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【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜

ノベルバユーザー519900

帰省 ①

「これでよしっ……と」


 地に倒れ伏している無力化した盗賊たちを縄で縛り拘束した。


 取り敢えず、盗賊とは思えない例の五人を尋問にかける事にした。


「なぁ、お前ら五人は盗賊じゃないだろ」
「「「「――っ!?」」」」
「……何故わかった?」


 そりゃぁ、ステータスを確認しから――なんて言っても通じないだろうなぁ。


「お前らの動きが明らかに盗賊のそれじゃないからな。で?盗賊に紛れていたのは何故だ?お前たちの目的は何だ?」
「……最早ここまでか……」
「は?何言って――」


 次の瞬間――


「エムネスハイネス!」
「「「「エムネスハイネス――!」」」」


 なんと五人は最後に何か一言言い残すと、自らの舌を噛みちぎり自害したのだった。


「くそっ!自害しやがった」


 前世の事があってか、簡単に自らの命を投げ捨てた行いに思わず悪態をついてしまった。


「おいアンタ」


 そう俺に声を掛けたのは、先程助けた盗賊に重傷を負わされた赤髪の男だった。
 男は、紺色のローブに身を包んだ女に肩を借りながら、ズルズルと足を引きずりながらこちらに歩み寄ってきた。さらに、男の仲間であろう二人の男女がその後に続いてやって来た。


「ん?あぁ、傷は大丈夫か?」
「あ、あぁなんとか。すまねぇ、おかげで助かった」
「気にするな。たまたま通りかかっただけだ」
「そうか……俺はロッソだ。そんでコイツらは――」
「ヴェルデだよ!よろしく〜」
「ヴァルドゥラだ」
「アルジェンドよ。さっきは助かったわ、ありがとう」


 ロッソが自分の名を名乗り上げると、それに続いて彼の仲間がそれぞれ名乗り上げた。


 先程からロッソに肩を貸しているローブの女がヴェルデ。そしてロッソとヴェルデの後から俺の下に来た男女。男の方がヴェルドゥラ。女の方がアルジェンドだそうだ。


「アルスだ。よろしく」
「おう!よろしくな!……でそいつら……自害したのか」


 そう言いながらロッソは、縛られている今はただの死骸となった盗賊たちを訝しそうに見る。


「あぁ」
「うーん、やっぱりコイツら盗賊じゃ無いよな……」
「気づいてたのか?」
「まあな。これでも俺たち一様Cランクなんだぜ!」
「へ、へぇー」
(ごめんロッソ。正直凄いのか分からん)


 心の中でロッソに謝罪をしていた次の瞬間――


「――っ!?コイツらケルベロスの連中じゃねぇか!」


 ロッソが盗賊の首筋あたりを指差して驚きの声を上げた。


 俺はそれに従うかのように眼を向けると其処には、犬の顔が三つ横に並んでいる、まさにケルベロスといった感じの刺青が入っていた。


「ケルベロス?」
「知らないのか!?ここ二年くらいで名を聞くようになった闇ギルドだ」


 闇ギルド――それは、事を公にできない非合法な依頼――例えば、貴族の暗殺や麻薬売買などを請け負う犯罪組織で、どこか一つの国などには属しておらず、拠点を発見次第、殲滅対象となっている。


「闇ギルドか……盗賊なんかに混じって何しようとしてたんだかな」
「さあな。死人に口無しと言う奴だ、俺にもわからねぇよ。……それよりアルスお前『危険領域』って呼ばれてる森がある方から来なかったか?」
「え?あ、あぁそうだな」


 正直、迷宮を抜けたと思えば今度は森の中と辺りが囲まれた場所に居たせいで、自分の現在地を把握していなかったが、そうか俺たちが居た森は『危険領域』だったのか。それなら魔物たちの異常な強さも頷ける。それにあそこが『危険領域』って事は、近くに俺の故郷、リーベルの街があるはずだ。


「あんなとこで何してたんだ?」
「ちょっと腕試しをしてただけさ。それよりも馬車を引いているって事は王都に向かうんだろ?」
「ん?そうだけど」
「なら今日はもうやめた方がいい。襲撃にあったこの状態で王都まで行くのは危険だ。近くに俺の故郷があるから、今日は其処で休んだらどうだ?」
「あぁ、元よりそのつもりだ。アルスはどうするんだ?」


 本当は森を抜けたらそのまま王都に向かうつもりでいたが、ここがリーベルの街の近くならば一度寄って行った方が良いかもしれない。と言うのも両親の事が気掛かりになったからだ。既に学園から俺が迷宮で命を落としたと言う報告は受けているだろう。だからとは言わないが今どうしてるのかなと心に引っかかる。


 うん、やはり一度街に戻るべきだ。そして両親にちゃんと生きてますって生存報告しないとな。


「あぁ、俺も一緒に行くよ」








 ♢♢♢♢♢♢






 馬車の中でロッソたちと楽しく会話に華を咲かせていたらあっと言う間に着いた、我が故郷リーベルの街。


 現在俺はロッソたちを今日寝泊まりする宿へ案内していた。


「ここを右に曲がったところに宿があるから其処を利用するといい」
「おう分かったよ。ありがとなアルス」
「あぁ」
「あのぉ」
「おっ?どうしたおっさん?」
「いえ、あのアルスさんに聞きたい事がありまして……あの、アルスさんは明日王都に向かうのでしたよね?」


 そう俺に尋ねるのは、少し中年太りしている人柄の良さそうな男で、今回ロッソたちをアルカナ王国の王都ルシアスまでの護衛任務を依頼した行商人のハルカスさんだ。


「そうですけどそれが?」
「あの我々も明日にはこの街を出て王都へ向かう予定なのでその、アルスさんさえ良ければ明日、王都まで同行してもらえませんか?」
「おう!そりゃあ良いな!どうだお前ら?」
「別に構わない」
「私も構わないわ。寧ろこちらからお願いしたいくらいだわ」
「うんうん。アルス君が居ると心強いしねー。私も賛成!」
「どうなんだアルス?」
「そうだな。皆んなが良いなら同行させて貰うよ。ハルカスさん、明日も宜しくお願いします」
「良かったなおっさん!」
「えぇ、アルスさん、本当にありがとうございます!王都に着いたら是非御礼をさせてください!」
「よしっ!いつまでもここで立ち話するわけねもいかないし、今日はこれで解散だな!じゃあまた明日なアルス。今日は助けてくれてありがとな!」
「感謝する」
「ありがとう」
「ほんと助かったよーありがとうアルス君。また明日ねー」


 そうお礼を言い残してロッソたちは、宿の方へと向かって行った。












「……さて俺たちも家に帰るとしますか。……そう言えば何気に初めてじゃないか?リリムが家に来るの」
『む?…言われてみれば確かに初めてなのだ。ふふ、今から主人の両親と会うのが楽しみになってきたのだ』
「まさか霊体化を解くつもりか?」
『ダメなのか?』
「いや、別に駄目では無いけど……」
『安心するのだ。両親との再会の邪魔をするつもりは無いのだ。積もる話もあるだろうし、其れが終わってからでも良いのだ』




 こうしてロッソたちが宿に向かったのを見送った俺は、二年ぶりの帰省を果たすべく家がある場所に向かって脚を運んだのだった。











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