復讐の刃ーー独りになった少年が、世界を血の海に変えるまでーー
【第一話】日本国⑦
「さて、2人が気付いているかは分からないが、今日はもう雨が降ってきそうだ。家に上がろう」
そう言ったのは恭一郎だ。
確かに、先ほどよりも雨が強くなってきていて、これから本降りになりそうな気配を漂わせている。
恭司はコクリと頷くと、4人仲良く屋敷に戻っていった。
優香は相変わらず修吾に抱っこされたままで、恭司はその後ろについていく。
やはり恭一郎が少し物足りなさそうな顔をしていたが、修吾はあくまでも気付かない振りを貫き通した。
言ったが最後。
あとで酷い目に遭うのは目に見えている。
当主である三谷家と柊家は同じ家ーー正確には柊家が住み込みで働いているため、気まずくなったら色々とややこしいのだ。
まぁ当然、その子どもたちはそんな事情、知ったことではないのだがーー。
「今日はね、恭司とシュンドーのジシュレンをしてたんだよ」
優香が無邪気に修行の話題を振ってくれて、いくらか空気が和んだ。
「お、おお!!そうだな、見てたぞ!!ずっと手合わせしてたのか?」
修吾がすぐさまその話題に飛び付く。
少し不自然なほど高いテンションだったが、誰も気にはしてなかった。
しかし、
それとは別に、優香が「あれ?どうだったかな?」といった顔をしている。
恭司はその様子を見て「やれやれ」と言わんばかりに肩を竦めると、話し手を代わった。
「手合わせは最後だけだよ。それまでは『型合わせ』と『鬼斬り』やってた」
恭司は修行の内容について、簡単に説明を始めた。
修吾と恭一郎は、その内容を聞いて満足そうに頷く。
ーー『型合わせ』とは、三谷の基本技を2人1組で何度も実践するというものだ。
通常の刀技から瞬動のような三谷特有の技まで、互いに何度も打ち込みあい、反復させて身に染み込ませる。
要は相手のいる素振りのようなものだ。
そして、
『鬼斬り』はその発展で、三谷の技で生身の人間を”実際に斬る”修行だ。
勿論、三谷の人間ではない。
戦争で仕入れた他国の人間の死体を保存加工し、宙にぶら下げて斬り付けてみるのだ。
本当の人間を使う分、通常のような竹や薪による人形とは違い、限りなくリアルな体感とコツを身に付けることができる。
三谷では子ども向けの修行によく使われるメニューだった。
そう言ったのは恭一郎だ。
確かに、先ほどよりも雨が強くなってきていて、これから本降りになりそうな気配を漂わせている。
恭司はコクリと頷くと、4人仲良く屋敷に戻っていった。
優香は相変わらず修吾に抱っこされたままで、恭司はその後ろについていく。
やはり恭一郎が少し物足りなさそうな顔をしていたが、修吾はあくまでも気付かない振りを貫き通した。
言ったが最後。
あとで酷い目に遭うのは目に見えている。
当主である三谷家と柊家は同じ家ーー正確には柊家が住み込みで働いているため、気まずくなったら色々とややこしいのだ。
まぁ当然、その子どもたちはそんな事情、知ったことではないのだがーー。
「今日はね、恭司とシュンドーのジシュレンをしてたんだよ」
優香が無邪気に修行の話題を振ってくれて、いくらか空気が和んだ。
「お、おお!!そうだな、見てたぞ!!ずっと手合わせしてたのか?」
修吾がすぐさまその話題に飛び付く。
少し不自然なほど高いテンションだったが、誰も気にはしてなかった。
しかし、
それとは別に、優香が「あれ?どうだったかな?」といった顔をしている。
恭司はその様子を見て「やれやれ」と言わんばかりに肩を竦めると、話し手を代わった。
「手合わせは最後だけだよ。それまでは『型合わせ』と『鬼斬り』やってた」
恭司は修行の内容について、簡単に説明を始めた。
修吾と恭一郎は、その内容を聞いて満足そうに頷く。
ーー『型合わせ』とは、三谷の基本技を2人1組で何度も実践するというものだ。
通常の刀技から瞬動のような三谷特有の技まで、互いに何度も打ち込みあい、反復させて身に染み込ませる。
要は相手のいる素振りのようなものだ。
そして、
『鬼斬り』はその発展で、三谷の技で生身の人間を”実際に斬る”修行だ。
勿論、三谷の人間ではない。
戦争で仕入れた他国の人間の死体を保存加工し、宙にぶら下げて斬り付けてみるのだ。
本当の人間を使う分、通常のような竹や薪による人形とは違い、限りなくリアルな体感とコツを身に付けることができる。
三谷では子ども向けの修行によく使われるメニューだった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1168
-
-
70810
-
-
39
-
-
0
-
-
127
-
-
93
-
-
141
-
-
75
-
-
55
コメント