話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。

穂村大樹

第34話 初めてのサボり

「明日学校来れるか? 無理しなくてもいいと思うぞ」
「そうですね……。教室を飛び出してしまった手前、次の日に登校するのも恥ずかしいので休もうかなと思います。ズル休みにはなっちゃいますけど」

楠木はズル休みだと言うが、決してズル休みなどでは無い。
楠木はアニメオタクがバレたことで心身ともに疲労しているだろう。無理に明日登校することはない。一度休んで新たな気持ちで学校に来て欲しい。

「今日は私のために学校をサボってもらって申し訳ないです」
「オタク友達がオタクであることを気持ち悪いって言われたんじゃ放っておくわけにもいかないだろ?」
「本当にありがとうございます。もしよかったら今からうちに来ませんか? 両親は今仕事の時間なので家にはいないはずなので安心してください」

楠木の家に⁉︎ しかも両親はいないって⁉︎

いや、神様まだ準心の備が整ってませんよ。

この前楓の家に行ったばかりだというのに今度は楠木の家にお邪魔させてもらえるのか。
心の準備は出来ていないが、テスト期間でもないこの時期に学生が制服を着てこの辺りをうろうろしていると補導されかなない。

緊張はするが楓の家を経験している俺ならいける。楠木の部屋、入りたい。

「じゃあそうさせてもらおうかな」
「はい‼︎ ―是非来てください」

それから俺たちはヤイゼリヤを後にし楠木の自宅に向かった。

楠木の家に到着すると、楓の家に行った時と同じく先に部屋に行っておいてくれと言われた俺は2階の楠木の部屋に向かう。

楠木の部屋の扉を開けると、意外にシンプルな部屋が現れた。楓のように女の子らしい部屋なのかと思っていただけに驚いた。

変わった点といえば楓の部屋と同じくアニメキャラクターのフィギアや小説など多く揃えられていること。

学校ではアニメオタクであることを隠している分、自宅では自分の時間を楽しんでいるのだろう。

しばらくすると楠木がお茶とお菓子を持って2階に上がってきた。

部屋に入ってきた楠木の姿を見て俺は唖然とする。
楠木は制服から部屋着へと着替えていたのだ。
部屋着というよりはパジャマという表現が正しいだろうか。

上半身にはボタンで留めるタイプの薄手のシャツに下半身には膝より上の短さのズボンを履いている。

薄いピンク色のそのパジャマは薄手ということもあり体のラインもはっきりと出ていた。

「人の前でこんなだらしない格好するのは恥ずかしいんですけど、渋谷くんならもういいかなと思って。この格好が一番楽なんですよね」
「そ、そうか。まあ俺も自分の部屋ではパンイチだったりするしな。その服装なら全然まともな方じゃないか」
「ぱ、パンイチですか……」

焦って口が滑りパンイチとか行ってしまったがそれは気にしないでおこう。

パジャマ姿の楠木には驚いたが、パジャマ姿を俺には見せてもいいという発言を聞き気恥ずかしくなる。

それから俺たちは楠木が所持していたゆいにゃんが声優として出演しているアニメのDVDを視聴し、お互い熱く語り合った。

しかし、アニメを見ている間に最も気になったのは楠木の服装だ。

楠木はアニメを見ている最中、あぐらをかいていた。そのせいで楠木の横にいる俺からは膝上の短パンより奥の際どい部分が見え隠れしており、思わず目をそらした。

アニメを食い入るように見つめ、体が固まっていた楠木は時々か左手で右手の肘を持ち上に上げ体を伸ばす。

その瞬間に見える純白の脇にも興奮してしまっている。

「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「本当ですか?顔が赤いですよ。熱でもあるのではないですか?」
「いや、本当に大丈夫」
「大丈夫じゃありません」

そういうと楠木は四つん這いになって俺に詰め寄ってくる。

楠木の着ているシャツが重力で下に落ち胸元がよく見える。や、やばい。余計に暑くなってきた。

俺は少し後ずさりしながらも、楠木は手を俺の額に押し当てた。

「な、なにやって……」

びっくりした俺は反射的に後ろに下がろうとする。

「急に動かないでください‼︎ 危ないじゃないですか……」

楠木の手が触れないよう抵抗してるうちに俺たちはもみくちゃになり、いつの間にか楠木が地面に仰向けで寝転がり、俺がその上に四つん這いで乗っている形になった。

学校1の美少女の顔が目の前にある。

呼吸が早くなるのが分かったが、楠木の顔に息がかからないよう必死に息を止めた。

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く