アッフルガルド
page59
「前回のミッション報酬でリアルマネーがガッポリ入っただろ? いきなり避難だのなんだのの混乱で、半分ぐらいはそのこと忘れちまってたんだけど――」
アルウルはそこにある噴水の縁に行儀悪くすわった。
「けど、空港に着いた時、その金のこと思いだしてさ。センナイ空港。そこもやっぱり、空から脱出したいヤツらで大混雑。全便予約でいっぱいだったんだけど―― 正規運賃の百倍額払う。しかもそれはあんたに個人的にこっそり振りこみます。ほらこれ、俺のいまの銀行残高です。あとこれ、とりあえず前金で五十万どうぞ―― そう言ったら、職員のヒト、なんか目の色変えて、すぐにどっかに取り次いでくれてさ。おれの名前、乗客リストにムリヤリねじこんでくれたの。そのあとすぐの出発便」
「ちょっとあんたそれ、露骨に賄賂ってヤツじゃないの?」
「いいんだよ何でも。非常時だからな」
「よくないでしょ全然!」
「ま、でもそうやって無事にオキワナ到着。いまこれ、ビーチ近くのよさげなカフェからダイブしてる。倍額払ってビップルームだぜ?。いやぁ、いいねえ金持ちっていうのは」
「で、誰なんだこいつは?」
ガントがダガーソードを抜き放ち、殺気立った目であたしとアルウルを交互ににらむ。
「えーっと、じつは彼、もともとの、あとひとりのパーティーメンバーで~、」
あたしはなにげに言いにくそうに言った。なんとな~く良くない展開。。
「すいません。。そういうわけで、今回はやっぱり、新規募集はあと一名っていうことで――」
「ふざけるな!」
ガントが怒鳴った。
「約束が違うだろ。コロコロとルールを変えやがって。おれは認めないぞ、あとから来たそいつが無条件で合格なんて話」
「そうよそうよ~! 二名募集って言ってたもん! ズルはダメだと思いまーす!」
✸✸✸✸ ✸✸✸✸ ✸✸✸✸ ✸✸✸✸ ✸✸✸✸
「……なるほど。そういうことね。だったら単純な話じゃん」
アルウルが、あっさりと鼻で笑いながら言った。
「なにがどう単純なのよ?」
あたしはちょっとイラッとして問い詰める。
「すごくシンプルな話だ。じっさいここで四人でバトルすりゃいいだけじゃん?」
「バトル?」
アルウルはそこにある噴水の縁に行儀悪くすわった。
「けど、空港に着いた時、その金のこと思いだしてさ。センナイ空港。そこもやっぱり、空から脱出したいヤツらで大混雑。全便予約でいっぱいだったんだけど―― 正規運賃の百倍額払う。しかもそれはあんたに個人的にこっそり振りこみます。ほらこれ、俺のいまの銀行残高です。あとこれ、とりあえず前金で五十万どうぞ―― そう言ったら、職員のヒト、なんか目の色変えて、すぐにどっかに取り次いでくれてさ。おれの名前、乗客リストにムリヤリねじこんでくれたの。そのあとすぐの出発便」
「ちょっとあんたそれ、露骨に賄賂ってヤツじゃないの?」
「いいんだよ何でも。非常時だからな」
「よくないでしょ全然!」
「ま、でもそうやって無事にオキワナ到着。いまこれ、ビーチ近くのよさげなカフェからダイブしてる。倍額払ってビップルームだぜ?。いやぁ、いいねえ金持ちっていうのは」
「で、誰なんだこいつは?」
ガントがダガーソードを抜き放ち、殺気立った目であたしとアルウルを交互ににらむ。
「えーっと、じつは彼、もともとの、あとひとりのパーティーメンバーで~、」
あたしはなにげに言いにくそうに言った。なんとな~く良くない展開。。
「すいません。。そういうわけで、今回はやっぱり、新規募集はあと一名っていうことで――」
「ふざけるな!」
ガントが怒鳴った。
「約束が違うだろ。コロコロとルールを変えやがって。おれは認めないぞ、あとから来たそいつが無条件で合格なんて話」
「そうよそうよ~! 二名募集って言ってたもん! ズルはダメだと思いまーす!」
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「……なるほど。そういうことね。だったら単純な話じゃん」
アルウルが、あっさりと鼻で笑いながら言った。
「なにがどう単純なのよ?」
あたしはちょっとイラッとして問い詰める。
「すごくシンプルな話だ。じっさいここで四人でバトルすりゃいいだけじゃん?」
「バトル?」
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