アッフルガルド

ikaru_sakae

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 わたくしはひとつ、知りたいのです。
 わたくしは世界を、護れたのでしょうか。
 護れたのでしょうか。
 わたくしは、ひたすらに失われてゆく、この幾多の破壊と失意の中で――
 さいごに、たったひとつでも、小さな場所を――
 わたくしはこの手で、最後にひとつだけでも――

 護れたのでしょうか。
 護れたのでしょうか。

 ヨルドさま、
 わたくしは、さいごに、唯一それだけが気がかりです。
 わたくしの声は、まだ、届いていますか。
 届いていますか。
 わたくしは―― わた―― くし―― は―― まも――
 
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