復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第二話】ミッドカオス戦<1> 12
「え?」
恭一郎は一瞬呆然とした。
この音は知ってる。分かってる。
しかし、
このタイミングで聞くものとは思っていなかった。
油断していた。
ふと、
反射的に上を見て、恭一郎は思い出す。
●ミッドカオスは奴隷制度を積極的に使用する国で、目の前の兵士も使い潰しの奴隷の可能性が高い。
●敵は、分かるはずのない修吾の位置を、この場にいないにもかかわらず見抜いてきた。
この2つは把握していたが、正直そこまでするとは思っていなかった。
杞憂だと思っていた。
考えすぎだと思っていた。
まさか、
味方ごと砲撃でメチャクチャにするなんて。
「ぜ、全員退避ー!!」
再び恭一郎の悲鳴が響く。
途端、
恭一郎の目の前が真っ赤に染まった。
爆炎が轟音と共に火柱を上げ、思わず呆然とする。
爆炎の中心は戦闘のど真ん中だ。
相手の兵士は勿論、侍たちもそこにいた。
恭一郎は愕然とする。
「な、何だコレは……」
侍の長は決死の最期を想って先陣を駆けた。
コレが最期の戦だと、胸を張って出て行った。
なのに、
何だコレは?
どういうことだ?
恭一郎は目の前の爆炎を目にしながら、しばらく放心して動けなかった。
結局、横から入ってきたあの軍も足留め程度の役割しかなかったということだ。
すると、
そうしている間に修吾が駆け付け、恭一郎は無理矢理引っ張られるように身柄を引き取られていった。
巻き上がる爆炎を目に焼き付けながら、日本国は再度、敗北を喫したのだ。
恭一郎は一瞬呆然とした。
この音は知ってる。分かってる。
しかし、
このタイミングで聞くものとは思っていなかった。
油断していた。
ふと、
反射的に上を見て、恭一郎は思い出す。
●ミッドカオスは奴隷制度を積極的に使用する国で、目の前の兵士も使い潰しの奴隷の可能性が高い。
●敵は、分かるはずのない修吾の位置を、この場にいないにもかかわらず見抜いてきた。
この2つは把握していたが、正直そこまでするとは思っていなかった。
杞憂だと思っていた。
考えすぎだと思っていた。
まさか、
味方ごと砲撃でメチャクチャにするなんて。
「ぜ、全員退避ー!!」
再び恭一郎の悲鳴が響く。
途端、
恭一郎の目の前が真っ赤に染まった。
爆炎が轟音と共に火柱を上げ、思わず呆然とする。
爆炎の中心は戦闘のど真ん中だ。
相手の兵士は勿論、侍たちもそこにいた。
恭一郎は愕然とする。
「な、何だコレは……」
侍の長は決死の最期を想って先陣を駆けた。
コレが最期の戦だと、胸を張って出て行った。
なのに、
何だコレは?
どういうことだ?
恭一郎は目の前の爆炎を目にしながら、しばらく放心して動けなかった。
結局、横から入ってきたあの軍も足留め程度の役割しかなかったということだ。
すると、
そうしている間に修吾が駆け付け、恭一郎は無理矢理引っ張られるように身柄を引き取られていった。
巻き上がる爆炎を目に焼き付けながら、日本国は再度、敗北を喫したのだ。
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