【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜
最後の試練
それから数分経つもカオスネグロが動く事は二度と無かった。つまり――
「……やったのだ……?」
「あ、ああ……」
なんとも微妙な終わり方だが、とにかく―――
「俺たちの勝ちだ……」
「あ゛〜疲れたのだー!もう動けないのだー!」
リリムのまるで緊張が解けたかの様に強張っていた顔は、崩れてだらしなくなり、そのまま地面に向かって仰向けに倒れ込む。それは俺も同じかことで、そのひんやりとした地面に大の字になって思いっきり寝たいという衝動に流されるまま、倒れようとした次の瞬間――。
――ピンポンパンポーン――
「――っ!?」
「なんだっ!?」
『えーてすてす、これで良いのか?……えっ?なに?もう始まってる?まじか!じゃあえーと……ごほん……我が迷宮に挑む者よ、よくぞここまで辿り着き、そして我々が産み出した守護者に勝利してみせた』
何処からともなく、まるでこれからお知らせがありますとでも言うかの様なチャイムが上昇音で鳴り始めると、それに続いて男の声がこの静寂なる空間を支配した。
『……いやーこういうの一度言ってみたかったんだよね。あ、因みにこれ、カオスネグロを倒した時に作動する記録だから質問とかには答えられないから悪しからず。まぁとにかく攻略おめでとう。俺の名前は、織田真司この迷宮を創り出した者だ。君にはこれから報酬を受け取るに相応しいか否かを見定める為に、最後の試練に挑んで貰うよ』
「おいおい、まだ何かあるのかよ……これが俗に言うブラックでやつなのか?」
「ふざけるななのだ!妾たちは疲れているのだ!」
『――と言うことで、奥の部屋にごあんなーい!』
――ピンポンパンポーン――
今度はこれでお知らせは、終わりとでも言う様なチャイムが下降音で鳴ると、このボス部屋の奥にある扉がゴゴゴと音を立てながら開き始めた。
「主人どうするのだ?妾は少し休みたいのだ」
「同感だ。幸い、扉の奥から魔物の気配も無いし大丈夫だろ。よしっ、休むか!」
それから充分な休憩を取り終えた俺たちは、開かれた扉の先に脚を踏み入れる。中に入るとそこは、六畳くらいの部屋になっていて、その中心には細長い台がポツンと寂しく設置されていて、その台の上にはそれまた細長い板が……って、これスマホじゃねーか!まさか始めちゃうのか!?このスマホと共に異世界ライフしちゃうってか!?
「……」
スマホを手に取り起動すると画面に十問の問題が映し出された。
「なぁ主人よ、それ、なんて書いてあるのだ?見たこと無い文字なのだ」
背後から不思議そうにスマホの画面をのぞいていたリリムが難しそうな顔をしてそう言った。
「え?読めないのか?って事はまさかこれ日本語か?」
「ニホンゴ?なにそれ美味しいのか?」
「い、いや食べ物じゃないよ。俺の生前に住んでいた世界の言語のうちの一つだ」
「つまり、異世界の言葉という事なのか?」
「そういう事になるな」
前世の記憶が無かったら読めなかったな。まぁ記憶が有ったからこそここまで来たんだけど。
「ふーん」
「ふーんって聞いといてなんだよその反応……」
「だって興味ないのだ」
「なら聞くなよ!」
――ピンポンパンポーン――
『これから君には最後の試練として十問の問題に答えて貰う。全て解答し終えたら、送信ボタンを押してくれ。そうすると赤ペン先生がその場で答え合わせをし結果発表してくれるから。見事、全問正解したら《転移魔術》が作動し君を報酬のある所へと送る……が、一問でも間違えたらこれまた《転移魔術》で地上に強制送還だから頑張ってね!以上!』
――ピンポンパンポーン――
リリムと話をしていたら、唐突にチャイム音(上昇音)が鳴り、まるで音声アナウンスかの様に、織田真司と名乗る男の声が、再び言いたいことだけを言い終えると、放送が終了したかと告げる様に再びチャイム音(下降音)が鳴った。
「はぁ、やるしかないか……」
俺は促されるままに、問い出された十問の問題に対し、表示されたキーボードで答えを打ち込んでいく。
================================================
♢第一問  1000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 野口英夫
♢第二問 5000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 樋口一葉
♢第三問  10000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 福沢諭吉 
♢第四問 平成に流行した飲み物または食べ物を二つ答えよ。
解答 タピオカ・ナタデココ
♢第五問 たかし君は、1500円で林檎(1個100円)を1個とジャガイモ(4個入り327円)を1袋とタマネギ(1個98円)を一個、更に人参(1個98円)と豚肉(1パック458円)を購入しました。さて、林檎の旬はいつでしょうか?ただし、献立はカレーとする。
解答 10~12月
♢第五問 ヒロミちゃんは、2人の友達とプールへ遊びに行く約束をしました。プールの入場料は、1人970円です。さて、季節はいつでしょう?
解答 夏
♢第七問 〇〇王に俺は?
解答 なる!
♢第八問 小学生が使える必殺技は?二つ答えよ。
解答 デュクシ!・バリア
♢第九問 「べ、別にアンタの為じゃないんだからね!勘違いしないでよ!」さて、こう言った輩をなんと呼ぶでしょう?
解答 ツンデレ
♢第十問 「不死鳥の如く蘇りし我が魂。そこに刻まれるは、幾億もの嘆きの交響曲。時はきた!これより我が魂をユグドラシルと共鳴させ、世界を理想郷へと導く!」さて、病名はなんでしょう?
解答 厨二病
================================================
「うーん、こんなもんか……?」
十問全ての問題に答えを打ち込み終わり、間違いがないか解答を見直すも、特に誤答は見当たらずそのままキーボードの横にある送信ボタンを押して、解答を送り結果を待つ。
そして結果は――
================================================
十問中、十問正解。
おめでとう御座います!貴方は、報酬を受け取る権利を獲得しました。
これより十秒後に《転移魔術》が起動し、指定された場所への転移を開始しますので動かずその場で待機をお願いします。
================================================
「主人よどうだったのだ?」
「ふっ、全問正解したぜ!」
「おぉ!流石なのだ!」
「もっと褒めて」
「よっ、天才!クイズ王!見た目女!」
「最後の褒めてないよね!?……俺的にはこの見た目、セ〇〇ロスみたいで気に入ってるんだけどなぁ」
「それで?全問正解したら報酬を貰えるのだろう?どうなのだ?」
「あぁ、十秒後に《転移魔術》が起動するらしいから、待機していてからだとさ」
「うむ、分かったのだ!」
そして迎えた十秒後。
脚元に青白い魔法陣が浮かび上がり、そこから生まれた優しい光が俺たちを包み込んだ。
「……やったのだ……?」
「あ、ああ……」
なんとも微妙な終わり方だが、とにかく―――
「俺たちの勝ちだ……」
「あ゛〜疲れたのだー!もう動けないのだー!」
リリムのまるで緊張が解けたかの様に強張っていた顔は、崩れてだらしなくなり、そのまま地面に向かって仰向けに倒れ込む。それは俺も同じかことで、そのひんやりとした地面に大の字になって思いっきり寝たいという衝動に流されるまま、倒れようとした次の瞬間――。
――ピンポンパンポーン――
「――っ!?」
「なんだっ!?」
『えーてすてす、これで良いのか?……えっ?なに?もう始まってる?まじか!じゃあえーと……ごほん……我が迷宮に挑む者よ、よくぞここまで辿り着き、そして我々が産み出した守護者に勝利してみせた』
何処からともなく、まるでこれからお知らせがありますとでも言うかの様なチャイムが上昇音で鳴り始めると、それに続いて男の声がこの静寂なる空間を支配した。
『……いやーこういうの一度言ってみたかったんだよね。あ、因みにこれ、カオスネグロを倒した時に作動する記録だから質問とかには答えられないから悪しからず。まぁとにかく攻略おめでとう。俺の名前は、織田真司この迷宮を創り出した者だ。君にはこれから報酬を受け取るに相応しいか否かを見定める為に、最後の試練に挑んで貰うよ』
「おいおい、まだ何かあるのかよ……これが俗に言うブラックでやつなのか?」
「ふざけるななのだ!妾たちは疲れているのだ!」
『――と言うことで、奥の部屋にごあんなーい!』
――ピンポンパンポーン――
今度はこれでお知らせは、終わりとでも言う様なチャイムが下降音で鳴ると、このボス部屋の奥にある扉がゴゴゴと音を立てながら開き始めた。
「主人どうするのだ?妾は少し休みたいのだ」
「同感だ。幸い、扉の奥から魔物の気配も無いし大丈夫だろ。よしっ、休むか!」
それから充分な休憩を取り終えた俺たちは、開かれた扉の先に脚を踏み入れる。中に入るとそこは、六畳くらいの部屋になっていて、その中心には細長い台がポツンと寂しく設置されていて、その台の上にはそれまた細長い板が……って、これスマホじゃねーか!まさか始めちゃうのか!?このスマホと共に異世界ライフしちゃうってか!?
「……」
スマホを手に取り起動すると画面に十問の問題が映し出された。
「なぁ主人よ、それ、なんて書いてあるのだ?見たこと無い文字なのだ」
背後から不思議そうにスマホの画面をのぞいていたリリムが難しそうな顔をしてそう言った。
「え?読めないのか?って事はまさかこれ日本語か?」
「ニホンゴ?なにそれ美味しいのか?」
「い、いや食べ物じゃないよ。俺の生前に住んでいた世界の言語のうちの一つだ」
「つまり、異世界の言葉という事なのか?」
「そういう事になるな」
前世の記憶が無かったら読めなかったな。まぁ記憶が有ったからこそここまで来たんだけど。
「ふーん」
「ふーんって聞いといてなんだよその反応……」
「だって興味ないのだ」
「なら聞くなよ!」
――ピンポンパンポーン――
『これから君には最後の試練として十問の問題に答えて貰う。全て解答し終えたら、送信ボタンを押してくれ。そうすると赤ペン先生がその場で答え合わせをし結果発表してくれるから。見事、全問正解したら《転移魔術》が作動し君を報酬のある所へと送る……が、一問でも間違えたらこれまた《転移魔術》で地上に強制送還だから頑張ってね!以上!』
――ピンポンパンポーン――
リリムと話をしていたら、唐突にチャイム音(上昇音)が鳴り、まるで音声アナウンスかの様に、織田真司と名乗る男の声が、再び言いたいことだけを言い終えると、放送が終了したかと告げる様に再びチャイム音(下降音)が鳴った。
「はぁ、やるしかないか……」
俺は促されるままに、問い出された十問の問題に対し、表示されたキーボードで答えを打ち込んでいく。
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♢第一問  1000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 野口英夫
♢第二問 5000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 樋口一葉
♢第三問  10000円札に描かれている人物の名前を漢字で答えよ。
解答 福沢諭吉 
♢第四問 平成に流行した飲み物または食べ物を二つ答えよ。
解答 タピオカ・ナタデココ
♢第五問 たかし君は、1500円で林檎(1個100円)を1個とジャガイモ(4個入り327円)を1袋とタマネギ(1個98円)を一個、更に人参(1個98円)と豚肉(1パック458円)を購入しました。さて、林檎の旬はいつでしょうか?ただし、献立はカレーとする。
解答 10~12月
♢第五問 ヒロミちゃんは、2人の友達とプールへ遊びに行く約束をしました。プールの入場料は、1人970円です。さて、季節はいつでしょう?
解答 夏
♢第七問 〇〇王に俺は?
解答 なる!
♢第八問 小学生が使える必殺技は?二つ答えよ。
解答 デュクシ!・バリア
♢第九問 「べ、別にアンタの為じゃないんだからね!勘違いしないでよ!」さて、こう言った輩をなんと呼ぶでしょう?
解答 ツンデレ
♢第十問 「不死鳥の如く蘇りし我が魂。そこに刻まれるは、幾億もの嘆きの交響曲。時はきた!これより我が魂をユグドラシルと共鳴させ、世界を理想郷へと導く!」さて、病名はなんでしょう?
解答 厨二病
================================================
「うーん、こんなもんか……?」
十問全ての問題に答えを打ち込み終わり、間違いがないか解答を見直すも、特に誤答は見当たらずそのままキーボードの横にある送信ボタンを押して、解答を送り結果を待つ。
そして結果は――
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十問中、十問正解。
おめでとう御座います!貴方は、報酬を受け取る権利を獲得しました。
これより十秒後に《転移魔術》が起動し、指定された場所への転移を開始しますので動かずその場で待機をお願いします。
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「主人よどうだったのだ?」
「ふっ、全問正解したぜ!」
「おぉ!流石なのだ!」
「もっと褒めて」
「よっ、天才!クイズ王!見た目女!」
「最後の褒めてないよね!?……俺的にはこの見た目、セ〇〇ロスみたいで気に入ってるんだけどなぁ」
「それで?全問正解したら報酬を貰えるのだろう?どうなのだ?」
「あぁ、十秒後に《転移魔術》が起動するらしいから、待機していてからだとさ」
「うむ、分かったのだ!」
そして迎えた十秒後。
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