復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第四話】三谷恭司 ⑤
「視察に出した兵も全て集めろ!!こうなれば総力戦だ!!『シェル』もここに呼べ!!」
バルキーはもはや焦りの表情を隠さなかった。
ここにいる日本国軍は、おそらく100にも満たないだろう。
それに対して、
ここにいるミッドカオス兵は20万はくだらない。
それがここまでの苦戦を強いられているのだ。
敵の思想だけでなく、戦力も読み違えていたと認めざるを得ない。
「使える物は全て使え!!隠蔽はもういい!!奴らを根絶やしにするのだ!!」
バルキーは精鋭部隊に守られながら、なるべく軍の奥にまで移動し、その間にも指示を出し続けた。
軍略に長けたミッドカオスの王は、この状況下でもあらゆる策を出し、日本国に対抗する術を展開する。
だがそれでも、
日本国の勢いを止めることは出来なかった。
元々国民全てが将軍クラスの実力を持つ国だ。
真正面からやり合えば、いかに数で勝っていようと勝てるとは限らない。
それが精鋭揃いの三谷一族ともなれば尚更だった。
「一気に片付けることは諦めろ!!1人ずつ着実に殺していけ!!」
バルキーはようやく軍の奥で人心地つくと、改めて全体を俯瞰する。
それぞれが紅い目を爛々と光らせ、目にも止まらぬ速さで敵を殺し続けるこいつらを、バルキーは初めて恐ろしいと感じた。
こんな怖い敵は初めてだった。
およそ人間とは思えないほどの速度で、人間離れした形相でいとも容易く人を斬るこいつらに、バルキーは心底恐怖した。
この民族はやはり皆殺しにしなくてはならない。
ここで全てを断ち切っておかなければ、後に強い災いとなって、自らに降り掛かるだろう。
バルキーは目を瞑り、周囲の"気配を感じ取る"。
すると、
まだ森の中に人の気配が残っているのが分かった。
「あと500人、いや、1000人森に向かわせろ!!まだ森に残っているはずだ!!『ビス』も動かしていい!!」
バルキーは隊長の1人に指示を出す。
指示を出された隊長は、およそ1000人もの精鋭を引き連れて、森の中の恭司たちのもとへ向かった。
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バルキーはもはや焦りの表情を隠さなかった。
ここにいる日本国軍は、おそらく100にも満たないだろう。
それに対して、
ここにいるミッドカオス兵は20万はくだらない。
それがここまでの苦戦を強いられているのだ。
敵の思想だけでなく、戦力も読み違えていたと認めざるを得ない。
「使える物は全て使え!!隠蔽はもういい!!奴らを根絶やしにするのだ!!」
バルキーは精鋭部隊に守られながら、なるべく軍の奥にまで移動し、その間にも指示を出し続けた。
軍略に長けたミッドカオスの王は、この状況下でもあらゆる策を出し、日本国に対抗する術を展開する。
だがそれでも、
日本国の勢いを止めることは出来なかった。
元々国民全てが将軍クラスの実力を持つ国だ。
真正面からやり合えば、いかに数で勝っていようと勝てるとは限らない。
それが精鋭揃いの三谷一族ともなれば尚更だった。
「一気に片付けることは諦めろ!!1人ずつ着実に殺していけ!!」
バルキーはようやく軍の奥で人心地つくと、改めて全体を俯瞰する。
それぞれが紅い目を爛々と光らせ、目にも止まらぬ速さで敵を殺し続けるこいつらを、バルキーは初めて恐ろしいと感じた。
こんな怖い敵は初めてだった。
およそ人間とは思えないほどの速度で、人間離れした形相でいとも容易く人を斬るこいつらに、バルキーは心底恐怖した。
この民族はやはり皆殺しにしなくてはならない。
ここで全てを断ち切っておかなければ、後に強い災いとなって、自らに降り掛かるだろう。
バルキーは目を瞑り、周囲の"気配を感じ取る"。
すると、
まだ森の中に人の気配が残っているのが分かった。
「あと500人、いや、1000人森に向かわせろ!!まだ森に残っているはずだ!!『ビス』も動かしていい!!」
バルキーは隊長の1人に指示を出す。
指示を出された隊長は、およそ1000人もの精鋭を引き連れて、森の中の恭司たちのもとへ向かった。
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