アッフルガルド

ikaru_sakae

page66

「ねえ、まだ着かないの~? その、なんとか神殿っていうのはまだ遠い~?」

「自分でマップ見て確認しろアホ」
 前をいくアウウルがムカつく答えを返してきた。
「なによそれ~。マップ開いて見るのメンドクサイから訊いてるんでしょ~」
「おまえ一回も戦闘やってないだろ。せめてもうちょっと何か役に立てよ」
「だけど手伝ったら手伝ったで、おまえ足手まといだからうしろ下がってろ!とか言うでしょ」
「おお。よくわかってるじゃん。バカなりに学習してるってわけか」
「あんたにバカバカ言われる筋合いはないわ」
 あたしはそいつに追いついて、そいつのアタマをバシッと叩こうと―― けど、ムカつくことに機敏にアルウルはかわした。だからもう一回こんどはフェイントを入れてから股間にガツンと蹴りをいれた。この動きは予想外だったらしくすごく綺麗にヒットした。
「ぐはっ! って、こら! いきなりパーティメンバー攻撃すんな!」
「あんたがバカバカ言うからよ。あたしこれでもけっこう学校の成績いいんだから。数学とか」
「ウソつけ。ほとんど学校行ってないだろ、リアルでは」
「行ってまーす。ま、ときどき休んだりはするけど」
「ははっ。週四回ぐらいがときどきかよ?」
「三回とかよ。週二回はちゃんと行ってるし」
「それはちゃんと行ってるとかいうレベルじゃないだろ」
「なによ。あんたも休みまくってるくせに」
「先週一回行った。昼までに帰ったけど」

「ははは、あははははははっ」

 いきなり誰かが大声で笑ったからびっくりした。
 何々? いきなり何このリアクション?
 笑ったのは彼だ。ルルコルル。
 なんだかムダにお腹をかかえて、でっかいリアクションで笑いまくってる。。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品