Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第52話 身代わり
俺と祐奈は京都に向かうバスの中で隣の席に座り、Bluetoothイヤホンをお互いのスマホに繋ぎ曲を聴いていた。
周りの生徒から見れば、俺も祐奈も自分のスマホにBluetoothイヤホンを接続して曲を聴いているようにしか見えないだろう。
祐奈がオタクだと言う事実はもうすでに陽キャグループとの一件で周知の事実となってしまったが、俺と祐奈が登下校中にBluetoothイヤホンをお互いのスマホに接続していることは誰も知らない。
Bluetoothイヤホンを繋いでいることが誰かに気づかれるかもしれないと言う緊張感と、みんなが周りにいる中で祐奈と繋がっているという幸福感が堪らない。
祐奈は俺の横でゆいにゃんの曲を聴きながら目を瞑っている。
眠っているのだろうか? 今祐奈に話しかけたところで祐奈はBluetoothイヤホンで耳が塞がれているため俺の声は聞こえない。
じゃあ肩か足、腕を触ってこちらに気付いてもらうか?
いや、でも体を触るとセクハラと言われても反論できなくなる。それは厳しい。
しかし、折角長時間祐奈の隣に座っていると言うのに、曲を聞くだけでコミュニケーションを取れないのは些か寂しいものがある。
俺は意を決して祐奈の名前を呼びながら肩を2度叩いた。
「祐奈」
……。肩をポンポンと叩いたのに祐奈からの応答がない。本当に寝ているのか?
もう一度、先ほどより強く祐奈の肩を叩く。
「祐奈」
「やめてください」
や、やめてください⁉︎ ダメなのか、やっぱりダメなのか男子が女子の体を触ったら。
あーもうだめ死にたい。
落ち込んだ俺は俯き、肩を落とす。
「あ、違うんです‼︎ 祐くんに触られたことが嫌だったとか、そう言うわけではないんですけど」
「……そうなのか? 何か他に嫌なことがあったか?」
「いや、あの……」
「ん?」
「実は……」
「はい?」
「お手洗いに行きたくて……」
……お手洗い⁉︎ 要するに祐奈はトイレを我慢していたってことか? それが原因で黙り込んでいたのか。
しかし、今バスは高速道路を爆走している。トイレをする場所があるとしたらパーキングエリアがサービスエリアくらいだが、次のサービスエリアでの休憩は1時間後。それでは祐奈のダムは決壊を起こしてしまうかもしれない。
俺もお腹は弱い方だからわかる。我慢する辛さは。
それが大なのか、小なのかは聞かないでおこう。
「結構やばいか?」
「そうですね……。かれこれ30分くらいは我慢しているのでかなりやばいです」
祐奈の話し方からも切羽詰った状況が伝わってくる。次のサービスエリアまで後1時間を耐えられそうにはなかった。
それならこうするしかないよな。
「先生すいません‼︎ お腹が痛くてトイレに行きたいので次のパーキングエリアに寄ってもらって良いですか?」
そういった瞬間、みんなの視線は一斉に俺へと集まった。
「しょうがねぇな〜。運転手さん、次のパーキングエリアに寄ってください」
よし、これでバスがパーキングエリアに停車する。そうなれば祐奈のダムの決壊は免れる。
「他のみんなもトイレには行っとけよ。バスが一台止まると他のクラスのバスも止まる事になるからな〜」
先生の発言でさらに祐奈が自然にトイレへと行けるようになった。
「祐くん、ありがとうございます……」
「あートイレ行きたいわ」
祐奈のお礼に対して放った冗談に、クスッと笑う余裕が出てきた祐奈は他の生徒に混じってトイレへと向かっていった。
周りの生徒から見れば、俺も祐奈も自分のスマホにBluetoothイヤホンを接続して曲を聴いているようにしか見えないだろう。
祐奈がオタクだと言う事実はもうすでに陽キャグループとの一件で周知の事実となってしまったが、俺と祐奈が登下校中にBluetoothイヤホンをお互いのスマホに接続していることは誰も知らない。
Bluetoothイヤホンを繋いでいることが誰かに気づかれるかもしれないと言う緊張感と、みんなが周りにいる中で祐奈と繋がっているという幸福感が堪らない。
祐奈は俺の横でゆいにゃんの曲を聴きながら目を瞑っている。
眠っているのだろうか? 今祐奈に話しかけたところで祐奈はBluetoothイヤホンで耳が塞がれているため俺の声は聞こえない。
じゃあ肩か足、腕を触ってこちらに気付いてもらうか?
いや、でも体を触るとセクハラと言われても反論できなくなる。それは厳しい。
しかし、折角長時間祐奈の隣に座っていると言うのに、曲を聞くだけでコミュニケーションを取れないのは些か寂しいものがある。
俺は意を決して祐奈の名前を呼びながら肩を2度叩いた。
「祐奈」
……。肩をポンポンと叩いたのに祐奈からの応答がない。本当に寝ているのか?
もう一度、先ほどより強く祐奈の肩を叩く。
「祐奈」
「やめてください」
や、やめてください⁉︎ ダメなのか、やっぱりダメなのか男子が女子の体を触ったら。
あーもうだめ死にたい。
落ち込んだ俺は俯き、肩を落とす。
「あ、違うんです‼︎ 祐くんに触られたことが嫌だったとか、そう言うわけではないんですけど」
「……そうなのか? 何か他に嫌なことがあったか?」
「いや、あの……」
「ん?」
「実は……」
「はい?」
「お手洗いに行きたくて……」
……お手洗い⁉︎ 要するに祐奈はトイレを我慢していたってことか? それが原因で黙り込んでいたのか。
しかし、今バスは高速道路を爆走している。トイレをする場所があるとしたらパーキングエリアがサービスエリアくらいだが、次のサービスエリアでの休憩は1時間後。それでは祐奈のダムは決壊を起こしてしまうかもしれない。
俺もお腹は弱い方だからわかる。我慢する辛さは。
それが大なのか、小なのかは聞かないでおこう。
「結構やばいか?」
「そうですね……。かれこれ30分くらいは我慢しているのでかなりやばいです」
祐奈の話し方からも切羽詰った状況が伝わってくる。次のサービスエリアまで後1時間を耐えられそうにはなかった。
それならこうするしかないよな。
「先生すいません‼︎ お腹が痛くてトイレに行きたいので次のパーキングエリアに寄ってもらって良いですか?」
そういった瞬間、みんなの視線は一斉に俺へと集まった。
「しょうがねぇな〜。運転手さん、次のパーキングエリアに寄ってください」
よし、これでバスがパーキングエリアに停車する。そうなれば祐奈のダムの決壊は免れる。
「他のみんなもトイレには行っとけよ。バスが一台止まると他のクラスのバスも止まる事になるからな〜」
先生の発言でさらに祐奈が自然にトイレへと行けるようになった。
「祐くん、ありがとうございます……」
「あートイレ行きたいわ」
祐奈のお礼に対して放った冗談に、クスッと笑う余裕が出てきた祐奈は他の生徒に混じってトイレへと向かっていった。
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