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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第三話】ミッドカオス戦<2> ⑩

そう言って、ビスはナイフを数本空中に展開し、放ってきた。

ほぼ騙し討ちだ。

恭一郎も修吾も難なく避けるが、ようやく姿を現したミッドカオスの人間を前にして、恭一郎は既にブチ切れていた。


「舐めてんじゃねぇぞ、カスがぁぁああ!」


三谷の基本技が一つ、『大三日月』。

恭一郎は刀を振ると、その切っ先から三日月状の斬撃が飛び出した。

宙を走る風の斬撃はまっすぐビスに向かい、ビスもまた、難なく避ける。

そして、

ナイフを再び空中に展開すると、その上に足を置いた。

ナイフごと宙に浮いたビスは、その間も何十本とナイフを展開し、視界がナイフで埋まっていく。

まずい状況だった。


「修吾!!子どもたちを連れて下がってろ!!コイツは俺が相手する!!」

「だ、ダメです!!そいつは強い!!相手なら私が……ッ!!」

「早くしろ!!」

「ッ!!」


そう言われ、修吾は瞬動ですぐさま子どもたちの前に移動し、刀を構えた。

その間に、

展開されていたナイフたちが一斉に恭一郎へと向かう。

悠に100は超えるナイフを数秒の内に展開したビスは、ソレらを容赦なく放った。

しかし、

恭一郎は刀に風を纏い、三日月でそのナイフ群を一瞬にして吹き飛ばしてしまう。

続いて刀の切っ先をビスに向けると、宙に向けて突きを放った。

その切っ先からは風の螺旋が紡がれ、横向きの竜巻となってビスに向かう。

これも、三谷の技が一つ。

奥義、『風撃砲』。


「ハハァ!!流石は三谷のご当主様!!恐ろしい技だ!!滾っちまうねぇ!!」


ビスは足下のナイフの移動速度を上げ、ソレすらも避けてしまった。

量だけでなく速度まで上げられるらしい。

本当に厄介な能力だ。

そして、

ビスはその間にすらナイフを何百と展開していく。

200作れば100を撃ち出し、400作れば200を撃ち出して、恭一郎に吹き飛ばされる間柄、ビスの後ろには何千とナイフがストックされていた。


(くそっ!!これはまずいな……)


恭一郎は相変わらずナイフを吹き飛ばしながら、この状況に渋面を浮かべる。

あのストックされたナイフ群の使い道は明白だ。

既に1000は超えているであろうアレらを一気に放たれれば、流石の恭一郎でも基本技だけでは防ぎ切れない。

それに、

おそらくビスの目的は時間稼ぎだ。

ここまで戦ってきた中でも、ビスは遠くからナイフを放つばかりで一向に距離を詰めてきていない。

遠くからの安全策を徹底している。

後ろにストックされたナイフ群がメインなのは間違いないが、そもそもそれだけで恭一郎を倒せるとも思っていないだろう。

言葉とは裏腹に、増援が来るまで足止めするのが目的のはずだ。

どこかで巻き返しを図る必要がある。

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