【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜
攻略不可能
「これは……すごいな……」
「もしかしてここが最下層……?」
九十階層を超えてから、五日は経過した。
ヨルムンガンドを超える魔物は現れず、難なく進むことが出来た。そして俺たちは遂に、百階層まで到達した。そしてリリムが言うように、恐らくここが最下層だろう。
そう思うのにも理由がある。それは、目の前にあるボス部屋へと繋がる扉が今までのと明らかに違っていたからだ。
金で出来た黄金の扉には、円形のステンドグラスがはめ込まれていて、そこには六人の男女――恐らく《六勇者》を表しているであろう絵が描かれている。更にいくつもの芸術的な装飾が施されていて、その扉の左右には、大理石で出来た柱があり、その上に同じく大理石で彫刻されたガーゴイルが鎮座している。その眼光は俺たちを鋭く捉えており、それはまるでここが最後の砦だと訴えているように思えた。
「だとしたら最高じゃないか。だってここにいるボスを倒したら終わりって事だろ?」
「確かにそうなるのだ……思えば、ここまでの道のり、長い様で短かった気もするのだ…」
「はは、確かに……よし!ここが最後の階層だ……行くぞリリム!」
「うむ!」
意気揚々とした気持ちで扉に手をかけ、開いた――次の瞬間。
「「――っ!?」」
まるで心臓を直に触れられたような、全身が総毛立つほどの殺気が部屋から溢れ出て俺たちを包み込む。
それは、一瞬の出来事の筈なのに、とても長く感じて、呼吸をする事を忘れる。
ドクンドクンと危険を知らせるかの様に心臓が鼓動を繰り返す。
俺はそれに従い、咄嗟に扉を閉めた。直後、呼吸をする事を思い出し、必要以上に酸素を取り込みながら呼吸運動を繰り返した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
無理だ。いくら俺が不老不死で何度も生き返ったとしても勝てない。
殺気だけで実力の差を思い知らされてしまった。
「あ、主人……あれはヤバイのだ……」
リリムも今ので思い知らされたのだろう。彼女の顔は、血の気を失ったかの様に蒼白になっていて、額からは滝の様に汗がダラダラと流れ落ちていた。
「あ、あぁ……」
「どうするのだ?」
「……取り敢えず今は無理だな……」
「今は……ってまさか、いずれアレに挑むつもりなのか!?そんなの無謀なのだ!」
「分かってる。今の俺たちじゃ到底アレには叶いっこないって事ぐらい……だからレベルを上げようと思う」
「レベルを上げるって……どうやるのだ?」
「ここまでで一番強かった魔物は、九十階層のヨルムンガンドだ……奴を相手にすれば経験値も相当稼げる筈。つまり――」
「つまりは九十階層を周回すると言う事なのだな?……確かに今の妾達はヨルムンガンドの攻略法を知っているから、周回する事自体は難しくない……だが、どのくらいレベルを上げるつもりなのだ?」
俺の言葉を遮る様にリリムが口を挟んできた。
「そうだなぁ……取り敢えずあの殺気を耐えれるくらいじゃないとな」
「確かにアレを耐えられなければ話にならないのだ」
「あぁ、そう言う事だ……まぁ、そう言うわけで今から九十階層に引き返そうと思うんだがどうだ?」
「うむ!妾もそれがいいと思うのだ!」
こうして話がまとまった俺たちは、レベルを上げる為に九十階層へと引き返したのだった。
「もしかしてここが最下層……?」
九十階層を超えてから、五日は経過した。
ヨルムンガンドを超える魔物は現れず、難なく進むことが出来た。そして俺たちは遂に、百階層まで到達した。そしてリリムが言うように、恐らくここが最下層だろう。
そう思うのにも理由がある。それは、目の前にあるボス部屋へと繋がる扉が今までのと明らかに違っていたからだ。
金で出来た黄金の扉には、円形のステンドグラスがはめ込まれていて、そこには六人の男女――恐らく《六勇者》を表しているであろう絵が描かれている。更にいくつもの芸術的な装飾が施されていて、その扉の左右には、大理石で出来た柱があり、その上に同じく大理石で彫刻されたガーゴイルが鎮座している。その眼光は俺たちを鋭く捉えており、それはまるでここが最後の砦だと訴えているように思えた。
「だとしたら最高じゃないか。だってここにいるボスを倒したら終わりって事だろ?」
「確かにそうなるのだ……思えば、ここまでの道のり、長い様で短かった気もするのだ…」
「はは、確かに……よし!ここが最後の階層だ……行くぞリリム!」
「うむ!」
意気揚々とした気持ちで扉に手をかけ、開いた――次の瞬間。
「「――っ!?」」
まるで心臓を直に触れられたような、全身が総毛立つほどの殺気が部屋から溢れ出て俺たちを包み込む。
それは、一瞬の出来事の筈なのに、とても長く感じて、呼吸をする事を忘れる。
ドクンドクンと危険を知らせるかの様に心臓が鼓動を繰り返す。
俺はそれに従い、咄嗟に扉を閉めた。直後、呼吸をする事を思い出し、必要以上に酸素を取り込みながら呼吸運動を繰り返した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
無理だ。いくら俺が不老不死で何度も生き返ったとしても勝てない。
殺気だけで実力の差を思い知らされてしまった。
「あ、主人……あれはヤバイのだ……」
リリムも今ので思い知らされたのだろう。彼女の顔は、血の気を失ったかの様に蒼白になっていて、額からは滝の様に汗がダラダラと流れ落ちていた。
「あ、あぁ……」
「どうするのだ?」
「……取り敢えず今は無理だな……」
「今は……ってまさか、いずれアレに挑むつもりなのか!?そんなの無謀なのだ!」
「分かってる。今の俺たちじゃ到底アレには叶いっこないって事ぐらい……だからレベルを上げようと思う」
「レベルを上げるって……どうやるのだ?」
「ここまでで一番強かった魔物は、九十階層のヨルムンガンドだ……奴を相手にすれば経験値も相当稼げる筈。つまり――」
「つまりは九十階層を周回すると言う事なのだな?……確かに今の妾達はヨルムンガンドの攻略法を知っているから、周回する事自体は難しくない……だが、どのくらいレベルを上げるつもりなのだ?」
俺の言葉を遮る様にリリムが口を挟んできた。
「そうだなぁ……取り敢えずあの殺気を耐えれるくらいじゃないとな」
「確かにアレを耐えられなければ話にならないのだ」
「あぁ、そう言う事だ……まぁ、そう言うわけで今から九十階層に引き返そうと思うんだがどうだ?」
「うむ!妾もそれがいいと思うのだ!」
こうして話がまとまった俺たちは、レベルを上げる為に九十階層へと引き返したのだった。
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