フォーの聖所
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「じゃ、行こうか。チェックイン」
「はい、」
「なんだかゲームの続きみたいね、」
「はい。まだ、続いていますね」
「でもこれは、ゲームなんかじゃない」
「はい。そうです。リアル、ですね。とてもリアルなゲームです」
「あは、そこ、ゲームって言っちゃう?」
わたしは笑う。そしてリリアの手をとった。
リリアがわたしの手を握りかえす。リリアにしては、とても強く。
「戦力としては、微力かもしれませんが。」
リリアがわたしにつぶやいた。
「でも。ひとりでも、多い方が。ひとりでも。ふたりでも。戦力には、変わりありません。」
「うん。正論だ。じゃ、行こう。二人の戦いは、これから、だね?」
「はい。これから、です」
雨の空港の吹き抜けのロビーには、多くの人々が入り乱れている。
着く人。去る人。迎える人。見送る人。
わたしたちは、そして、去る人、の列に加わる。
いや。「去る」のは、正確ではない。「行く人」。そこへ、これから「向かう人」だ。
やがてここから時間が過ぎて、明日という日が来たときには、
わたしはすでに、もうそこにいて、
その街に集う、まだ名前も知らないたくさんの仲間たちと。
そこを護るために。みんなで、戦うのだ。みんなで。まだ名前も知らない、世界の仲間たちと。わたしたちは。わたしとリリアは。そして、もう今も戦っている、さらに何千という、まだ名前も知らない、この世界の多くの仲間たち――
行くよ、そこに。だから待っていて。
わたしたちが着くのを、そこで。ずっと待っていて。
戦おう。戦おう。わたしたちも行く。
わたしたちも。そこで。しっかりと手をにぎりあい、
みんなと、そして、わたしとリリアと。そして。そして。
その続きは、もう、そこに。
雨の降りしきるこの灰色の街の外、
海をへだてた、その、わたしの知らない大きな街の、その特別な場所で。
「はい、」
「なんだかゲームの続きみたいね、」
「はい。まだ、続いていますね」
「でもこれは、ゲームなんかじゃない」
「はい。そうです。リアル、ですね。とてもリアルなゲームです」
「あは、そこ、ゲームって言っちゃう?」
わたしは笑う。そしてリリアの手をとった。
リリアがわたしの手を握りかえす。リリアにしては、とても強く。
「戦力としては、微力かもしれませんが。」
リリアがわたしにつぶやいた。
「でも。ひとりでも、多い方が。ひとりでも。ふたりでも。戦力には、変わりありません。」
「うん。正論だ。じゃ、行こう。二人の戦いは、これから、だね?」
「はい。これから、です」
雨の空港の吹き抜けのロビーには、多くの人々が入り乱れている。
着く人。去る人。迎える人。見送る人。
わたしたちは、そして、去る人、の列に加わる。
いや。「去る」のは、正確ではない。「行く人」。そこへ、これから「向かう人」だ。
やがてここから時間が過ぎて、明日という日が来たときには、
わたしはすでに、もうそこにいて、
その街に集う、まだ名前も知らないたくさんの仲間たちと。
そこを護るために。みんなで、戦うのだ。みんなで。まだ名前も知らない、世界の仲間たちと。わたしたちは。わたしとリリアは。そして、もう今も戦っている、さらに何千という、まだ名前も知らない、この世界の多くの仲間たち――
行くよ、そこに。だから待っていて。
わたしたちが着くのを、そこで。ずっと待っていて。
戦おう。戦おう。わたしたちも行く。
わたしたちも。そこで。しっかりと手をにぎりあい、
みんなと、そして、わたしとリリアと。そして。そして。
その続きは、もう、そこに。
雨の降りしきるこの灰色の街の外、
海をへだてた、その、わたしの知らない大きな街の、その特別な場所で。
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