Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第65話 疑い
祐奈から気になる事があるとラインが送られてきたが、花宮のことだろうか。
花宮は祐奈の友達で祐奈が何か気になっているとしても不思議じゃない。
俺と祐奈は楓と風磨が寝ているのを確認し、同じタイミングで布団から抜け出し部屋の外に出た。
ホテルの中で話していると先生に見つかる危険性があると考え、ホテルの裏側にある出口から外に出た。
ホテルの外に出てしまえば先生の管轄外だろう。
「先生に見つかるかもしれないのにわざわざ外に呼び出してしまってごめんなさい」
「気にしてないよ。それより祐奈が気になっていることの方がよっぽど気になる」
「そのことを考えてたら中々眠れなくて……」
考えると眠れなくなるほどなのか。そこまで花宮のことを心配しているとは、その心の優しさに惹かれて余計に好きになりそうそう。
「それでその気になってることってのは?」
「私、今日お風呂に入っている時に誰かにお尻を触られたんです」
……あ、その話ですか。てっきり花宮のことかと思っていた。というか、それ俺だ。
「お尻を触られた時は女湯に一緒に入っていた女の子の誰かがお風呂の中で私のお尻を触ったと思い込んでたんですけど、露天風呂の浴槽に穴が空いてて男湯と女湯が繋がっていたみたいで」
「じゃあ男子にお尻を触られたってことか?」
「そうなんです……。それがショックというか、なんとも言えない気分で」
今まで男に体を触られた経験など全くないであろう祐奈が男にお尻を触られたとなれば動揺するのも無理はない。
その犯人は自分であると分かっているのに、祐奈の話に対して白々しく返答をする自分に嫌気が差す。
かと言って、俺が触ったという事実を伝えればもう友達ではいられないだろう。
それはあまりにも悲しいが祐奈が誰か見知らぬ男に触られたと悲しむくらいなら、俺が触ったと伝えた方が良いのだろうか。
「祐くんは心当たりないですか?」
お、おお。まさかそこまで直球で聞いてくるとは思わなかった。
別に俺を疑っているわけではなく、誰か男湯で怪しい行動を行為をしていた奴がいなかったか訪ねてきたのだろうが。
嘘をつくのは良くない。一度嘘をついてしまえば歯止めが効かなくなり、嘘に嘘を塗り重ねてしまう。
それが嘘だとばれた時、築き上げてきた人間関係というのはいとも簡単に崩れ去ってしまう。
誰かを幸せにする為に必要な嘘もあるのだろうが、今回の件に関しては嘘なんて微塵も必要ではない。
「……ごめん。その犯人、俺なんだ」
「え⁉︎」
「風磨と露天風呂に入ってた時、お風呂の浴槽に穴が空いてるのに気がついてさ。その穴はお湯で隠れてたし穴が空いてたことに気づいたのは俺だけなんだけど、興味本位で手を突っ込んだらまさか女湯に繋がってるとは思わなくてさ……」
よし、俺は全てを正直に話した。
祐奈は俺がお尻を触った犯人だと知ったら俺と友達のままでいてくれないだろう。
でも、嘘だけはつきたくないんだ。
「……そうだったんですね」
声のトーンを下げて話す祐奈に怯んだ俺は口が開かなくなった。
これだけ仲良くなった祐奈との関係が、たった一つの出来事で崩れ落ちるなんて。
祐奈は俺のほうに近づいてきた。
俺と祐奈の距離はあと50センチ程度だろうか。
顔が近い。最後に喋る祐奈の整った綺麗な顔をじっくり目に焼き付けておこう。これほどまでに祐奈の顔をじっくり見ることができるのはこれが最後になるのだから。
祐奈は右手を大きく振りかぶった。今から俺は頬を思い切り引っ叩かれてこの関係は終了だ。
諦めがついた俺は目を閉じ歯を食いしばる。
相当な痛みを覚悟していたが、次に俺の頬に触れた祐奈の手は優しく、ゆっくりと俺の頬をなでた。
「正直に言ってくれてありがとうございます」
「え?」
「そんなことを正直に言える人、中々いませんよ。それに、お尻を触られたのが祐くんで少し安心しました。他意は全く無いでしょうしね」
「……許してくれる……のか?」
「もちろんです。でも次触ったらその時は絶交ですからね」
何度この笑顔に救われただろうか。
俺はこの子を一生守りたいと思った。彼女でもないけど。
花宮は祐奈の友達で祐奈が何か気になっているとしても不思議じゃない。
俺と祐奈は楓と風磨が寝ているのを確認し、同じタイミングで布団から抜け出し部屋の外に出た。
ホテルの中で話していると先生に見つかる危険性があると考え、ホテルの裏側にある出口から外に出た。
ホテルの外に出てしまえば先生の管轄外だろう。
「先生に見つかるかもしれないのにわざわざ外に呼び出してしまってごめんなさい」
「気にしてないよ。それより祐奈が気になっていることの方がよっぽど気になる」
「そのことを考えてたら中々眠れなくて……」
考えると眠れなくなるほどなのか。そこまで花宮のことを心配しているとは、その心の優しさに惹かれて余計に好きになりそうそう。
「それでその気になってることってのは?」
「私、今日お風呂に入っている時に誰かにお尻を触られたんです」
……あ、その話ですか。てっきり花宮のことかと思っていた。というか、それ俺だ。
「お尻を触られた時は女湯に一緒に入っていた女の子の誰かがお風呂の中で私のお尻を触ったと思い込んでたんですけど、露天風呂の浴槽に穴が空いてて男湯と女湯が繋がっていたみたいで」
「じゃあ男子にお尻を触られたってことか?」
「そうなんです……。それがショックというか、なんとも言えない気分で」
今まで男に体を触られた経験など全くないであろう祐奈が男にお尻を触られたとなれば動揺するのも無理はない。
その犯人は自分であると分かっているのに、祐奈の話に対して白々しく返答をする自分に嫌気が差す。
かと言って、俺が触ったという事実を伝えればもう友達ではいられないだろう。
それはあまりにも悲しいが祐奈が誰か見知らぬ男に触られたと悲しむくらいなら、俺が触ったと伝えた方が良いのだろうか。
「祐くんは心当たりないですか?」
お、おお。まさかそこまで直球で聞いてくるとは思わなかった。
別に俺を疑っているわけではなく、誰か男湯で怪しい行動を行為をしていた奴がいなかったか訪ねてきたのだろうが。
嘘をつくのは良くない。一度嘘をついてしまえば歯止めが効かなくなり、嘘に嘘を塗り重ねてしまう。
それが嘘だとばれた時、築き上げてきた人間関係というのはいとも簡単に崩れ去ってしまう。
誰かを幸せにする為に必要な嘘もあるのだろうが、今回の件に関しては嘘なんて微塵も必要ではない。
「……ごめん。その犯人、俺なんだ」
「え⁉︎」
「風磨と露天風呂に入ってた時、お風呂の浴槽に穴が空いてるのに気がついてさ。その穴はお湯で隠れてたし穴が空いてたことに気づいたのは俺だけなんだけど、興味本位で手を突っ込んだらまさか女湯に繋がってるとは思わなくてさ……」
よし、俺は全てを正直に話した。
祐奈は俺がお尻を触った犯人だと知ったら俺と友達のままでいてくれないだろう。
でも、嘘だけはつきたくないんだ。
「……そうだったんですね」
声のトーンを下げて話す祐奈に怯んだ俺は口が開かなくなった。
これだけ仲良くなった祐奈との関係が、たった一つの出来事で崩れ落ちるなんて。
祐奈は俺のほうに近づいてきた。
俺と祐奈の距離はあと50センチ程度だろうか。
顔が近い。最後に喋る祐奈の整った綺麗な顔をじっくり目に焼き付けておこう。これほどまでに祐奈の顔をじっくり見ることができるのはこれが最後になるのだから。
祐奈は右手を大きく振りかぶった。今から俺は頬を思い切り引っ叩かれてこの関係は終了だ。
諦めがついた俺は目を閉じ歯を食いしばる。
相当な痛みを覚悟していたが、次に俺の頬に触れた祐奈の手は優しく、ゆっくりと俺の頬をなでた。
「正直に言ってくれてありがとうございます」
「え?」
「そんなことを正直に言える人、中々いませんよ。それに、お尻を触られたのが祐くんで少し安心しました。他意は全く無いでしょうしね」
「……許してくれる……のか?」
「もちろんです。でも次触ったらその時は絶交ですからね」
何度この笑顔に救われただろうか。
俺はこの子を一生守りたいと思った。彼女でもないけど。
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