アッフルガルド

ikaru_sakae

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候補者その一。  ゲーム名 ガント。 男性キャラ。 
種族はエルモ。人間型の妖精種族。小さな体躯と尖った耳が特徴。
職業:アサシン。 
 スキル構成平均値は72。けっこうなかなかの上級者さん。灰色一色の質素なレザー装備一式。鼻から下をフードで隠してるから表情はよくわからない。けど、目つきは鋭い。ま、暗殺者クラスだから当然って言えば当然か。

候補者その二。  ゲーム名 ヘスキア。 女性キャラ。 
種族はアルヌーブ。美形ぞろいのニンフ族。自然系の魔法習得に秀でる。
職業:歌姫。
 スキル平均は58。まあそこそこの中級者。薄いピンクシルクのエレガントなロングドレスをセクシーにまとってる。肩とか胸とか太ももの露出がけっこうエロい。まあこのゲーム、踊り子とか歌姫のクラスってたいがいそういうビジュアルだ。そしてこのヒトのデフォルトの表情は、うっすら妖艶なスマイル。髪と瞳の色はドレスと同じピンク系。

候補者その三。  ゲーム名 ルルコルル。 男性キャラ。 
種族は―― 秘密。 (秘密ってなんじゃそれ??) 
職業:無職ですけど、何でもできます  
(おいおい。。無職とかないだろ、このゲーム。。)
 
 そしてこのヒトのスキル平均―― 

 122?? は? なにそれ?? 冗談?

 じっさいそこに立ってるそのヒトは、ぜんぜん飾り気のない白の旅人服を着て―― あれってたしか、ゲーム開始時点で支給されてる旅人服だよね? ブーツもあれ、一番最初の町でゲットするレザーのブーツっぽい。かなりぼさぼさした適当な髪形。顔のビジュアルだけは、わりにハンサムさん。髪の色と同じ、砂色の瞳をしてる。

「ね、カトルレナ。あれ、左のヒト、あれって完全にダメっぽいよね。怪しすぎるよ。。」
 あたしはこっそりカトルレナの耳元でささやいた。
「ん~、どうだろうか。見た目だけでは何とも判断が――」
「やっぱりあのヒト、サクッと一次で落としといた方がよかったんじゃない?」
「まあそう言わずに。ちゃんと来てくれたんだし、話くらい聴こうよ」

 ボンッ  ボンッ

 いきなり空中で二つの火の玉がはじけた。キラキラの光の粉が降ってくる。同時に音楽。いかにも遊園地で流れてそうなムリヤリ楽しげな極甘マシュマロ的BGM。

「どうやら公募はうまくいったようですね?」

 ヨルドの声がアタマの上から降ってきた。

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