フォーの聖所

ikaru_sakae

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 あと、身長をだいぶ低めに設定。初期のバリバリの足が長すぎるモデル体型みたいなやつから、まあ、わりと穏当なティーンエイジャー体格、みたいな感じに補正する。まあわたしの好みと言えばそうなのだけど、どうもこの手の海外RPGは、デフォルトのキャラクタービジュアルがあまりにも異次元なくらいスーパーモデル体型になってて、わたしはあまり好きじゃない――
 
 とか、なんとなく心の中で文句を言いつつも、キャラクター作成終了。
 暗闇の中に浮かんだ等身大のキャラクタ―を、ぐるぐる回転させて、詳細を最終確認。なにか、初期装備としては、右手に、赤のオーブをはめこんだ魔法のワンドを装備。ボディには、ベージュっぽいカラーの軽装チュニックに、胸の部分に革製のプレート。足元は、編上げの革製ロングブーツ、って感じか。あとは、首のちょっと下の方の位置に、オレンジっぽく光る、いかにも魔法がかかってそうなメタル製のペンダント。ふむ、まあまあ穏当なビジュアルだな。ゲームによっては、やたらセクシーアピール過剰な露出度高すぎるコスチュームばかりでゲンナリすることもあるけど、このゲームは、まあ、自分的には許容範囲か。
 
 空間の中央に浮かび上がった「ゲーム開始」の文字をタッチする。
 なんだか壮大なオープニング音楽が鳴り響き、青の光がわたしを包み込みこむ。クリスタルが弾けるような効果音と同時に、わたし自身が、今そこで作成したキャラクタービジュアルにトランスフォーム。青の光がぐんぐん明るさを増し、まぶしくて、目が開けてられないレベルに達し―― そしてわたしは、「ロード・オブ・ソウルズ」の世界にダイブイン。ここから先は、自らログアウトを選ぶその時までは―― 視覚的にも、そのほか五感的にも、すべて完全に。このゲーム世界のキャラクターになりきって、このバーチャル世界の一住人となるのだ。

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