アッフルガルド
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暗い。
暗い。
真っ暗だ。何も見えない。
闇。完全な闇があたしを包んでる。
「って、ひゃ?? なにこれこの、」
「痛い痛い痛い! 誰だてめ、どこ蹴ってんだ!」
「ってあんた誰よ! その声ってひょっとしてバカのアルウル??」
「そのバカ声は最底辺バカのカナカナか?」
「ぎゃっ? って、あんたどさくさまぎれにどこ触ってんのよ!」
「いてっ! いままた蹴っただろおまえ」
「蹴ったわよ! あんたみたいなヘンタイは――」
「それな、おまえがそこ乗っかってるからメンドクサイことになってるんだよ。さっさと俺の上から、」
「ぎゃあ! また触った!」
「重いっつってんだよ! おりろ!」
「なにすんのよヘンタイ!」「おまえこそいい加減にしろバカ!」
「はいは~い。もうそのへんでいいからスト~ップ」
聞きなれた声と同時に光がともった。
オレンジの光。眩しくて目がちくちくした。
「ふたりとも、もうそのへんにしといたら?」
カトルレナが、光の輪の中心にいた。
暗闇ダンジョン用の大型カンテラを片手にもってる。
「ふたりが仲がいいのはよくわかったけど。ほかの人のいるところであんまりベタベタしないで欲しいな。こっちがちょっと気恥ずかしい」
「う、うっせーぞてめ、カトルレナ!」「ぜんぜん仲良くなーい!」
「あれ? だけどあのヒトは?」
「誰?」
「あの、もうひとりのヒト。旅人さん」
「ああ、あいつか。どこ行ったんだろうな? ひょっとしてあいつひとりだけこっちに入り損ねたとかじゃ――」
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