アッフルガルド
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「あ、すいません。ちょっと強く切り過ぎてしまいました」
剣撃ポーズを解いて、
職業不詳のルルコルルがきまり悪そうに言った。
「なっっ。。お、おまえ、今なにを――」
いままでひたすらにアルウルを攻め続けていた歌姫が、その場で動きを止めた。顔には明らかな狼狽が浮かんでる。
「すいません。まだあんまり、力の加減がよくわからなくて」
ニコッとイノセントに微笑んで、ルルコルルが歌姫に謝った。
「あの~、続けて攻撃してもいいですか?」
「な??」
クリティカルヒット!!
縦の剣撃が歌姫の背中をふたつに割った。
はじけとぶ虹色の視覚効果。
歌姫ヘスキアのキャラクタービジュアルが、一瞬でフィールドから消えた。
そして赤を完全にふりきったHPゲージの上に、
――DEAD――
「んー、今度はけっこう加減したつもりだったんですけど。またちょっとやりすぎてしまいました。このゲーム、力の加減がけっこうムズカシイんですね… あの~、でもこれって、審査終了でいいんですよね? いちおう二人、勝ち残りということで?」
「…えっと、ん、そ、そうですね。は、はい。そうです。終わりです。。」
うわずった声でカトルレナが言った。
「分析結果は出た? あれもやはりサクルタス? 三体目が来ているの?」
あたしの肩の上で、黒のネコリスがこっそりささやく。
「いえ、それがその、ヨルド様、」
アタマの上では、化けガラスのダグが――、っていうか、いちいちアタマにとまるなって! なにげに重いしツメが頭皮に食い込んで痛っ!
「今現在、いっさいのイーグス反応がすでに消失しています。いまあそこにいるルルコルルというキャラクターに関しましては―― すべての数値が正常値。不正や外部侵入の形跡はいっさい感知できません」
「では、普通の人間のプレイヤーということね? 脅威ではなく?」
「…そうなりますね。手元の分析結果を見るかぎりでは。しかし、どうもなにか釈然としません」
「何が問題?」
剣撃ポーズを解いて、
職業不詳のルルコルルがきまり悪そうに言った。
「なっっ。。お、おまえ、今なにを――」
いままでひたすらにアルウルを攻め続けていた歌姫が、その場で動きを止めた。顔には明らかな狼狽が浮かんでる。
「すいません。まだあんまり、力の加減がよくわからなくて」
ニコッとイノセントに微笑んで、ルルコルルが歌姫に謝った。
「あの~、続けて攻撃してもいいですか?」
「な??」
クリティカルヒット!!
縦の剣撃が歌姫の背中をふたつに割った。
はじけとぶ虹色の視覚効果。
歌姫ヘスキアのキャラクタービジュアルが、一瞬でフィールドから消えた。
そして赤を完全にふりきったHPゲージの上に、
――DEAD――
「んー、今度はけっこう加減したつもりだったんですけど。またちょっとやりすぎてしまいました。このゲーム、力の加減がけっこうムズカシイんですね… あの~、でもこれって、審査終了でいいんですよね? いちおう二人、勝ち残りということで?」
「…えっと、ん、そ、そうですね。は、はい。そうです。終わりです。。」
うわずった声でカトルレナが言った。
「分析結果は出た? あれもやはりサクルタス? 三体目が来ているの?」
あたしの肩の上で、黒のネコリスがこっそりささやく。
「いえ、それがその、ヨルド様、」
アタマの上では、化けガラスのダグが――、っていうか、いちいちアタマにとまるなって! なにげに重いしツメが頭皮に食い込んで痛っ!
「今現在、いっさいのイーグス反応がすでに消失しています。いまあそこにいるルルコルルというキャラクターに関しましては―― すべての数値が正常値。不正や外部侵入の形跡はいっさい感知できません」
「では、普通の人間のプレイヤーということね? 脅威ではなく?」
「…そうなりますね。手元の分析結果を見るかぎりでは。しかし、どうもなにか釈然としません」
「何が問題?」
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