Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第87話 チェックイン
「よし、これならきっとバレない。大丈夫」
「本当か? いくら服が大人っぽくなったからって顔見られたら分かるんじゃないか?」
楓が選んだのはビジネススーツのようなスタイル。
黒の綺麗めパンツにカジュアルな白シャツ、その上からジャケットを羽織る事で垢抜けた大人感を演出している。
普段は学生服かジーパンにTシャツといったファッションセンス皆無な格好をしている俺には新鮮な格好だった。
ホテルの前で意気込む俺はジャケットに付いている2つのボタンを閉める。
「ちょっと、ジャケットのボタンは全部閉めないの。1つ閉めるか、全部閉めないかのどっちかにして」
「そうなのか? それだと不真面目に見えるんじゃ……」
「そういうもんなの‼︎ 私のいう通りにして」
ファッションのファの字も知らない俺は何から何まで楓に言われた通りにしてホテルに入った。
子供の頃に行った旅行で泊まった煌びやで豪華なホテルとは違い、暗い雰囲気が漂いフロアも狭い。
俺たちは怪しまれないよう無表情でチェックインをすることにした。
18歳である事を隠しているため、スタッフ達から疑いの目を向けられている様な気がしてしまう。
「お名前お願いします」
「古村です。1人宿泊者が増えるのですが大丈夫ですか?」
「古村様……。はい、本日ダブルルーム1泊でご予約いただいておりますので、問題ありません。料金は先払いとなっております」
何事もなく支払いを終えた俺たちはエレベーターに乗り込んだ。
「よっしゃー。気づかれなかったな」
「当たり前。私のコーディネートは嘘をつかないからね」
「なんだその自信は」
自分たちが未成年であると気付かれなかったことに安堵した俺は旅行に来た様な感覚で部屋に入る。
無事チェックインを済ませ気を抜いていた俺は驚愕した。ビジネスホテルの部屋の狭さに。
ダブルベットがようやく1つ入るほどの狭さで、ベットが置いてあるスペース以外は人1人が歩ける程度の広さしかない。
こうなると俺たちが過ごすスペースはベッドの上に限られてしまう。
楓は部屋に入るなり、スーツケースを部屋の奥に置き、ベットにゴロンと寝転がった。
「はぁーーーー疲れた」
楓はベッドで大の字になっている。東京に向かう途中も学校を辞めなければならない事を気にしていたのだろう。疲れるのも無理はない。
そんな楓を見た俺はわざとらしく楓の横に勢いよく寝転がった。
「ちょっと、ベッドが揺れるじゃない」
「良いだろ。俺も疲れたんだ」
「……そう……だよね。ごめんね。私、お風呂入ってくる」
「あ、楓……」
楓は解釈を誤ったようで、そのまま風呂へと逃げる様に入っていった。
そうか、東京まで着いて来たのは良いが逆に気を使わせてしまっているんだな……。
楓のために、明日はなにがなんでもマネージャーを説得してみせる。
俺以外誰もいない部屋の中は静まりかえり、風呂場から聞こえてくるシャワーの音が妙に艶かしい。
だ、駄目だろやっぱ。付き合ってもいない高校生の男女が同じ部屋でお泊まりなんて。
すぐそこには産まれたままの姿の楓が……
「祐、ちょっと良い?」
「な、なんでしょうか‼︎」
風呂場から聞こえた楓の声に思わず声が裏返り恥ずかしさで汗が滲む。
「バスタオルとってくれない? 多分洗面所に置いてあるから」
「さ、流石にやばいだろそれは‼︎ 何言ってんだ‼︎」
「別に大丈夫。洗面所、びちょびちょにしたくないしさ」
「ったくもう……」
目のやり場に困りながらユニットバスのカーテンの隙間から伸びた手にタオルを渡す。
任務を完了した俺は足早に風呂場を後にした。
その後も俺は風呂場から聞こえる音に落ち着くことが出来ず、ベッドの上に正座をして大音量でテレビを見ていた。
「本当か? いくら服が大人っぽくなったからって顔見られたら分かるんじゃないか?」
楓が選んだのはビジネススーツのようなスタイル。
黒の綺麗めパンツにカジュアルな白シャツ、その上からジャケットを羽織る事で垢抜けた大人感を演出している。
普段は学生服かジーパンにTシャツといったファッションセンス皆無な格好をしている俺には新鮮な格好だった。
ホテルの前で意気込む俺はジャケットに付いている2つのボタンを閉める。
「ちょっと、ジャケットのボタンは全部閉めないの。1つ閉めるか、全部閉めないかのどっちかにして」
「そうなのか? それだと不真面目に見えるんじゃ……」
「そういうもんなの‼︎ 私のいう通りにして」
ファッションのファの字も知らない俺は何から何まで楓に言われた通りにしてホテルに入った。
子供の頃に行った旅行で泊まった煌びやで豪華なホテルとは違い、暗い雰囲気が漂いフロアも狭い。
俺たちは怪しまれないよう無表情でチェックインをすることにした。
18歳である事を隠しているため、スタッフ達から疑いの目を向けられている様な気がしてしまう。
「お名前お願いします」
「古村です。1人宿泊者が増えるのですが大丈夫ですか?」
「古村様……。はい、本日ダブルルーム1泊でご予約いただいておりますので、問題ありません。料金は先払いとなっております」
何事もなく支払いを終えた俺たちはエレベーターに乗り込んだ。
「よっしゃー。気づかれなかったな」
「当たり前。私のコーディネートは嘘をつかないからね」
「なんだその自信は」
自分たちが未成年であると気付かれなかったことに安堵した俺は旅行に来た様な感覚で部屋に入る。
無事チェックインを済ませ気を抜いていた俺は驚愕した。ビジネスホテルの部屋の狭さに。
ダブルベットがようやく1つ入るほどの狭さで、ベットが置いてあるスペース以外は人1人が歩ける程度の広さしかない。
こうなると俺たちが過ごすスペースはベッドの上に限られてしまう。
楓は部屋に入るなり、スーツケースを部屋の奥に置き、ベットにゴロンと寝転がった。
「はぁーーーー疲れた」
楓はベッドで大の字になっている。東京に向かう途中も学校を辞めなければならない事を気にしていたのだろう。疲れるのも無理はない。
そんな楓を見た俺はわざとらしく楓の横に勢いよく寝転がった。
「ちょっと、ベッドが揺れるじゃない」
「良いだろ。俺も疲れたんだ」
「……そう……だよね。ごめんね。私、お風呂入ってくる」
「あ、楓……」
楓は解釈を誤ったようで、そのまま風呂へと逃げる様に入っていった。
そうか、東京まで着いて来たのは良いが逆に気を使わせてしまっているんだな……。
楓のために、明日はなにがなんでもマネージャーを説得してみせる。
俺以外誰もいない部屋の中は静まりかえり、風呂場から聞こえてくるシャワーの音が妙に艶かしい。
だ、駄目だろやっぱ。付き合ってもいない高校生の男女が同じ部屋でお泊まりなんて。
すぐそこには産まれたままの姿の楓が……
「祐、ちょっと良い?」
「な、なんでしょうか‼︎」
風呂場から聞こえた楓の声に思わず声が裏返り恥ずかしさで汗が滲む。
「バスタオルとってくれない? 多分洗面所に置いてあるから」
「さ、流石にやばいだろそれは‼︎ 何言ってんだ‼︎」
「別に大丈夫。洗面所、びちょびちょにしたくないしさ」
「ったくもう……」
目のやり場に困りながらユニットバスのカーテンの隙間から伸びた手にタオルを渡す。
任務を完了した俺は足早に風呂場を後にした。
その後も俺は風呂場から聞こえる音に落ち着くことが出来ず、ベッドの上に正座をして大音量でテレビを見ていた。
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