火事場の超・馬鹿力~絶対に負けない超逆転劇~
欠片
――龍の宝玉。
 
その宝玉の存在は密かに隠されていた。
だが、その宝玉を知る者はその宝玉を欲しがった。
その宝玉の「欠片」でも持つことが出来れば、龍の力を得ることが出来るからだ。
 
彼、ズール・カタール・ダマスカスは欲しがったのだ。
その欠片を……。
 
そして、奴らが現れた。
不思議な連中だった。
自らを「影」と名乗ったその組織は、誰にも話していないはずの望みをどういう訳か知っていた。
 
「おまえが望むのなら、我々がおまえの望みを叶えてやろう」
 
その、いかにも怪しいその言葉に彼は――
 
 
 ♢
 
 
ポタ…ポタ…ポタ…。
硬質な地面に水滴が落ちる音が聞こえる。
「……グス…グスッ……」
……泣き声がする。
僕が始めに感じたのは暗さでも、寒さでもなく、悲しい音のする声だった。だから、この声に安堵感を覚えてしまう僕はきっと、底辺の人間なのだろう。
でもまぁ、僕は軍人ではないし、誰かを守る使命も今は持っていないから別に気にしていないけどさ……。
そう開き直りながらゆっくりと身を起こす。
閉ざされた空間を無理矢理切り拓いたようなこの場所は、白を基調に造られていた。
直径1mはあるかと思われる太く白い石柱が、天井まで伸びており、さらに同じような石柱が不規則に散りばめられているこの部屋。
部屋の中央にはパンや干し肉、豆などの保存の利く食料が山積みにされている。
そしてその食糧の隣には、否が応でも目を引いてしまう黒の布に包まれた何かがある。
周囲が白に統一されているためか、その反対色である黒に無性に惹かれてしまう。
……なんて少年心をくすぐる代物なんだ。
あれを作った人はセンスがある。
そうして、ぼーっと部屋を観察していると、赤髪をした少年が目に入る。
少年は「グス…グス…」と泣いている。
間違いない。僕が聞いたのはあの少年の涙だ。
そう、一人納得すると共に、僕は……戦慄した。
こんな子供の髪まで欲しがっているなんて!
どう考えてもやりすぎだったのだ。
モサモサになりたいからと言って、僕と少年の髪を貰い受けた日には、ハゲの人の髪はモサモサを通り越してボンバーになる。
人間何事もほどほどが一番良い。
明らかに人から奪った髪の毛だ。
次は自分の髪を……?と危機感を覚える人と、髪を奪われた人の恨みによって、いずれ……。
欲を掻きすぎた人間がどうなるかなんて、想像するまでもない。
ここまで髪の毛に執着するなんて……。
僕には到底理解できそうにない。
 
「……グス…グスッ…」
未だ泣き続ける少年。
足を抱えるようにして泣いている少年。
腕と足の間から見える横顔が痩せこけているのを見ると、まともな食事を取っていないことが分かる。
だが、同時に疑問に思った。
僕の見るかぎりここは、食糧も水もある。
十分に生きていける環境だ。
なのに、だ。ここにいる少年は痩せている。
なぜ目の前の食べ物を食べない?
それが不思議でならない。
だが、僕はあることに気づいた。
日常的にありふれ過ぎていて、ついつい忘れがちになってしまうがとても重要なこと。
「髪」が……あるだと!?
雷に撃たれた気分がした。
……そうか、そういうことか!
艶のある質の良い髪にするには、栄養をしっかりと取らないといけない。
逆に言えば、栄養を取らないことで髪の毛の質を悪くできる。
少年は「それ」に目をつけたのだ。
『髪の質を落とせば、ハゲの人に奪い取られない』
そう考えたのだろう。
そして、それは少年の頑張りによって証明されている!
……なんて賢い少年なんだ。
勉強になります。先輩!
僕が少年を先輩として崇めているその時だった。
「貴様、何者だ?」
少年とは違う、誰かもう一人の声が聞こえた。
大人の男性特有の低くて、渋い声だ。
……ここに来てまだ髪が増えるとは、恐るべしハゲの人。
声のする方へ顔を向けると、そこには壮年の男性いた。
額に刀傷をつけた壮年の男は、拳を固く握り締め、僕に向けていた。
……なんでファイティングポーズ取られてんの?
今日は沢山の不思議が訪れるなぁ。
「……僕はあなたと同じ、被害者ですよ」
「……証拠はあるか?」
証拠なんて…、そんなのあるわけが………あ、あったわ。
「僕にも髪の毛があります。これが証拠です」
「神の気だと!?貴様、呪い持ちか!!!!」
……。呪い持ちって何?
「とりあえず落ち着きませんか?」
さっきからずっと怖いんです。あなたの顔が。
「ふざけるな!これが、落ち着いてなどいられるか!今すぐに処罰してくれる!」
……なんで?ただ髪の毛があるってだけで……どうしてこう目の敵にされるんだ?
君にもあるのに、髪の毛。
こんなことならいっそのこと髪の毛なんて無くたって……良くないな。
はぁ…。もうどうすれば良いんだろう。
途方に暮れる僕に天使の声が届く。
「……グス…どうしたの?……ガンガ」
間違えた、先輩だった。天使かと思った。
「ルイ様!お下がりを!!この者は呪い持ちです」
「……ガンガ」
「はっ!今すぐにあの者を処罰しま――…」
「あの人に謝って」
「す……は!?」
「謝って」
「し、しかし――…」
「謝って……っ!」
前言撤回、天使なんかじゃない。
彼は……神だ。
「くっ…………先ほどのことは謝る。……すまなかった」
「ごめんなさい。僕が泣いてばかりいたから……ガンガは普段優しい人なんだ。……だから許してあげて、ね?」
そう言って、頭を下げる少年。
「――なっ!?」
真っ先に驚いたのは、ガンガさんだった。ガンガさんの驚いた声がこの部屋に響く。
『神に頭を下げさせるとは、何事だ……!!』
そういった意図を感じる視線をおくるカンガさん。
大丈夫。僕も同じだから。
「気にしないでください」といって、彼らを許すとそれを期に、僕らはお互いの情報を交換しあった。
彼らの話を整理すると、少年=神の名前はルイ・カタール・ダマスカス。
ダマスカス家の正統な後継者らしい。
それからさっき謝った男性の名前はガンガ・ダリウス。
代々ダマスカス家に仕える由緒正しい騎士らしい。
彼らは転覆を狙っている分家のズール・カタール・ダマスカスの策略によって、この場所に軟禁されているとのことだった。
騎士のガンガさんがいてどうして捕まったのか疑問だったけど、どうやら転移で捕まったらしい。三日前、ルイ君が昼食を食べ終え自室に戻った頃、転移の魔方陣が発動し、異変を察知したガンガさんがルイ様を助けるべくこの魔方陣に飛び込んだ。ということらしい。
話を聞いて思ったが、貴族にはそういったしがらみが多いらしい。
ってか、そもそもダマスカス家ってなに?
……有名なのかな?
※王都の南区を本拠地として構えおり、武器や武具などを作っている大本。炭鉱を複数所持しており、そこで取れるダマスカス鉱石を特産品としていて、王都に住む者ならば知らない人はいないほど超有名貴族。
まあ、別に知らないなら、知らないで良いか。
そんなことを知らず、僕は開き直っていた。
「そうか……もう三日も経っているのか」
そういって疲れた顔を浮かべるガンガさん。
いつ襲われるのか分からないということで、この三日間まともに寝ていないそうだ。
道理で目が怖いはずだ。目バッキバキだし。
「そうだ、ユーリ。ここに来たばかりのオマエに言っておく。ここでは怒りや、悲しみ、そういった負の感情を抱かない方が良い。それから、あの中央にある食べ物の山だが、あれには極力近づかないほうが良い。……理由は聞いてくれるなよ」
理由は聞かない方がいい。ね。
そう言われると聞きたくなるのが男の性と言うものだが、聞いたらきっと怒られる。
ここは黙っておくに一票だな。
「「「………。」」」
お、ルイ様も空気を呼んだか。
「……あまり変化は感じられないかも知れないが、ここでは感情を出すとたちまちにあの中央の物体に何かを吸い取られる。近づいても、だ」
あ、勝手に話し始めた!!!
そう思った僕だったが、すぐにあることに気づく。
「……ん?ルイ様は?」
めっちゃ泣いてるけど大丈夫?
「僕は感情取られないから大丈夫だよ」
「……え?そんなことあるの?」
「ああ、ルイ様はなぜかかん私も不思議でならないんだ。…………ん?私の感情も取られていない?」
「いったいどういうことだ?」
彼は首を傾げ、考える素振りを見せると、突然、僕の方に振り向き言う。
「ユーリ貴様のせい――…」
「いいえ、違います」
違います。
「……やけに早い返答だな。まあ、いいか」
「はい!僕を守ってください。ガンガさん」
「いや、おかしい。どうして私が貴様を守らないといけない。話が無茶苦茶だぞ」
「……そんなことは分かってます」
……だが、僕にも譲れないことはあるんだ。
「もし、ダメだと言うのなら……この手錠。外して貰えないでしょうか?」
そう、ユーリはずっと思っていた。なんで僕だけ手錠されてるの?と。
話している時ずっと思っていた。この人達手錠の鍵持っていないかな?と。
「……人生、何事も楽しむことが大切だ」
「……頑張ってお兄さん」
僕は知る。「人間、気まずい時は目を逸らす」ことを。
そして、思った。「この気持ちめっちゃ分かるわー」と。
相反する気持ちを悶々と抱えながら僕たちの生活は始まっ――…
「ボッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴン!!!!」
爆発音が部屋に響き、壁に穴が空く。
「全員捕らえろ!!!」
 
――僕達の生活は終わった。
 
その宝玉の存在は密かに隠されていた。
だが、その宝玉を知る者はその宝玉を欲しがった。
その宝玉の「欠片」でも持つことが出来れば、龍の力を得ることが出来るからだ。
 
彼、ズール・カタール・ダマスカスは欲しがったのだ。
その欠片を……。
 
そして、奴らが現れた。
不思議な連中だった。
自らを「影」と名乗ったその組織は、誰にも話していないはずの望みをどういう訳か知っていた。
 
「おまえが望むのなら、我々がおまえの望みを叶えてやろう」
 
その、いかにも怪しいその言葉に彼は――
 
 
 ♢
 
 
ポタ…ポタ…ポタ…。
硬質な地面に水滴が落ちる音が聞こえる。
「……グス…グスッ……」
……泣き声がする。
僕が始めに感じたのは暗さでも、寒さでもなく、悲しい音のする声だった。だから、この声に安堵感を覚えてしまう僕はきっと、底辺の人間なのだろう。
でもまぁ、僕は軍人ではないし、誰かを守る使命も今は持っていないから別に気にしていないけどさ……。
そう開き直りながらゆっくりと身を起こす。
閉ざされた空間を無理矢理切り拓いたようなこの場所は、白を基調に造られていた。
直径1mはあるかと思われる太く白い石柱が、天井まで伸びており、さらに同じような石柱が不規則に散りばめられているこの部屋。
部屋の中央にはパンや干し肉、豆などの保存の利く食料が山積みにされている。
そしてその食糧の隣には、否が応でも目を引いてしまう黒の布に包まれた何かがある。
周囲が白に統一されているためか、その反対色である黒に無性に惹かれてしまう。
……なんて少年心をくすぐる代物なんだ。
あれを作った人はセンスがある。
そうして、ぼーっと部屋を観察していると、赤髪をした少年が目に入る。
少年は「グス…グス…」と泣いている。
間違いない。僕が聞いたのはあの少年の涙だ。
そう、一人納得すると共に、僕は……戦慄した。
こんな子供の髪まで欲しがっているなんて!
どう考えてもやりすぎだったのだ。
モサモサになりたいからと言って、僕と少年の髪を貰い受けた日には、ハゲの人の髪はモサモサを通り越してボンバーになる。
人間何事もほどほどが一番良い。
明らかに人から奪った髪の毛だ。
次は自分の髪を……?と危機感を覚える人と、髪を奪われた人の恨みによって、いずれ……。
欲を掻きすぎた人間がどうなるかなんて、想像するまでもない。
ここまで髪の毛に執着するなんて……。
僕には到底理解できそうにない。
 
「……グス…グスッ…」
未だ泣き続ける少年。
足を抱えるようにして泣いている少年。
腕と足の間から見える横顔が痩せこけているのを見ると、まともな食事を取っていないことが分かる。
だが、同時に疑問に思った。
僕の見るかぎりここは、食糧も水もある。
十分に生きていける環境だ。
なのに、だ。ここにいる少年は痩せている。
なぜ目の前の食べ物を食べない?
それが不思議でならない。
だが、僕はあることに気づいた。
日常的にありふれ過ぎていて、ついつい忘れがちになってしまうがとても重要なこと。
「髪」が……あるだと!?
雷に撃たれた気分がした。
……そうか、そういうことか!
艶のある質の良い髪にするには、栄養をしっかりと取らないといけない。
逆に言えば、栄養を取らないことで髪の毛の質を悪くできる。
少年は「それ」に目をつけたのだ。
『髪の質を落とせば、ハゲの人に奪い取られない』
そう考えたのだろう。
そして、それは少年の頑張りによって証明されている!
……なんて賢い少年なんだ。
勉強になります。先輩!
僕が少年を先輩として崇めているその時だった。
「貴様、何者だ?」
少年とは違う、誰かもう一人の声が聞こえた。
大人の男性特有の低くて、渋い声だ。
……ここに来てまだ髪が増えるとは、恐るべしハゲの人。
声のする方へ顔を向けると、そこには壮年の男性いた。
額に刀傷をつけた壮年の男は、拳を固く握り締め、僕に向けていた。
……なんでファイティングポーズ取られてんの?
今日は沢山の不思議が訪れるなぁ。
「……僕はあなたと同じ、被害者ですよ」
「……証拠はあるか?」
証拠なんて…、そんなのあるわけが………あ、あったわ。
「僕にも髪の毛があります。これが証拠です」
「神の気だと!?貴様、呪い持ちか!!!!」
……。呪い持ちって何?
「とりあえず落ち着きませんか?」
さっきからずっと怖いんです。あなたの顔が。
「ふざけるな!これが、落ち着いてなどいられるか!今すぐに処罰してくれる!」
……なんで?ただ髪の毛があるってだけで……どうしてこう目の敵にされるんだ?
君にもあるのに、髪の毛。
こんなことならいっそのこと髪の毛なんて無くたって……良くないな。
はぁ…。もうどうすれば良いんだろう。
途方に暮れる僕に天使の声が届く。
「……グス…どうしたの?……ガンガ」
間違えた、先輩だった。天使かと思った。
「ルイ様!お下がりを!!この者は呪い持ちです」
「……ガンガ」
「はっ!今すぐにあの者を処罰しま――…」
「あの人に謝って」
「す……は!?」
「謝って」
「し、しかし――…」
「謝って……っ!」
前言撤回、天使なんかじゃない。
彼は……神だ。
「くっ…………先ほどのことは謝る。……すまなかった」
「ごめんなさい。僕が泣いてばかりいたから……ガンガは普段優しい人なんだ。……だから許してあげて、ね?」
そう言って、頭を下げる少年。
「――なっ!?」
真っ先に驚いたのは、ガンガさんだった。ガンガさんの驚いた声がこの部屋に響く。
『神に頭を下げさせるとは、何事だ……!!』
そういった意図を感じる視線をおくるカンガさん。
大丈夫。僕も同じだから。
「気にしないでください」といって、彼らを許すとそれを期に、僕らはお互いの情報を交換しあった。
彼らの話を整理すると、少年=神の名前はルイ・カタール・ダマスカス。
ダマスカス家の正統な後継者らしい。
それからさっき謝った男性の名前はガンガ・ダリウス。
代々ダマスカス家に仕える由緒正しい騎士らしい。
彼らは転覆を狙っている分家のズール・カタール・ダマスカスの策略によって、この場所に軟禁されているとのことだった。
騎士のガンガさんがいてどうして捕まったのか疑問だったけど、どうやら転移で捕まったらしい。三日前、ルイ君が昼食を食べ終え自室に戻った頃、転移の魔方陣が発動し、異変を察知したガンガさんがルイ様を助けるべくこの魔方陣に飛び込んだ。ということらしい。
話を聞いて思ったが、貴族にはそういったしがらみが多いらしい。
ってか、そもそもダマスカス家ってなに?
……有名なのかな?
※王都の南区を本拠地として構えおり、武器や武具などを作っている大本。炭鉱を複数所持しており、そこで取れるダマスカス鉱石を特産品としていて、王都に住む者ならば知らない人はいないほど超有名貴族。
まあ、別に知らないなら、知らないで良いか。
そんなことを知らず、僕は開き直っていた。
「そうか……もう三日も経っているのか」
そういって疲れた顔を浮かべるガンガさん。
いつ襲われるのか分からないということで、この三日間まともに寝ていないそうだ。
道理で目が怖いはずだ。目バッキバキだし。
「そうだ、ユーリ。ここに来たばかりのオマエに言っておく。ここでは怒りや、悲しみ、そういった負の感情を抱かない方が良い。それから、あの中央にある食べ物の山だが、あれには極力近づかないほうが良い。……理由は聞いてくれるなよ」
理由は聞かない方がいい。ね。
そう言われると聞きたくなるのが男の性と言うものだが、聞いたらきっと怒られる。
ここは黙っておくに一票だな。
「「「………。」」」
お、ルイ様も空気を呼んだか。
「……あまり変化は感じられないかも知れないが、ここでは感情を出すとたちまちにあの中央の物体に何かを吸い取られる。近づいても、だ」
あ、勝手に話し始めた!!!
そう思った僕だったが、すぐにあることに気づく。
「……ん?ルイ様は?」
めっちゃ泣いてるけど大丈夫?
「僕は感情取られないから大丈夫だよ」
「……え?そんなことあるの?」
「ああ、ルイ様はなぜかかん私も不思議でならないんだ。…………ん?私の感情も取られていない?」
「いったいどういうことだ?」
彼は首を傾げ、考える素振りを見せると、突然、僕の方に振り向き言う。
「ユーリ貴様のせい――…」
「いいえ、違います」
違います。
「……やけに早い返答だな。まあ、いいか」
「はい!僕を守ってください。ガンガさん」
「いや、おかしい。どうして私が貴様を守らないといけない。話が無茶苦茶だぞ」
「……そんなことは分かってます」
……だが、僕にも譲れないことはあるんだ。
「もし、ダメだと言うのなら……この手錠。外して貰えないでしょうか?」
そう、ユーリはずっと思っていた。なんで僕だけ手錠されてるの?と。
話している時ずっと思っていた。この人達手錠の鍵持っていないかな?と。
「……人生、何事も楽しむことが大切だ」
「……頑張ってお兄さん」
僕は知る。「人間、気まずい時は目を逸らす」ことを。
そして、思った。「この気持ちめっちゃ分かるわー」と。
相反する気持ちを悶々と抱えながら僕たちの生活は始まっ――…
「ボッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴン!!!!」
爆発音が部屋に響き、壁に穴が空く。
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