外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
25.謁見
「お目通りいただきありがとうございます。私はドライアドの代表を務めさせていただいているフェリエを申します。どうぞお見知りおきください」
フェリエが片膝をついて挨拶をした。
俺たちもそれに続いて自己紹介をする。
「わ、我は蛇髪女人族の王、ベルベルヒである。ド、ドライアドの使者よ、ここへ来た要件を述べよ」
フェリエと俺は間仕切りに近づき、その奥にいるベルベルヒに事の次第を説明した。
ベルトラン帝国がワールフィアに攻めようとしてること、それに対抗するために国を作りたいということを。
「…という訳で蛇髪女人族に我々が国を作ることを認めていただきたいのです」
「…い、言いたいことはわかった。わ、我としてもドライアドが国を作ることに、い、異論は、な、ない」
しばらくの沈黙ののちにベルベルヒから答えが返ってきた。
「で、では!」
良いのですね、と言おうと立ち上がった俺だったけど、長い間しゃがみ続けていたせいで足がもつれてしまった。
こけないように間仕切りに手をかけたらその間仕切りがボロボロに砕け散った。
な、なんでこんなにぼろいんだ?これも瘴気の影響なのか?
砕けた間仕切りの向こうにいたのは…毛布のような布を頭から被った蛇髪女人族の若い女性だった。
魔族の年齢はよく分からないけど見た目は俺よりも幼く見えるくらいだ。
ほっそりというか痩せすぎじゃなんじゃないかという位痩せていて、顔の半分が髪に隠れている。
そしてその髪は…蛇髪女人族の名前の通り蛇だった。
後ろに伸びた髪同様に鎌首をもたげてこちらを見ている。
「み、み、み…」
ベルベルヒの顔がみるみる真っ赤になっていく。
「見るなあああ~!!」
叫び声と共に髪の毛の蛇の眼から光が迸った。
「うぉっ!?」
慌てて腕で目を覆う。
これが石化の能力なのか?
???
???????
うっすらと目を開けてみたけど何も起きてない。
いったい今のは何だったんだ?
ベルベルヒの方を振り向くとまるで化け物でも見るかのようにこっちを見つめていた。
俺がどうかしたのか?
後ろにいるみんなの様子を確かめようと振り返った俺だったけど、そこで絶句してしまった。
そこには信じられないような光景が広がっていた。
後ろに控えていた五人が全員石になっていたのだ。
横を見るとフェリエも石になっていた。
ベルベルヒを見た時の姿をそのまま彫像にしたように固まっている。
な、なんで俺だけ石にならなかったんだ?
いや、今はそれどころじゃない、みんなは大丈夫なのか?
気が付けば無意識的に隣にいたフェリエに手を触れていた。
(主成分は大理石、魔力による石化であり可逆変換可能)
頭の中に石となったフェリエの情報が流れ込んでくる。
変換可能?つまり元に戻せるということなのか?
信じられなかったけど試してみるしかない。
俺はフェリエに触れながら元に戻った様子をイメージした。
「はあっ!」
大きな息を吐きだしてフェリエが元に戻った。
「こ、これは?」
何が起きたのか分からないというように辺りを見渡している。
上手くいったみたいだ!
土属性の力のせいなのか俺には蛇髪女人族の石化が効かないらしい。
それどころか石化を解く事もできるみたいだ。
俺は次々と他のみんなも元に戻していった。
「い、一体何が起きたのだ?」
「確か…テツヤが間仕切りを壊して、ベルベルヒ殿の姿が見えたと思ったら…」
「わからない、意識が途切れてる」
石化中は意識がないのか何が起こったのか把握できていないみたいだ。
「あいつ、あいつがやったんだ!」
キリがベルベルヒを指差した。
当のベルベルヒはというと、毛布にくるまったまま恐ろしいものでも見るように俺を見ていた。
「な、な、なんで…わ、私の、せ、石化が…効かないの?」
「実を言うと自分でもわからないんだ。でも俺は土属性の力を持っているからかもしれない。石化を解けたのもそのせいだと思う」
「つ、土属性?そ、それだけで、わ、私の力が防げるわけが…」
ベルベルヒの蛇の眼が再び光った。
しかしやっぱり俺には何も起こらない。
体にほんの少しの異変も感じないということは石化自体を無効化してるのかもしれない。
振り返ると今度はみんなも無事だった。
「みんな大丈夫なのか?」
「ああ、さっきは不意を突かれたせいでまともに食らってしまったけど、きちんと意識していれば大丈夫みたいだ」
アマーリアが眉をしかめながら言った。
「しかし、ソラノは駄目だったようだ」
見るとソラノだけ石化している。
蛇髪女人族の石化は魔族などある程度耐魔力があると効きにくいのかもしれない。
俺は再びソラノを元に戻した。
「な、な、なんで石化を解けるの?ゴ、蛇髪女人族でもないのに?」
「だからそれも俺が土属性の力を持ってるからじゃないか?」
「し、し、信じられない……でも、ほ、本当に、そ、そうなの?」
ベルベルヒが立ち上がってこちらに近づいてきた。
「り、理屈はわからないけど、そうとしか考えられないんだ」
近寄ってきたベルベルヒに身構えながら俺は答えた。
なんだ?何をする気なんだ?
ベルベルヒは俺の側に近寄るといきなり抱きついてきた。
「好き」
「なにいいぃぃぃぃっ!?」
フェリエが片膝をついて挨拶をした。
俺たちもそれに続いて自己紹介をする。
「わ、我は蛇髪女人族の王、ベルベルヒである。ド、ドライアドの使者よ、ここへ来た要件を述べよ」
フェリエと俺は間仕切りに近づき、その奥にいるベルベルヒに事の次第を説明した。
ベルトラン帝国がワールフィアに攻めようとしてること、それに対抗するために国を作りたいということを。
「…という訳で蛇髪女人族に我々が国を作ることを認めていただきたいのです」
「…い、言いたいことはわかった。わ、我としてもドライアドが国を作ることに、い、異論は、な、ない」
しばらくの沈黙ののちにベルベルヒから答えが返ってきた。
「で、では!」
良いのですね、と言おうと立ち上がった俺だったけど、長い間しゃがみ続けていたせいで足がもつれてしまった。
こけないように間仕切りに手をかけたらその間仕切りがボロボロに砕け散った。
な、なんでこんなにぼろいんだ?これも瘴気の影響なのか?
砕けた間仕切りの向こうにいたのは…毛布のような布を頭から被った蛇髪女人族の若い女性だった。
魔族の年齢はよく分からないけど見た目は俺よりも幼く見えるくらいだ。
ほっそりというか痩せすぎじゃなんじゃないかという位痩せていて、顔の半分が髪に隠れている。
そしてその髪は…蛇髪女人族の名前の通り蛇だった。
後ろに伸びた髪同様に鎌首をもたげてこちらを見ている。
「み、み、み…」
ベルベルヒの顔がみるみる真っ赤になっていく。
「見るなあああ~!!」
叫び声と共に髪の毛の蛇の眼から光が迸った。
「うぉっ!?」
慌てて腕で目を覆う。
これが石化の能力なのか?
???
???????
うっすらと目を開けてみたけど何も起きてない。
いったい今のは何だったんだ?
ベルベルヒの方を振り向くとまるで化け物でも見るかのようにこっちを見つめていた。
俺がどうかしたのか?
後ろにいるみんなの様子を確かめようと振り返った俺だったけど、そこで絶句してしまった。
そこには信じられないような光景が広がっていた。
後ろに控えていた五人が全員石になっていたのだ。
横を見るとフェリエも石になっていた。
ベルベルヒを見た時の姿をそのまま彫像にしたように固まっている。
な、なんで俺だけ石にならなかったんだ?
いや、今はそれどころじゃない、みんなは大丈夫なのか?
気が付けば無意識的に隣にいたフェリエに手を触れていた。
(主成分は大理石、魔力による石化であり可逆変換可能)
頭の中に石となったフェリエの情報が流れ込んでくる。
変換可能?つまり元に戻せるということなのか?
信じられなかったけど試してみるしかない。
俺はフェリエに触れながら元に戻った様子をイメージした。
「はあっ!」
大きな息を吐きだしてフェリエが元に戻った。
「こ、これは?」
何が起きたのか分からないというように辺りを見渡している。
上手くいったみたいだ!
土属性の力のせいなのか俺には蛇髪女人族の石化が効かないらしい。
それどころか石化を解く事もできるみたいだ。
俺は次々と他のみんなも元に戻していった。
「い、一体何が起きたのだ?」
「確か…テツヤが間仕切りを壊して、ベルベルヒ殿の姿が見えたと思ったら…」
「わからない、意識が途切れてる」
石化中は意識がないのか何が起こったのか把握できていないみたいだ。
「あいつ、あいつがやったんだ!」
キリがベルベルヒを指差した。
当のベルベルヒはというと、毛布にくるまったまま恐ろしいものでも見るように俺を見ていた。
「な、な、なんで…わ、私の、せ、石化が…効かないの?」
「実を言うと自分でもわからないんだ。でも俺は土属性の力を持っているからかもしれない。石化を解けたのもそのせいだと思う」
「つ、土属性?そ、それだけで、わ、私の力が防げるわけが…」
ベルベルヒの蛇の眼が再び光った。
しかしやっぱり俺には何も起こらない。
体にほんの少しの異変も感じないということは石化自体を無効化してるのかもしれない。
振り返ると今度はみんなも無事だった。
「みんな大丈夫なのか?」
「ああ、さっきは不意を突かれたせいでまともに食らってしまったけど、きちんと意識していれば大丈夫みたいだ」
アマーリアが眉をしかめながら言った。
「しかし、ソラノは駄目だったようだ」
見るとソラノだけ石化している。
蛇髪女人族の石化は魔族などある程度耐魔力があると効きにくいのかもしれない。
俺は再びソラノを元に戻した。
「な、な、なんで石化を解けるの?ゴ、蛇髪女人族でもないのに?」
「だからそれも俺が土属性の力を持ってるからじゃないか?」
「し、し、信じられない……でも、ほ、本当に、そ、そうなの?」
ベルベルヒが立ち上がってこちらに近づいてきた。
「り、理屈はわからないけど、そうとしか考えられないんだ」
近寄ってきたベルベルヒに身構えながら俺は答えた。
なんだ?何をする気なんだ?
ベルベルヒは俺の側に近寄るといきなり抱きついてきた。
「好き」
「なにいいぃぃぃぃっ!?」
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