シェルの体はようやく木々の1つで止まり、一瞬意識を失いそうになる。
ダメージは深刻だった。
「あ、有り得ない……。有り得ないぞ、コレは……」
朦朧とする意識の中、シェルは呟く。
訓練場の方から兵士たちの悲鳴が聞こえた。
きっと王族狩りが暴れているのだろう。
兵士たちにあんな攻撃を防ぐ術は持たせていない。
おそらくは蹂躙されているはずだ。
「有り得ない……。まさか、また現れるなど、あってはならない……」
シェルは何とか木に掴まり、立ち上がる。
あの風を操る攻撃には覚えがあった。
ありすぎていた。
こんな事が出来るのはあの一族しかいない。
シェルは息を吸い込み、叫ぶ。
「まだ生きていたのか!!三谷一族ッ!!」
シェルの体から電流が放出される。
バチバチと空気を散らし、地面を捲り上がらせるほどの威力と迫力を持って、シェルは怒りを露わにした。
こんなことにならないように、あの日は父『バルキー・ローズ』と綿密に気配を探したのだ。
捜索隊も出し、全員死んでいることを確信するまで、何度も何度も丁寧に探したはずだったのだ。
それなのに……
それなのにだ。
「どうやって生き延びたァ!!絶対に吐いてもらうぞッ!!」
シェルは雷を纏い、さっきいた所まで戻る。
その動きは目に止まらぬほど高速で、およそ人の出せる動きではなかった。
コレも、シェルの雷技が一つ。
その名は、『雷迅』。
「ッ!!」
突如現れたシェルに、王族狩りは動揺を隠せなかった。
まだ生きているだろうと思っていたが、こんなに早く戻ってくるとは予想外だ。
王族狩りは風の障壁を張るが、今度はシェルの方が早い。
シェルは剣を振りかぶると、雷を纏った状態で振り下ろした。
今度は王族狩りが後ろに飛ばされ、森の寸前の所まで吹き飛ばされる。
ようやく、対面の時が来た。
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