本当の恋・・・見つけたら(3Version)

ノベルバユーザー519117

回想** 出会い **

~ Hiroki side ~

徹『腹減ったぁ~!弘樹、早く飯行こうぜ!』

ダンススクールでのレッスンでひとしきり踊った後、俺と徹は自主練と称して、近くのスタジオを借りて約6時間踊りっぱなし。

計8時間・・・よくやるよなって自分達でも思うけど、俺達には夢があるから~、
なっ!なっ、徹…

『どこに行く?いつものとこでいいんだよなっ?』

俺達がいつも行くのはところとは、単なるコンビニ。

年中金のない俺達の唯一の外食とは、コンビニのイートインコーナーなのである。

しかもカップラーメン大盛りを徹と仲良くはんぶんこ(笑)

でも今日はいつもと違ったことが・・・


いつものようにカップラーメン大盛りをレジに持っていく…

この時間だと店員はいつも男なのに、今日は見たこともない女の子。

?『あの~、お箸は一つでいいですか?』

男の店員だったら恥ずかしくもない、

『いや、2人で食うんで、2つ。』

っていうんだけど、女の子、いやっちょっとかわいい女の子だったんで、

『あっ、1つで・・・(^_^;)』ってちょっと見栄を張ってみた。


けど、、、実際に食うのは俺と徹で…

必然的に箸は2ついるわけで・・・

徹『あれっ?箸、、、1本しか入ってないけど…お前、2つって言わなかったの?』

誰もいない11時過ぎのコンビニに異常に響く徹の声。

お店に品物を陳列していた彼女の耳に…

『おっ、おい…静かにしろよ。』

そう言いながら、彼女に向かって苦笑い。

徹『なんで言わないんだよ…いつもは2つって言ってるのに。』って…
ここは普通の声でいいのに、トーンをさげる徹。

お前のそういうとこ・・・俺は嫌いじゃないけどなっ(笑)

『色々事情があんだよ。』

そう言って徹に箸を差し出した。

すると、さっきまで品出ししていた彼女が俺達のコーナーまできて

?『これ、、、どうぞ。』って…箸を差し出してくれた。

『あっ、ありがとう。』

一瞬、時が止まる。

やべ~、超可愛いんだけど・・・

そして俺の言葉にペコりと頭をさげるとレジに戻った彼女。

その瞬間に俺はその子に堕ちてしまったんだ。





~Toru side ~

レジから戻ってきた弘樹が嬉しそうな顔・・・

『なんかあった?』って聞いてみたけど、歯茎を出してニタ~っと笑うだけで

弘樹『別に~(^^♪』

これは絶対何かある(一_一)

と思いながらもレジ袋からいつものカップラーメン大盛りを取り出すと、、、

あれっ?箸が1つしか入ってない。

『あれっ?箸、、、1本しか入ってないけど…お前、2つって言わなかったの?』

そんなに声を張ったわけじゃないんだけど、人気のないコンビニに響く俺の声。

すると間髪入れずに

弘樹『おっ、おい…静かにしろよ。』
そう言いながら、品出しをしている女の子に向かって苦笑い。

ははぁ~ん( ̄ー ̄)ニヤッ  そういう事かぁ~・・・


『なんで言わないんだよ…いつもは2つって言ってるのに。』

確認の為に探りを入れてみると

弘樹『色々事情があんだよ。』って・・・

俺の勘、やっぱ当たってるみたいだなっ。

その後、箸を持ってきてくれた彼女との些細なやり取り。

次の瞬間から弘樹の視線が変わった。


はい!・・・井坂 弘樹・・・たった今、恋に堕ちた模様です(笑)


そう、その時はほんとに弘樹だけだったんだけど…

毎回、弘樹に連れられコンビニに通う度に、一生懸命に仕事している彼女のひたむきさや屈託のない笑顔をみて…次第に俺も彼女に惹かれていった。

でも、この事実は、弘樹には絶対、絶対、言えないことだけど・・・


そして気持ちを隠したまま、俺は弘樹とコンビニ通いを続けていた。

そんな日々が2週間が程続いたある日、

弘樹がポツリっ・・・

弘樹『なぁ~、徹…俺達ってっさぁ~、こんなに通ってるのにさっ、あの子の名前さえ知らないと思わない?』

おっ、弘樹・・・お前、いつになく動き出す気?

幼い頃からつるんでた俺達…

そんなにモテないタイプでもないのに、弘樹が今まで女の子に興味を示した後に自分から行動を起こそうとしたことがない。

まっ、運よく思いが通じ合う事は何回かあったみたいだから、今まで彼女なし!っていう事でもないんだけど、今回は自分から行動を起こすつもりなのかな?

『名前とか年齢とか聞こうなんて思ってる?』

弘樹『い、いや、そんなんじゃないけど…結構親しく話せるようになったのに名前も知らないなんておかしくないかなって思って・・・ねっ、そう思わない?』

その時、こいつの作戦にハッと気づく。

『もしかして、俺に聞けって思ってたりする?(笑)』





~ Toru side ~

『もしかして、俺に聞けって思ってたりする?(笑)』

そういうとかなり高速で上下に顔を動かす弘樹。
まんまと罠にはまった感はあるけど、俺も聞きたかったのは事実だし、、、

まっねいいかっ(^^♪

今日もいつもの時間にコンビニに・・・

でも、、、あれっ?あの子が、いなくない?

弘樹と一緒にさりげなぁ~くコンビニの中を一周。

弘樹『いない?』

『みたいだなっ(ーー;)』

弘樹『なんで~?(T_T)』

『へっ?知らねえよ。んなこと俺に聞くなよ(-"-)』

あからさまに肩を落とす弘樹。

俺達、行動起こすのが・・・遅かったのかもなっ(-_-)





~ Rie side ~

お兄ちゃんの代役で初めてやったコンビニのバイト…

昨日で無事終了!!

やったぁ~!終わったぁ~!!って感じ

今から2週間前、自転車で派手に転んだお兄ちゃんが足首を痛めちゃって…

炎症が引くまでの臨時店員…

深夜勤なんて生まれて初めてだったから、ちょっとドキドキだったんだけど、店長もシフトが一緒の先輩達もいい人ばかりでほんとに楽しかった。

それに今回、大発見!

コンビニにも常連さんという慣習があるっていう事。

いつも仲よく2人で大盛りのカップラーメンをすすってたあの人達は、、、まさに常連さん。

最後にご挨拶した方がよかったかなぁ~(^_^;)

でもこのバイト代で、初めて過ごす彼とのクリスマスに、ちょっと奮発したプレゼント・・・できそう(*^^)v

何をプレゼントしたら、翔太は喜んでくれるかなぁ~(^^♪


~ Hiroki side ~

『折角、勇気を出して名前…聞こうって思ったのに(ーー゛) なんでいないの?』

徹『しらねぇ~よ。俺に聞くな!(-"-)』

なんだか徹まで機嫌が悪い・・・

なんで、なんで、なんで・・・

とりあえず1時間後にもう一度、徹と2人で行ってみる。

でもやっぱり彼女はいなくて…

徹『臨時?みたいな感じだったのか?』

徹の言葉にも反応する気力もない俺。

するとそんな俺の様子を見かねた徹が、レジにいた男性店員に

徹『あの~、昨日までこの時間帯にいた女の子は…もうやめちゃったんですか?』

って、、、聞いてくれたんだ。

徹、、、お前はなんていい奴なんだ。

でも、その徹が肩をがっくり落として俺のもとへ…

『なんだって?』

徹『あそこにいる人の妹なんだって…臨時で手伝ってたらしいんだけど、なんかようですかってきつい口調で言われたよ。』


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