【連載版】断罪の不死者〜転生した俺は最愛との約束を果たす為旅をする〜
VS チョウチン魔物②
俺は、横に飛び回避すると同時に、振り下ろされた脚を斬ろうとするが――。
ガキン――!
「なっ!?」
まるで金属同士がぶつかり合った鈍い音を鳴らし、俺の剣は弾き返された。
予想外の事実に唖然としていると――。
「主人、危ないのだ!!」
「え?」
「ギシャァァア!!」
リリムの叫び声も虚しく、チョウチン魔物の脚が直撃し、吹き飛ばされた。
「あるじぃぃい!」
「がはっ!!」
吹き飛ばされた俺は、地面に衝突する直前に、なんとか受け身を取り、衝撃を和らげる。
幸い、受けた攻撃は、人間で言うふくらはぎからで、脚先ではない為、毒を受けることはなかった。
それでも受けたダメージは大きく、肋骨の何本かは持って行かれた。
「くっ……!」
俺は、気休め程度に《第一階位魔術》【ヒール】を自身にかけた。
《第一階位魔術》【ヒール】は、傷口などを治す程度で、折れた骨を治すのは不可能。だがそれでも、痛みが和らいだ気がするのは、繰り広げられる激しい戦闘で、感覚が少し麻痺している所為なのかもしれない。
「ふぅ……」
俺は一度大きく息を吐き、体勢を立て直すし、現状を確認しようとすると――。
「主人!無事か!?」
心配する声と共にリリムが、俺の下に飛んで来た。
「あ、あぁ……大丈夫だ」
油断していた。
チョウチン魔物の攻撃はふた通りしかないから、それさえ理解して入れば大丈夫だと、チョウチン魔物の体の構造にまで考えが行き届いていなかった。
「アイツの脚、鉄みたいに硬かったわ……」
「ならば、どうするのた?」
「そんなの決まってるだろ。奴の脚を叩き斬れる位に強化すれば良いだけだ」
そういって俺は、《第一階位魔術》【フィジカルブースト】で自身を強化する。さらに剣に火を付与する。
「リリム!援護を頼む!」
「分かったのだ!」
俺がチョウチン魔物の下へ向かうのを、リリムが《第一階位魔術》【ファイアボール】で援護する。
その際、チョウチン魔物は糸を飛ばして距離を取ろうとするが、もはや回避するのもめんどくさくなった俺は、手に握る剣で向かって来る糸を斬っていき、ついでとばかりに《飛剣》を放ち牽制する。
放たれた炎の斬撃はチョウチン魔物へと一直線に向かい直撃する。
しかし決定打にはならず傷を与える程度であった。
ならば後は直接叩き斬るのみ――。
とうとう、チョウチン魔物の下まで辿り着いた俺は、火を付与した剣でチョウチン魔物の脚を目掛けて斬りつけた。
「はぁっ!」
ジュウジュウと肉を焼くような音を立てながらチョウチン魔物の脚を切り裂く。すると、傷口から炎が侵入し、体内から焼いていく。
「ギシャァァァア!!」
チョウチン魔物は、まるで悲鳴の様な雄叫びを上げながら暴れ回ろうとする。
しかしそれを許すはずもなく、リリムが【技能】《血液操作》で、自身の血を鎖に変え、チョウチン魔物に巻き付け、動きを封じる。
「主人!いまなのだ!」
「おう!……これで終わりだ!」
リリムの合図で俺は、無防備になった頭に剣を突き立てる。
「ギ……ギシャァァ……」
チョウチン魔物は、倒れる最後まで、まるで覚えてろよと言わんばかりの表情で、俺をにらんでいた。
「……ふぅ」
完全に倒した事を確認し安堵した俺は、そのまま地面に仰向けに倒れる。
今まで忘れていたかの様に、溜まった疲労が一気にやって来てのだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……お、終わった……」
「はぁ……はぁ……や、やったな!主人!」
「あぁ……これでようやく先に進める……はぁ……でも、その前に少し休憩しよう……」
「であるな…とても疲れたのだ…」
それから、折れた肋骨を【第二階位魔術】《ハイヒール》で治し、体力が回復するまで充分に休憩をした俺達は、洞窟を後にし、迷宮攻略を再開するのだった。
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〜ディーティアの観察日記〜 その2
彼が遂にランタン・パオクを倒しました。
良かったです。
しかし、正直油断しすぎです。
今後は、そう言うことが無いようにして欲しいです。
ガキン――!
「なっ!?」
まるで金属同士がぶつかり合った鈍い音を鳴らし、俺の剣は弾き返された。
予想外の事実に唖然としていると――。
「主人、危ないのだ!!」
「え?」
「ギシャァァア!!」
リリムの叫び声も虚しく、チョウチン魔物の脚が直撃し、吹き飛ばされた。
「あるじぃぃい!」
「がはっ!!」
吹き飛ばされた俺は、地面に衝突する直前に、なんとか受け身を取り、衝撃を和らげる。
幸い、受けた攻撃は、人間で言うふくらはぎからで、脚先ではない為、毒を受けることはなかった。
それでも受けたダメージは大きく、肋骨の何本かは持って行かれた。
「くっ……!」
俺は、気休め程度に《第一階位魔術》【ヒール】を自身にかけた。
《第一階位魔術》【ヒール】は、傷口などを治す程度で、折れた骨を治すのは不可能。だがそれでも、痛みが和らいだ気がするのは、繰り広げられる激しい戦闘で、感覚が少し麻痺している所為なのかもしれない。
「ふぅ……」
俺は一度大きく息を吐き、体勢を立て直すし、現状を確認しようとすると――。
「主人!無事か!?」
心配する声と共にリリムが、俺の下に飛んで来た。
「あ、あぁ……大丈夫だ」
油断していた。
チョウチン魔物の攻撃はふた通りしかないから、それさえ理解して入れば大丈夫だと、チョウチン魔物の体の構造にまで考えが行き届いていなかった。
「アイツの脚、鉄みたいに硬かったわ……」
「ならば、どうするのた?」
「そんなの決まってるだろ。奴の脚を叩き斬れる位に強化すれば良いだけだ」
そういって俺は、《第一階位魔術》【フィジカルブースト】で自身を強化する。さらに剣に火を付与する。
「リリム!援護を頼む!」
「分かったのだ!」
俺がチョウチン魔物の下へ向かうのを、リリムが《第一階位魔術》【ファイアボール】で援護する。
その際、チョウチン魔物は糸を飛ばして距離を取ろうとするが、もはや回避するのもめんどくさくなった俺は、手に握る剣で向かって来る糸を斬っていき、ついでとばかりに《飛剣》を放ち牽制する。
放たれた炎の斬撃はチョウチン魔物へと一直線に向かい直撃する。
しかし決定打にはならず傷を与える程度であった。
ならば後は直接叩き斬るのみ――。
とうとう、チョウチン魔物の下まで辿り着いた俺は、火を付与した剣でチョウチン魔物の脚を目掛けて斬りつけた。
「はぁっ!」
ジュウジュウと肉を焼くような音を立てながらチョウチン魔物の脚を切り裂く。すると、傷口から炎が侵入し、体内から焼いていく。
「ギシャァァァア!!」
チョウチン魔物は、まるで悲鳴の様な雄叫びを上げながら暴れ回ろうとする。
しかしそれを許すはずもなく、リリムが【技能】《血液操作》で、自身の血を鎖に変え、チョウチン魔物に巻き付け、動きを封じる。
「主人!いまなのだ!」
「おう!……これで終わりだ!」
リリムの合図で俺は、無防備になった頭に剣を突き立てる。
「ギ……ギシャァァ……」
チョウチン魔物は、倒れる最後まで、まるで覚えてろよと言わんばかりの表情で、俺をにらんでいた。
「……ふぅ」
完全に倒した事を確認し安堵した俺は、そのまま地面に仰向けに倒れる。
今まで忘れていたかの様に、溜まった疲労が一気にやって来てのだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……お、終わった……」
「はぁ……はぁ……や、やったな!主人!」
「あぁ……これでようやく先に進める……はぁ……でも、その前に少し休憩しよう……」
「であるな…とても疲れたのだ…」
それから、折れた肋骨を【第二階位魔術】《ハイヒール》で治し、体力が回復するまで充分に休憩をした俺達は、洞窟を後にし、迷宮攻略を再開するのだった。
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〜ディーティアの観察日記〜 その2
彼が遂にランタン・パオクを倒しました。
良かったです。
しかし、正直油断しすぎです。
今後は、そう言うことが無いようにして欲しいです。
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