【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜
VS 九十階層③
《不老不死》のおかげで、死から蘇り、先程までヨルムンガンドの光線を受けて無くなっていた右腕はすっかり再生し、元通りになった。すると、リリムが念話を飛ばしてきた。
 『戻ったか!主人!』
 『あぁ、心配かけたな』
 『いや、もう見慣れたから、別に心配などしてないのだ。』
 『……そうですか……』
 『ただ、やっぱり肉が生成される光景は、気持ち悪いのだ』
 『酷くない!?」』
 『それよりどうするのだ?このまま続けるのはまずいのだ!』
無視ですか……まぁ、確かにこのままだとまずい状況になる。いずれリリムは体力が尽き、可視化を維持出来なくなり霊体化してしまう。
そうなると俺一人で奴の相手をしなければならない。俺も不老不死で復活できるとはいえ、疲労までは復活できない。
だからそんな状況になるのは、避けたいところだ。だから、そうなる前になんとかしないと……。
 「――くっ!」
 「ギュォォォオ!!!」
こうして俺が思考していられるのも、ヨルムンガンドが俺が生き返っている事に気付かずに完全に光線を受けて死んだと思い込んでいるおかげだ。そのおかげで奴は、残ったリリムだけを視界に捉えて対峙している。
そんなリリムもまた、《血液操作》を使い、休まず攻撃し続けている。しかし、最初の頃より動きが鈍くなっているのを見るに、疲れが溜まっている事が分かる。
このままだと霊体化してしまうのも時間の問題だ。
 「血液操作……そうか……もしかしたら……」
俺はある事を思い付き、それを伝える為にリリムに念話を飛ばす。
 『リリム一つ確認したい』
 『どうしたのだ?』
 『お前の血液操作は、たとえ不純物が混じったとしても操作できるのか?』
 『……そこに一滴でも妾の血が混ざっているのならば可能なはずなのだ』
 『そうか……よし!』
 『主人よ、何をするつもりなのだ?』
 『それを今から伝える所だ……いいか、俺が時間を稼ぐ。その間にお前は自身の血を出来るだけ多く海に滴らすんだ……出来るか?』
 『――っ!?成る程そういうことか……分かったのだ!』
 『じゃあ、奴の注意が完全に俺に移ったのを合図に始めてくれ』
『分かったのだ!』
念話を終えた俺は、態勢を立て直し、ヨルムンガンドの方へと目を向ける。
奴は、地上に一切視線を向けず、空中に飛んでいるリリムに鋭い眼光を放ちながら、光線などで攻撃していた。
 「死んだ人間には興味ないってことか……でも俺はまだ生きてるぜ!《ヘイトアップ》!」
《ヘイトアップ》を使用し、ヨルムンガンドの注意を強制的にリリムから俺へと移させる。
 「ギュアオォォ!?」
俺を視界に捉えたヨルムンガンドはまるで「殺したはずなのになんで生きてる!?」と喋れたらそう言っていたような、驚愕に満ちた顔をしていた。
それを見て思わずニヤリと口角がつり上がる。
 「いいねぇその表情。そうだ、俺はまだ生きてるぜ?」
 「ギャォォォォォオ!!!」
馬鹿にされたと感じ取ったのかヨルムンガンドがあげた咆哮には、恥辱と怒りが入り混じっていた。
 「第二ラウンド開始だ!」
 『戻ったか!主人!』
 『あぁ、心配かけたな』
 『いや、もう見慣れたから、別に心配などしてないのだ。』
 『……そうですか……』
 『ただ、やっぱり肉が生成される光景は、気持ち悪いのだ』
 『酷くない!?」』
 『それよりどうするのだ?このまま続けるのはまずいのだ!』
無視ですか……まぁ、確かにこのままだとまずい状況になる。いずれリリムは体力が尽き、可視化を維持出来なくなり霊体化してしまう。
そうなると俺一人で奴の相手をしなければならない。俺も不老不死で復活できるとはいえ、疲労までは復活できない。
だからそんな状況になるのは、避けたいところだ。だから、そうなる前になんとかしないと……。
 「――くっ!」
 「ギュォォォオ!!!」
こうして俺が思考していられるのも、ヨルムンガンドが俺が生き返っている事に気付かずに完全に光線を受けて死んだと思い込んでいるおかげだ。そのおかげで奴は、残ったリリムだけを視界に捉えて対峙している。
そんなリリムもまた、《血液操作》を使い、休まず攻撃し続けている。しかし、最初の頃より動きが鈍くなっているのを見るに、疲れが溜まっている事が分かる。
このままだと霊体化してしまうのも時間の問題だ。
 「血液操作……そうか……もしかしたら……」
俺はある事を思い付き、それを伝える為にリリムに念話を飛ばす。
 『リリム一つ確認したい』
 『どうしたのだ?』
 『お前の血液操作は、たとえ不純物が混じったとしても操作できるのか?』
 『……そこに一滴でも妾の血が混ざっているのならば可能なはずなのだ』
 『そうか……よし!』
 『主人よ、何をするつもりなのだ?』
 『それを今から伝える所だ……いいか、俺が時間を稼ぐ。その間にお前は自身の血を出来るだけ多く海に滴らすんだ……出来るか?』
 『――っ!?成る程そういうことか……分かったのだ!』
 『じゃあ、奴の注意が完全に俺に移ったのを合図に始めてくれ』
『分かったのだ!』
念話を終えた俺は、態勢を立て直し、ヨルムンガンドの方へと目を向ける。
奴は、地上に一切視線を向けず、空中に飛んでいるリリムに鋭い眼光を放ちながら、光線などで攻撃していた。
 「死んだ人間には興味ないってことか……でも俺はまだ生きてるぜ!《ヘイトアップ》!」
《ヘイトアップ》を使用し、ヨルムンガンドの注意を強制的にリリムから俺へと移させる。
 「ギュアオォォ!?」
俺を視界に捉えたヨルムンガンドはまるで「殺したはずなのになんで生きてる!?」と喋れたらそう言っていたような、驚愕に満ちた顔をしていた。
それを見て思わずニヤリと口角がつり上がる。
 「いいねぇその表情。そうだ、俺はまだ生きてるぜ?」
 「ギャォォォォォオ!!!」
馬鹿にされたと感じ取ったのかヨルムンガンドがあげた咆哮には、恥辱と怒りが入り混じっていた。
 「第二ラウンド開始だ!」
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