アッフルガルド

ikaru_sakae

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 ドオンンッッ  
 閃光、衝撃。足もとの地面がグラグラ揺れた。
 ホコリと石のかけらがバラバラ降ってくる。
 やばい! なんか魔法、撃ってきた撃ってきた!

 バシュッ  バシュッ…
 何? それに対するカウンター?? 
 あたしのすぐうしろ、誰かがいきなり魔法発動。
 エナジー系の迎撃魔法をバシバシ撃つ撃つ撃つ。

「いそいでくださいヨルド様」

 撃ちまくってるのはダグだ。反撃で撃ってるのはダグだ。
 折れ曲がったボロボロの翼を大きく広げて。
「いまのこの位置での防御は、あと三十カウントが限度です。はやく!」
「わかりました。とにかく防ぎなさい」
「はい」

「あ、見て見てターゲット! ターゲットできた!」

 あっちでカトルレナが叫んだ。
「出てる出てる! 『異端者イヴェルナ』! これ、見た目はあれだけどちゃんと機能してるよ!」
「え? なに? それがつまりNPCってこと? ほんとに?」
「おお! まじか!」「ほう。とても興味深い」
「さあ、はやく話しかけて!」
 緊迫した声でヨルドが叫ぶ。
「長時間は持ちません! さあ、すぐにイベント参加の承諾を!」
「承諾って、でも、」

  けめ、そらgd。が。
  しだに、gghじゃえいn? ▼

「でもこれ、読めないですよ!」
「どんどん先に送って! もう少し先に「はい・いいえ」分岐が出るはずです」
「送るって言っても―― これって完全に文字バグじゃ―― うわっ??」

 立ちこめる砂煙。着弾した! 敵の魔法弾! 
 ファサードの柱がバシバシ折れて倒れてくる。
 やばいやばい! 邪神像もこれ、崩れる崩れる! やばいってこれもう!!

「さあはやく!」「いそげカトルレナ!」「やばいやばい! もう死ぬ~」
「やってますやってます! やってるけど――」


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