復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第三話】ミッドカオス戦<2> ⑦
「ち、畜生畜生ッ!!なんてザマだ!!なんて醜態だ!!動くぞ、修吾!!ここまで来たら死ねない!!もう死ねないッ!!ここまで来たらッ!!いつか奴らを根絶やしにするまでッ!!絶対に死ねないぞ!!」
「はっ!!」
怒る恭一郎に、修吾は冷静な表情で返答する。
修吾も恭一郎と同じ心境だったが、子どもたちの前で大人が2人揃って錯乱するわけにはいかなかった。
2人は子どもたちを抱えて、ただ走る。
森の中へ入り、木々の間を瞬動で駆けて、2人は木々の間をひたすら走った。
その間も後ろでは雷の音が鳴り響き、戦場を音で埋め尽くす有様だ。
もはや何度目になるのか分からない。
ミッドカオスの兵がいない中、自分たちだけが遠くから標的にされ、何十何百と命を刈り取られていくのだ。
もう、
何度足を止めそうになったか分からない。
何度引き返したくなったか分からない。
だが、
子どもたちのためにもそうは出来なかったから、
2人は走って走って、ただただ走って、
逃げ続けた。
瞬動で一塊になりながら、2人は森の中をひたすら駆けた。
日本国の中でも最強の部族である三谷一族、そのトップたる2人だ。
もちろん速い。
景色は瞬きする間に移り変わり、風のような速度であっという間に森の中を駆け抜けていく。
しかし、
一緒に付いてきている恭司と優香は既に限界だった。
いかに天才とはいえ、いかに勝手知ったる地とはいえ、2人はまだ幼いのだ。
天才だとか神童だとか言われていても、これだけの緊張の中走り続ければ、当然に限界はくる。
それを見た恭一郎と修吾はある程度の所まで走ると、森の中の少し開けた所で足を止めた。
休憩のためだ。
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「はっ!!」
怒る恭一郎に、修吾は冷静な表情で返答する。
修吾も恭一郎と同じ心境だったが、子どもたちの前で大人が2人揃って錯乱するわけにはいかなかった。
2人は子どもたちを抱えて、ただ走る。
森の中へ入り、木々の間を瞬動で駆けて、2人は木々の間をひたすら走った。
その間も後ろでは雷の音が鳴り響き、戦場を音で埋め尽くす有様だ。
もはや何度目になるのか分からない。
ミッドカオスの兵がいない中、自分たちだけが遠くから標的にされ、何十何百と命を刈り取られていくのだ。
もう、
何度足を止めそうになったか分からない。
何度引き返したくなったか分からない。
だが、
子どもたちのためにもそうは出来なかったから、
2人は走って走って、ただただ走って、
逃げ続けた。
瞬動で一塊になりながら、2人は森の中をひたすら駆けた。
日本国の中でも最強の部族である三谷一族、そのトップたる2人だ。
もちろん速い。
景色は瞬きする間に移り変わり、風のような速度であっという間に森の中を駆け抜けていく。
しかし、
一緒に付いてきている恭司と優香は既に限界だった。
いかに天才とはいえ、いかに勝手知ったる地とはいえ、2人はまだ幼いのだ。
天才だとか神童だとか言われていても、これだけの緊張の中走り続ければ、当然に限界はくる。
それを見た恭一郎と修吾はある程度の所まで走ると、森の中の少し開けた所で足を止めた。
休憩のためだ。
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