外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
23.瘴気の湿地帯
ドライアドの村に戻った俺たちは再び集まって作戦会議を開いた。
「実を言うと私も蛇髪女人族のことはよく知らないんだ。私たち龍人族はこの種族とはほとんどかかわりがなかったからな」
アマーリアが申し訳なさそうに告げた。
「我々もです。蛇髪女人族は他の部族とほとんどかかわりを持っていないようです。」
ドライアドの村人が補足した。
「つまり行ってみないと分からないってことか」
俺の言葉にみんなが頷いた。
「じゃあとりあえず近くまで行ってみないか?でないと対策の立てようもないしさ」
こうして俺たちはドライアドの村から南へ下り、蛇髪女人国へと向かったのだった。
俺たちはひとまず蛇髪女人国の近くにあるハーフリンクの村に辿り着いた。
「この村はフェリエがよく通っていたので皆さんも迎え入れてくれますよ。フェリエはこういう小さな村々を回っては作物を育てる手助けをしていたからこの辺一帯の魔族みんなに慕われているんです」
同行してきたバーチがそう説明してくれた。
「そうだったのか。みんながフェリエをトップに支持するのも納得だな」
「いえそんな…私は私にできることをやっただけなんです」
フェリエが頬を染めて手を振った。
それでも迎えに来てくれたハーフリンクの表情を見ればフェリエに対する信頼が本物だということはわかる。
「蛇髪女人族ですか…すいません、我々も彼の者のことはよく知らんのです」
ハーフリングの長老は申し訳なさそうに答えた。
「連中は瘴気の沼地の奥深くに棲み、他の種族の所に現れることは滅多にありません。どういう生活をしていて何が好みなのかもわからんのです」
ううむ、これは困った。ますます手がかりがなくなってしまったぞ。
「わかっているのは彼の者たちに睨まれるとみな石になってしまうということです。遥か昔にヒト族の冒険者が蛇髪女人族を討伐しようと来たものの、全員石に変えられてしまったのだとか」
そんなに危険な連中なのか!?
「いえ、好戦的というわけではないようです。何せ滅多に出てきませんから」
…
……
…………
みな静まり返ってしまった。
「と、とにかく、まずは近くまで行ってみないか?どうするかはそれから考えよう」
ということで俺たちは蛇髪女人族が住むという瘴気の沼地まで行ってみることにした。
瘴気の沼地はその名前の通り禍々しいほどの瘴気を放つ大湿地帯だった。
紫と緑色をした水がマーブル模様を描いた湿地がボコボコと泡を立てて瘴気をまき散らしている。
普通の人間だったら一息吸い込んだだけで肺が腐り落ちてしまうだろう。
リンネ姫が作ってくれた魔具があって助かった。
「じゃ、じゃあまずは上空から観察してみるか」
凶悪な光景に若干引き気味になりながら俺たちは乗ってきた荷台を上空へと飛ばした。
しかし沼地の奥に進むにつれて瘴気が濃くなっていき、荷台が瘴気でボロボロと腐り落ちてきた。
「や、やべえ!」
俺たちは慌てて湿地帯から逃げ帰った。
「これは駄目だ。何か別の方法を考えない……」
そう言って振り返った俺だったが、その後の言葉が続かなかった。
後ろに乗っていたみんなの服がボロボロに崩れ落ち、あられもない恰好をしていたからだ。
「み、見ないでください…」
フェリエが真っ赤な顔をして豊満な双丘を腕で隠している。
「わ、悪い!」
俺は慌てて顔をそむけたけど両手から零れ落ちそうになっている二つのふくらみが目に焼き付いている。
ど、どうやって服の中に収まっていたんだ?
「つーか俺の服もかよ!」
気が付けば俺の服もボロボロになってほとんど半裸状態だった。
瘴気やばい。
「どうする?あの調子じゃ蛇髪女人族に会う前に全員素っ裸になっちまうぞ?」
村に戻った俺たちは改めて作戦を練り直すことにした。
「ソラノの風魔法でなんとかならないか?」
「うーむ、それは難しいだろうな。単純に大気が穢れているだけであればなんとかなると思うのだが、ここの瘴気は地中の魔素が作用しているらしく私の魔法では服など物質に対する防御効果が薄いのだ。リンネ姫様の光魔法なら何とかなると思うのだが…」
「ということは一旦戻ってリンネ姫に対策を取ってもらうのが良いのか…」
でもそれだと時間がかかりすぎてしまう。
そうこうしているうちにベルトラン帝国の侵攻が始まってしまうかもしれないのだ。
「瘴気でも腐らないような物はないのかな?」
「それでしたら銀ですな。銀は強い耐魔力を持った素材なのであの瘴気でも腐ることはありません」
ハーフリングの長老が答えた。
銀か…俺の力があれば銀で服を作ることもできるけど、問題はそれだけの銀がここにあるかどうかか。
「そう言えばあの湿地帯の際に大きな木が生えてたけど、あの木は瘴気に強かったりしないのかな?」
「ああ、あの木ですか。あれは使い物にならなんですよ。何せあの木は凄い量の樹液が出るせいで扱いにくいのです
長老はそう言って頭を振った。
「せいぜい子供のオモチャにしかならん代物ですよ」
「オモチャ?」
「ええ、あの木の樹液はしばらく放っておくと固まるんで子供たちが丸めてオモチャにしておるんです」
その言葉が何故か引っかかった。
「ちょっとそれを見せてもらえないか?」
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