【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜
VS 九十階層
それから、折れた肋骨を【第二階位魔術】《ハイヒール》で治し、体力が回復するまで充分に休憩をした俺達は、洞窟を後にし、迷宮攻略を再開するのだった。
あれから一ヶ月は経過し、気付けば最高突破階層の二十五階層は、優に超えていて、現在九十階層まで来ていた。
まぁ、結構な数死んだけどね……。
それでもここまで来れたのはやはり《不老不死》があるおかげだろう。
 普通の人間は一度死んでしまえばそこで終わってしまう。だから相手が格上だと知れば引き返す。しかし俺は、死んでも生き返ることができる不老不死者だ。故に相手が格上の存在でも引き返すと言う選択肢は無く、ゴールまでの一方通行であった。それはまるで、何度もやり直しながら突破口を見つけてクリアするRPGゲームかの様に。
しかしそのおかげで俺の道を塞ぐ壁であった二十五階層を乗り越えることができたのだ。
そう思うと優に超えたと言うのは言い過ぎたきがするが、人は誰しも話を盛りたくなるものだから気にする必要はない。
もちろんここまでの間に無詠唱の練習は怠らず続けた。更に、レベルもいくつかが上がり、新たな【技能】も覚えた。
 「……そういえば二十五階層以降、攻略に集中しすぎてステータスを全く確認してなかったわ……」
 「……主人よ、この先は、ボス部屋なのだ」
――そう、今俺たちがいる場所は、ボス部屋がある扉の前。
最初に予想してた通り、十階層ごとにボス部屋となっていたのだ。
そしてボス部屋までの道のりは、十階層や二十階層、ボス部屋がある階層は全て、一本の真っ直ぐな通路だった。
 「それがどうしたんだ?」
 「……この先はどんな些細な事でも命取りになるのだ。例えば、自身の魔力量を把握しておらず、魔術を使い続けた結果、魔力が底をつき、魔力欠乏症になり、身動きが取れなくなってしまうとか……そうならない為にも、一度ステータスを確認したらどうなのだ?」
 「そうだな、それじゃあ確認してみるか……」
================================================
アルス (人族) Lv50
 【体力】 5000
 【魔力】 4000
 【技能】 《不老不死》 《?????》 《飛剣》 
                    《ヘイトアップ》 《空歩》
================================================
最後に確認した時は、レベル24だったが、どうやらあれから26も上がって50になっていた。おかげで、【体力】は2600、【魔力】は2800上昇していた。
そして【技能】の欄には、新たに《空歩》が追加されていた。
《空歩》は、二十五階層攻略中に四方八方から向かって来る魔物の攻撃をひたすら回避していたら取得できた【技能】で、空中に足場を創り、移動できる。
ただしこの【技能】は、飛んでいるのではなく、跳んでいるだけで、空中で停止する事は出来ない。
《空歩》を使い始めた最初の頃は、思いっきり壁にダイブしたりして、使い慣れるのに時間が掛かった。
いつか《浮遊魔術》を覚えたいと思わせる【技能】だった。
 「結構レベルが上がってたよ、これは確認して正解だったな……リリムも一度確認してみたらどうだ?」
 「うむ、そうするのだ……妾にそれを貸すのだ」
 「あぁ……地上に戻ったら、お前の分のステータスプレートを買わないとな……」
リリムは俺からステータスプレートを受けとると、早速それに魔力を流し込み始めた。
彼女のステータスが気になった俺は、背後からステータスプレートを覗き込む。
===============================================
リリム (中位悪魔) Lv58
 【体力】 5900
 【魔力】 3950
 【技能】 《血液操作》 《物理耐性Lv4》 《魔力耐性Lv2》
================================================
《魔力耐性》は、魔術など魔力を使用した攻撃に対してダメージを軽減出来る【技能】らしい。
《物理耐性》と《魔力耐性》には、レベルが表記されていて、彼女曰く、このレベルが高い程効果が上がるらしい。
因みに、レベルは、十段階まであるとの事だった。
 「まだお前の方が上なのかよ……」
 「当然なのだ!召喚者より弱かったら意味ないのだ!」
 「そういうもんなのか?……まぁ、でも直ぐに追い越してみせるさ」
♢♢♢♢♢♢
扉を開けてボス部屋に入ると、其処は辺り一帯に広がる濁りの無い、透き通るほどの青い海に、所々、六畳にも満たない小さな島が点在していた。
こんな場所でなければ普通に海水浴をしたい気分になるがそうも言ってられない。
何故なら先程から海中を泳ぐ大きな黒い影が、俺たちに気付きこちらに向かってきたからだ。
 「何かこっちに来るのだ!」 
 「あぁ」
そして俺たちの前までやって来た黒い影は、遂に、海中から姿を現した。
 「ギャァァオォォォ!!!」
黒い影の正体は、大きな海蛇だった。
そしてその姿を見たリリムが驚愕に染まった顔で言った。
 「なっ!?……コイツまさかヨルムンガンドなのか!?」
ヨルムンガンド――学園の図書館にある文献で読んだ事がある。
確か上位冒険者が数十人あたりでようやく相手できる魔物で、海の頂点である、海神龍リヴァイアサンに次いで君臨する海の王。
剥き出しになっている鋭利な牙は、ミスリルさえ簡単に噛み砕くと言われている。
相手を視線だけで殺せてしまいそうな、鋭い目つきに鋭利な牙。そして身体を覆う鱗は、七色に輝いていて、その姿は、まさにこの海の主。
 「マジかよ……コイツを二人で相手しなきゃいけないのかよ……」
 「ギャァァァァア!!!」
ヨルムンガンドのまるで、心臓が鷲掴みされたような感覚になる咆哮が、戦いの合図となったのだった。
===================================
〜ディーティアの観察日記〜 その32
この日記を始めてから既に一ヶ月は、経ちました。
彼も遂に九十階層までやってきました。
流石、私の愛しの人です。
私は、この迷宮が、彼の為に作られた以外の情報は持っていませんでした。
なのでまさか、こんな所でヨルムンガンドが現れるとは思いませんでした。
あの勇者もなかなかに酷いと思います。
ですがまぁ、最後に勝つのは彼ですけどね。
あ、今日の朝食はホットケーキでした。
===================================
〈説明書き〉
鉱石の強度は、高い順から
アダマンタイト―オリハルコン―ミスリル―プラチナ―金―銀―銅
となっている。
アルスが二十五階層で確認した時のステータス
================================================
アルス (人族) Lv24
 【体力】 2400
 【魔力】 1200
 【技能】 《不老不死》 《?????》 《飛剣》 
                    《ヘイトアップ》 
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あれから一ヶ月は経過し、気付けば最高突破階層の二十五階層は、優に超えていて、現在九十階層まで来ていた。
まぁ、結構な数死んだけどね……。
それでもここまで来れたのはやはり《不老不死》があるおかげだろう。
 普通の人間は一度死んでしまえばそこで終わってしまう。だから相手が格上だと知れば引き返す。しかし俺は、死んでも生き返ることができる不老不死者だ。故に相手が格上の存在でも引き返すと言う選択肢は無く、ゴールまでの一方通行であった。それはまるで、何度もやり直しながら突破口を見つけてクリアするRPGゲームかの様に。
しかしそのおかげで俺の道を塞ぐ壁であった二十五階層を乗り越えることができたのだ。
そう思うと優に超えたと言うのは言い過ぎたきがするが、人は誰しも話を盛りたくなるものだから気にする必要はない。
もちろんここまでの間に無詠唱の練習は怠らず続けた。更に、レベルもいくつかが上がり、新たな【技能】も覚えた。
 「……そういえば二十五階層以降、攻略に集中しすぎてステータスを全く確認してなかったわ……」
 「……主人よ、この先は、ボス部屋なのだ」
――そう、今俺たちがいる場所は、ボス部屋がある扉の前。
最初に予想してた通り、十階層ごとにボス部屋となっていたのだ。
そしてボス部屋までの道のりは、十階層や二十階層、ボス部屋がある階層は全て、一本の真っ直ぐな通路だった。
 「それがどうしたんだ?」
 「……この先はどんな些細な事でも命取りになるのだ。例えば、自身の魔力量を把握しておらず、魔術を使い続けた結果、魔力が底をつき、魔力欠乏症になり、身動きが取れなくなってしまうとか……そうならない為にも、一度ステータスを確認したらどうなのだ?」
 「そうだな、それじゃあ確認してみるか……」
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アルス (人族) Lv50
 【体力】 5000
 【魔力】 4000
 【技能】 《不老不死》 《?????》 《飛剣》 
                    《ヘイトアップ》 《空歩》
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最後に確認した時は、レベル24だったが、どうやらあれから26も上がって50になっていた。おかげで、【体力】は2600、【魔力】は2800上昇していた。
そして【技能】の欄には、新たに《空歩》が追加されていた。
《空歩》は、二十五階層攻略中に四方八方から向かって来る魔物の攻撃をひたすら回避していたら取得できた【技能】で、空中に足場を創り、移動できる。
ただしこの【技能】は、飛んでいるのではなく、跳んでいるだけで、空中で停止する事は出来ない。
《空歩》を使い始めた最初の頃は、思いっきり壁にダイブしたりして、使い慣れるのに時間が掛かった。
いつか《浮遊魔術》を覚えたいと思わせる【技能】だった。
 「結構レベルが上がってたよ、これは確認して正解だったな……リリムも一度確認してみたらどうだ?」
 「うむ、そうするのだ……妾にそれを貸すのだ」
 「あぁ……地上に戻ったら、お前の分のステータスプレートを買わないとな……」
リリムは俺からステータスプレートを受けとると、早速それに魔力を流し込み始めた。
彼女のステータスが気になった俺は、背後からステータスプレートを覗き込む。
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リリム (中位悪魔) Lv58
 【体力】 5900
 【魔力】 3950
 【技能】 《血液操作》 《物理耐性Lv4》 《魔力耐性Lv2》
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《魔力耐性》は、魔術など魔力を使用した攻撃に対してダメージを軽減出来る【技能】らしい。
《物理耐性》と《魔力耐性》には、レベルが表記されていて、彼女曰く、このレベルが高い程効果が上がるらしい。
因みに、レベルは、十段階まであるとの事だった。
 「まだお前の方が上なのかよ……」
 「当然なのだ!召喚者より弱かったら意味ないのだ!」
 「そういうもんなのか?……まぁ、でも直ぐに追い越してみせるさ」
♢♢♢♢♢♢
扉を開けてボス部屋に入ると、其処は辺り一帯に広がる濁りの無い、透き通るほどの青い海に、所々、六畳にも満たない小さな島が点在していた。
こんな場所でなければ普通に海水浴をしたい気分になるがそうも言ってられない。
何故なら先程から海中を泳ぐ大きな黒い影が、俺たちに気付きこちらに向かってきたからだ。
 「何かこっちに来るのだ!」 
 「あぁ」
そして俺たちの前までやって来た黒い影は、遂に、海中から姿を現した。
 「ギャァァオォォォ!!!」
黒い影の正体は、大きな海蛇だった。
そしてその姿を見たリリムが驚愕に染まった顔で言った。
 「なっ!?……コイツまさかヨルムンガンドなのか!?」
ヨルムンガンド――学園の図書館にある文献で読んだ事がある。
確か上位冒険者が数十人あたりでようやく相手できる魔物で、海の頂点である、海神龍リヴァイアサンに次いで君臨する海の王。
剥き出しになっている鋭利な牙は、ミスリルさえ簡単に噛み砕くと言われている。
相手を視線だけで殺せてしまいそうな、鋭い目つきに鋭利な牙。そして身体を覆う鱗は、七色に輝いていて、その姿は、まさにこの海の主。
 「マジかよ……コイツを二人で相手しなきゃいけないのかよ……」
 「ギャァァァァア!!!」
ヨルムンガンドのまるで、心臓が鷲掴みされたような感覚になる咆哮が、戦いの合図となったのだった。
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〜ディーティアの観察日記〜 その32
この日記を始めてから既に一ヶ月は、経ちました。
彼も遂に九十階層までやってきました。
流石、私の愛しの人です。
私は、この迷宮が、彼の為に作られた以外の情報は持っていませんでした。
なのでまさか、こんな所でヨルムンガンドが現れるとは思いませんでした。
あの勇者もなかなかに酷いと思います。
ですがまぁ、最後に勝つのは彼ですけどね。
あ、今日の朝食はホットケーキでした。
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〈説明書き〉
鉱石の強度は、高い順から
アダマンタイト―オリハルコン―ミスリル―プラチナ―金―銀―銅
となっている。
アルスが二十五階層で確認した時のステータス
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アルス (人族) Lv24
 【体力】 2400
 【魔力】 1200
 【技能】 《不老不死》 《?????》 《飛剣》 
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