復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第四話】三谷恭司 ⑦
「ぐほぉあ!!」
後ろに飛ばされる修吾。
ビスが直接の攻撃を行ってきたのは初めてだ。
ずっと遠距離からだけだったのに、今回は直接行ってきた。
ビスは背後に再びナイフを展開する。
その数は100本、200本……。
どんどん増殖していき、瞬く間に視界を覆い尽くすほどになった。
ビスは呟く。
「こっちだってなぁ……。1度ならず2度もお前らを仕留め損なって!!昇進が危うくなってんだよぉおおお!!もう本気でやってやんぞ!!」
そう言うと、
ビスは相変わらずナイフを修吾に向けて放ち、何百にも渡って蓮撃を仕掛けてきた。
ナイフを放つ間にもナイフは新しく展開され、もはや何千ものナイフが飛び交い続ける。
修吾は相変わらずナイフを三日月で弾き飛ばし、刃の嵐を潜り抜けていた。
時折子どもたちに向けられるナイフ群も余裕を持って弾き飛ばし、やはり相変わらず当然に、その身には届かない。
しかし、
今回のビスの攻撃は、これだけに止まらなかった。
「術式!!火焔!!」
突如、
修吾の周りに展開されるナイフの中で、4つのナイフがいきなり光り出し、その4つは修吾を囲む形で四角形に展開された。
危機を察した修吾は上に跳び、
その瞬間、
四角形の間で火が燃え上がる。
ナイフを術符代わりにし、"術"を放ってきたのだ。
修吾も肝を冷やした。
「避ぉぉぉけやがったかぁ!!上手く隙を付いたと思ったのにぃ!!次いくぞぉぉおお!!」
そう言って、
ビスは相変わらずナイフを繰り出してくるさながら、ナイフに括り付けた術符をもとに何度も術式を繰り出してきた。
ビス・ヨルゲンは、ナイフを空中に展開できる超能力者であると同時に、術式を駆使する陰陽術師だったのだ。
「さぁさぁ!!どんどん行くぜぇ!!どんどんやるぜぇ!!」
それからは圧倒的だった。
繰り出されるナイフ数百本でも十分すぎるほど厄介なのに、そこに陰陽術まで組み合わせてくるのだ。
何度も火が上がり、何度も無数の刃が襲う中、修吾は辛くも凌いでいた。
瞬動で移動しながら三日月でナイフを弾き、目にも止まらぬスピードで敵を撹乱する。
ビスの目にも焦りの色が見えてきた。
「くそぉぉおお!!何故、死なねぇ!?何で避け続けられる!?この化け物がッ!!なら、そこにいるお荷物から狙うまでだ!!」
ビスは標的を子どもたちへと変えた。
ナイフが一斉に子どもたちへと向かい、恭司と優香は構える。
しかし、
修吾は瞬動と乱れ刃を駆使し、それすらも弾き返してしまった。
ビスはたまらず地団駄を踏む。
「なぁんだ、テメェは!!恭一郎の側仕えの分際で!!」
ビスが怒っている最中、修吾は恭司に近づき、一つの巻物を渡した。
その巻物は分厚く、厳重に封がなされていて、簡単には開かないようになっている。
恭司はよく分かっていない様子で、修吾の顔を見た。
今のはある意味攻撃のチャンスだったはずだ。
なのに、
わざわざ敵に背を向けて自分の所にきて、こんな物を渡してきた。
動転して言葉は出なかったが、恭司は修吾の目を見る。
その目は、これから行う全てのことを語っているようだった。
後ろに飛ばされる修吾。
ビスが直接の攻撃を行ってきたのは初めてだ。
ずっと遠距離からだけだったのに、今回は直接行ってきた。
ビスは背後に再びナイフを展開する。
その数は100本、200本……。
どんどん増殖していき、瞬く間に視界を覆い尽くすほどになった。
ビスは呟く。
「こっちだってなぁ……。1度ならず2度もお前らを仕留め損なって!!昇進が危うくなってんだよぉおおお!!もう本気でやってやんぞ!!」
そう言うと、
ビスは相変わらずナイフを修吾に向けて放ち、何百にも渡って蓮撃を仕掛けてきた。
ナイフを放つ間にもナイフは新しく展開され、もはや何千ものナイフが飛び交い続ける。
修吾は相変わらずナイフを三日月で弾き飛ばし、刃の嵐を潜り抜けていた。
時折子どもたちに向けられるナイフ群も余裕を持って弾き飛ばし、やはり相変わらず当然に、その身には届かない。
しかし、
今回のビスの攻撃は、これだけに止まらなかった。
「術式!!火焔!!」
突如、
修吾の周りに展開されるナイフの中で、4つのナイフがいきなり光り出し、その4つは修吾を囲む形で四角形に展開された。
危機を察した修吾は上に跳び、
その瞬間、
四角形の間で火が燃え上がる。
ナイフを術符代わりにし、"術"を放ってきたのだ。
修吾も肝を冷やした。
「避ぉぉぉけやがったかぁ!!上手く隙を付いたと思ったのにぃ!!次いくぞぉぉおお!!」
そう言って、
ビスは相変わらずナイフを繰り出してくるさながら、ナイフに括り付けた術符をもとに何度も術式を繰り出してきた。
ビス・ヨルゲンは、ナイフを空中に展開できる超能力者であると同時に、術式を駆使する陰陽術師だったのだ。
「さぁさぁ!!どんどん行くぜぇ!!どんどんやるぜぇ!!」
それからは圧倒的だった。
繰り出されるナイフ数百本でも十分すぎるほど厄介なのに、そこに陰陽術まで組み合わせてくるのだ。
何度も火が上がり、何度も無数の刃が襲う中、修吾は辛くも凌いでいた。
瞬動で移動しながら三日月でナイフを弾き、目にも止まらぬスピードで敵を撹乱する。
ビスの目にも焦りの色が見えてきた。
「くそぉぉおお!!何故、死なねぇ!?何で避け続けられる!?この化け物がッ!!なら、そこにいるお荷物から狙うまでだ!!」
ビスは標的を子どもたちへと変えた。
ナイフが一斉に子どもたちへと向かい、恭司と優香は構える。
しかし、
修吾は瞬動と乱れ刃を駆使し、それすらも弾き返してしまった。
ビスはたまらず地団駄を踏む。
「なぁんだ、テメェは!!恭一郎の側仕えの分際で!!」
ビスが怒っている最中、修吾は恭司に近づき、一つの巻物を渡した。
その巻物は分厚く、厳重に封がなされていて、簡単には開かないようになっている。
恭司はよく分かっていない様子で、修吾の顔を見た。
今のはある意味攻撃のチャンスだったはずだ。
なのに、
わざわざ敵に背を向けて自分の所にきて、こんな物を渡してきた。
動転して言葉は出なかったが、恭司は修吾の目を見る。
その目は、これから行う全てのことを語っているようだった。
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