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復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー

ノベルバユーザー520245

【第一話】日本国⑦

「さて、2人が気付いているかは分からないが、今日はもう雨が降ってきそうだ。家に上がろう」


そう言ったのは恭一郎だ。

確かに、先ほどよりも雨が強くなってきていて、これから本降りになりそうな気配を漂わせている。

恭司はコクリと頷くと、4人仲良く屋敷に戻っていった。

優香は相変わらず修吾に抱っこされたままで、恭司はその後ろについていく。

やはり恭一郎が少し物足りなさそうな顔をしていたが、修吾はあくまでも気付かない振りを貫き通した。

言ったが最後。

あとで酷い目に遭うのは目に見えている。

当主である三谷家と柊家は同じ家ーー正確には柊家が住み込みで働いているため、気まずくなったら色々とややこしいのだ。

まぁ当然、その子どもたちはそんな事情、知ったことではないのだがーー。


「今日はね、恭司とシュンドーのジシュレンをしてたんだよ」


優香が無邪気に修行の話題を振ってくれて、いくらか空気が和んだ。


「お、おお!!そうだな、見てたぞ!!ずっと手合わせしてたのか?」


修吾がすぐさまその話題に飛び付く。

少し不自然なほど高いテンションだったが、誰も気にはしてなかった。

しかし、

それとは別に、優香が「あれ?どうだったかな?」といった顔をしている。

恭司はその様子を見て「やれやれ」と言わんばかりに肩を竦めると、話し手を代わった。


「手合わせは最後だけだよ。それまでは『型合わせ』と『鬼斬り』やってた」


恭司は修行の内容について、簡単に説明を始めた。

修吾と恭一郎は、その内容を聞いて満足そうに頷く。

ーー『型合わせ』とは、三谷の基本技を2人1組で何度も実践するというものだ。

通常の刀技から瞬動のような三谷特有の技まで、互いに何度も打ち込みあい、反復させて身に染み込ませる。

要は相手のいる素振りのようなものだ。

そして、

『鬼斬り』はその発展で、三谷の技で生身の人間を”実際に斬る”修行だ。

勿論、三谷の人間ではない。

戦争で仕入れた他国の人間の死体を保存加工し、宙にぶら下げて斬り付けてみるのだ。

本当の人間を使う分、通常のような竹や薪による人形とは違い、限りなくリアルな体感とコツを身に付けることができる。

三谷では子ども向けの修行によく使われるメニューだった。


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