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Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。

穂村大樹

第51話 横に美少女後ろに美少女

朝早くに起床し修学旅行の準備を手伝ってくれた神妹モカに別れを告げ、玄関の扉を勢いよく開け家を飛び出した。

出発時間に間に合う最終の電車に駆け込み乗車し、ギリギリで学校に到着した。

学校に到着してから改めて祐奈と隣同士で座れると考えると緊張で手汗が止まらない。
緊張はしているものの、嬉しい気持ちもあった。

準備に時間がかかったため、学校に到着したのは全生徒の中でも最後の方だった。集合場所に集まった生徒の輪に入りづらい。
すでに同じ班の3人は学校に到着しておりバスに乗り込む。

「おはようございます‼︎ 祐くん、今日はお願いしますね」

そう言って子犬のように俺の懐に潜り込み輝かしい笑顔を見せる祐奈に思わず顔を紅潮させる。

そんな俺のことは気にせず風磨が話に割り込んで来る。

「え、何お前祐奈ちゃんの横に座るの?」
「え、そうだけど何か?」
「そうだけど何か? じゃねぇよ‼︎」

風磨は俺と横に並んで座ると思っていたらしく、口を開けて驚いている。

「お前裏切ったな‼︎ 俺だって祐奈ちゃんの隣に座りたいのに」
「ごめんなさい風磨くん。実は昨日祐くんの隣を予約してて……」
「あ、全然オッケー! 問題無い無い。俺は楓と座ってるからさ。楽しんで!」

こいつ、本当に可愛い女の子には弱いな。俺にはキツく当たったくせに祐奈に謝られたら手のひら返しやがって。
風磨は楓と隣同士で座っててくれ。風磨は知らないけど楓は声優の日菜なんだからな。それを風磨が知ったらさぞ驚くことだろう。
祐奈も美少女だが、楓も本当は超絶美少女なんだ。だから今は我慢してくれ。気まずく無ければ本当は俺だって楓の横に座って声優のことについてもっと話を聞きたい。
今は楓と話すのが気まずいからな。任せたぞ。

これで落ち着いて祐奈と2人でバスの時間を楽しめる。そう思い席に座ったのもつかの間、俺と祐奈が座った後ろの席からとてつもない視線を感じた。

俺たちの後ろに座っているのは同じ班の楓と風磨だ。

この憎しみが込められたような視線、風磨ではない。恐らく楓の視線だ。

「どうした? 楓なんか不機嫌じゃないか?」
「不機嫌じゃない」
「そ、そうか。それならいいんだけどさ」

だめだ、あれ、明らかに機嫌悪いやつだ。不機嫌じゃないって言ってるけど。

「お前さ、本当そうゆうとこだと思うぞ」
「な、なんの話だよ」

なんで急に楓の機嫌が悪くなったんだ? 俺は何もしてないはず。風磨はその理由に気付いているようだったが、俺は理由を考えても全く思い浮かばなかった。

まあ不機嫌じゃないと言っているわけだし、とりあえずは放っておこう。

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