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Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。

穂村大樹

第109話 新たな気持ち

学校に到着した俺と祐奈は早速、風磨に付き合ったことを報告した。

「おはよ」
「おはー。あれ、珍しいな。2人一緒に学校に来るなんて」
「おう。実は俺たち付き合ったんだよ」
「お、そうか。おめでとさん」

あれ、俺と学校1の美少女が付き合ってカップルになったってのに冷静だな。

これが高校3年生になった4月の段階であれば驚くどころか嘘だと言って信じなかっただろうに。

「意外と驚かないんだな」
「まぁ前々から祐が祐奈ちゃんか楓のどっちかとひっつきそうだなとは思ってたからな。昨日はクリスマスだったし、そゆこともあるかと思ってな」

自分でもどちらが好きなのか気付かなかったというのに、風磨には俺がどちらかとくっつくだろうと気づかれていたようだ。

伊達にオタク友達やってないな。

「楓はまだ来てないのか?」
「まだ今日は見てないな」

俺より先に教室に入って来ていることが多い楓が俺よりも学校に来るのが遅いのが若干気になる。

昨日、俺は楓の告白を正式に断ったわけだ。楓も今日学校に来るのが憂鬱で仕方がないだろう。

だが俺は正直な自分の気持ちを楓に伝えたし、出来ることはやったつもりだ。楓には元気に登校してきてほしい。

そう思ってからしばらくして楓が教室へ入ってきた。
教室に入ってきた楓の姿を見て、安心するよりも先に驚愕した。

「ちょ、おま、だ、どうしたんだよそれ」
「もうみんなにはバレてるわけだし、これで良いかなって。自分らしく残りの学校生活を楽しむことにしたよ」

そういう楓はいつも登校してくるときのように髪で目が隠れた地味な女の子ではなく前髪を分け、目を出し明るい女の子、日菜の格好をしていた。

その姿を見たクラスメイトの視線は見たこともない美少女へと一切に集められた。

祐奈と同等か、人によってはそれ以上とも言える絶世の美少女、日菜の登場に教室は騒然とした。

「そうだな。自分を隠して生活するよりも、残りの高校生活くらいは素の自分で生活した方が楽しめるだろうしな」
「うん。だから残りの3ヶ月くらい、仲良くしてよね。私の大ファンさん」
「あ、ああ。よろしく頼む」

まさか学校で俺が大ファンの日菜に会えるとは思いもしなかった。

いや、いままでも楓として関わって来ていたわけだが、見た目が違うだけでこうも印象が変わるとは。

残り3ヶ月の高校生活、日菜がずっと一緒だと考えると嬉しような気もするが気が休まらないという意味では嬉しくないのかも知れない。

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