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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第三話】ミッドカオス戦<2> ①

それから、ミッドカオスの容赦ない追撃戦が行われた。

隠れてもすぐに居場所を特定され、兵たちは次々と消耗し、削り取られ、日本国の人間は見るも明らかに数を擦り減らしていった。

体力的にも精神的にも既に限界がきている。

いかに一騎当千の兵が集まる日本国でも、こうまで数で圧倒されれば成す術がなかった。

戦略はその悉くが覆され、もはや指揮は機能していない状態だ。

日本国に対する忠誠心だけが、兵たちをここに踏みとどまらせている。

そして、そうこうしている内に、

日本国はとうとう、自分たちの本拠地にまで追いやられた。

家族などの非戦闘員がいる以上、彼らはもうこれ以上引くことは出来ない。

コレが軍としての最後の関門だ。

ホームに戻って早々、兵たちは自分たちの家族のもとへ走り、今は各部族の長だけが恭一郎の家に集まっていた。

こんな状況でも、いや、だからこそ、今後の方針を固めなければならないためだ。

恭一郎は家の中で最も大きい部屋に全員を集合させ、皆揃っていることを確認してから、口を開く。


「まずはこの事態に陥っていることを謝らせてくれ。完全に俺の読み違いだ。皆には詫びても詫びきれない」


恭一郎はそう言って深々と頭を下げた。

今回の戦争は恭一郎が総指揮で、しかも三谷一族という隠密最大戦力を有していたのだ。

敵の情報は恭一郎が最も掴める立場にいたし、実際掴んでいる情報もあった。

その上で敗戦という結果になってしまったのは、一重に恭一郎の判断ミスだ。

恭一郎は切腹もじさない覚悟だった。


「やめてくれ。別にお前のせいだとは思っていない。敵の指揮官は化け物だ」


弓の部族の長はそう言ってフォローする。

高所から援護射撃を担っていた彼らには、今回の戦争の状況が一番よく見える立場だった。

その上で、今回の敵の動きはあまりにも神がかっていたのだ。

まるで天から見下ろしているかのようにこちらの動きを把握し、必要な時に必要な分だけ戦力を繰り出してくる。

しかもそれを常にリアルタイムでやってくるものだから、日本国は追撃戦が始まって以来、常に後手に回らされていたのだ。


「俺もそう思うぜ。第一、何故奴らはこうも俺たちの居場所を正確に把握できるんだ?俺たちは瞬動で移動しているんだぞ」


他の部族の長も賛同する。

通常、嵐の中の森で敵の居場所をリアルタイムで正確に把握することなど不可能だ。

視界の悪さは勿論、足跡や音など、敵を見つけるための手掛かりが最も少ない環境下でそれをやるのは、正に神に等しい行為だと言って良い。

それを思えば、恭一郎が対応し切れなかったのも頷ける。

戦争において、情報は何よりも大切な武器なのだ。

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