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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第二話】ミッドカオス戦<1> ③

「……なんてことだ……」


一方、場面は移り変わり、

作戦行動で奇襲部隊を率いて目的地に到着した修吾は、愕然とした声で立ち竦んでいた。

今は作戦の終盤に差し掛かった辺りで、敵の側面をついて山の中から敵の本陣前に辿り着いた所だ。

これから敵の本陣に襲い掛かる直前とも言える状況だが、そこに集まった三谷一族は全員が愕然としていた。

本陣に人がいないのだ。

椅子や旗は用意されていて、戦前に遠目から確認した通りであるものの、肝心の人がそこにいない。

荷物や本陣の様子を見ても、それが散らかったりしている様子は無く、取り繕った気配も見当たらない。

急遽行われたものでないことは明らかだ。

敵は、余裕を持って移動している。


「……戦前に見たときは確かにいたはずだ。まさか我らの奇襲を読まれていた……?いや、それにしたって、時間的猶予を考えれば……。……ッ!?」


修吾は現状を把握するべく一人言を紡いだが、それを言い終わらないうちに、飛んできたナイフを刀で打ち落とした。

依然として山の中に身を隠す彼に向かって、ナイフは1本だけまっすぐに修吾へ向かってきたのだ。

この場所を見破られているうえ、修吾には敵の存在は察知出来ていなかった。

並みの使い手じゃない。

修吾はナイフの飛んできた方向を見つめた。


「クックックッ。すごいな。バルキーの旦那の言った通りだ」


見つめていると、ナイフを投げた本人は悠々と茂みから顔を覗かせた。

戦闘服ですらない明らかな私服を身に纏ったその男は、軽薄そうな口調で遊びに来たかのような態度だった。

修吾は無表情なままで、その男を睨み付ける。

見たところフリーハンドで武器は所持していないようだが、さっきのナイフのことがある。

修吾は慎重な姿勢を崩さなかった。


「クフフ。お前らがここに来ることは完全に予想通りだったんだぜ?バルキーの旦那はお前らの作戦も居処も完璧に把握していた。俺はそんな旦那の指示に従っただけさ。だからそんなに怖い顔で睨まないでおくれよ。柊修吾さん?」


男は尚も軽薄そうな口調で、修吾に話し掛けてくる。

すぐにでも仲間と共に襲い掛かってもいいが、男の放つ雰囲気はあまりに独特だった。

こちらの軍勢に対し、向こうは一見して一人のように見えるが、物怖じした様子は一切見受けられない。

もしかしたら伏兵がいるのかもしれないが、だとしても戦闘前に情報収集する必要はある。

その男の発言にどうしても気になる所があるのだ。

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