Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第33話 きっと
学校を飛び出してきた私は開店したばかりでまだお客さんの少ないヤイゼリヤにいる。
いつもは渋谷くんと楽しくアニメの話をするこの場所も、外から差し込む日差しが分厚い雲に覆われ遮られているせいか薄暗く見えた。
分厚い雲は日差しを遮るだけでなく私の心にも影を作っている。
学校1の美少女と呼ばれている私、楠木祐奈がアニメオタクだとバレてしまった以上もう一度登校することは難しいかもしれない。
気持ち悪いと罵られるくらいなら中学のときと同じように不登校気味になってしまった方が楽だろう。
そもそも学校1の美少女という呼び方は迷惑だ。自分では自分のことを可愛いだなんて思ったことは1度もない。
性格ブスでアニメオタクで良いところなんて何もない。
私はそんな自分を隠し、嘘の自分を演じて陽キャグループの中にいた。嘘をついていた報いを受けたということなのだろう。
アニメオタクであることを隠し自分を偽っていた私には、アニメオタクであることを隠さず無邪気な笑顔でアニメの話している渋谷くんが輝いて見えた。
高校2年生の文化祭、私はクラスの出し物であるクレープ屋のスタッフをしていた。
スタッフの業務が一段落した私は時間が空いたため校内をうろうろしていた。
そのとき、渋谷くんと鈴木くんが誰もいない教室で2人でアニメの話をしているところを見かけた。
クラスの出し物なんてそっちのけでアニメの話をしている2人を見て、心の底から羨ましいと思った。
それと同時に私もあの人たちと仲良くなりたいと思った。
それからというもの、渋谷くんと鈴木くん、古村さんの3人が楽しそうにアニメの話をしているところを見かけるたびに胸が痛んだ。
私も本当はアニメが大好きなのにと。
仲間に入れて欲しいと思うこともあるけど、あの3人の中に割って入ることは難しそう。
3人の大切な時間を私が入ることで邪魔するわけにもいかない。
私の居場所は沖田くんや榎田くん、咲良、委員長がいる今の場所しかない。
それなのに、私がアニメオタクであることみんなに知られてしまった。
こうなってしまっては私の居場所はもうどこにも存在しない。
教室を飛び出してヤイゼリヤにまで来たけど、明日から私の居場所は自宅の自分の部屋になるだろう。
前向きに考えようと思えばいくらでも前向きになれる。
不登校になれば気になっていたアニメは一気に見られるし小説も読み放題。
でもそれは、1人になるということ。そうならないために今日まで頑張ってきたのに……。
涙が目に溜まり溢れ落ちそうになる。
その瞬間、後ろから肩をポンッと叩かれて思わず跳び上がる。
まさか渋谷くん?
いや、そんなわけない。渋谷くんが私を追いかけてくるメリットなんて何もない。
というか、何故私は肩をポンとされ真っ先に渋谷くんだと思ったのだろうか。
ここが私と渋谷くんしか知らない場所だから?
渋谷くんとアニメを通じて仲良くなったから?
いや、私は多分渋谷くんにこの場にいて欲しいんだ。
落ち込んだこの気持ちを渋谷くんに慰めて欲しい、元気にして欲しい。
そう思っているのだ。
恐る恐る後ろを振り向く。そこには私が今一番会いたかった渋谷くんがいた。
あぁ。もしかしたら初めて渋谷くんがアニメの話をしている姿を見かけた高校2年の文化祭の時からこうなることは決まっていたのかもしれない。
きっと私は……。
いつもは渋谷くんと楽しくアニメの話をするこの場所も、外から差し込む日差しが分厚い雲に覆われ遮られているせいか薄暗く見えた。
分厚い雲は日差しを遮るだけでなく私の心にも影を作っている。
学校1の美少女と呼ばれている私、楠木祐奈がアニメオタクだとバレてしまった以上もう一度登校することは難しいかもしれない。
気持ち悪いと罵られるくらいなら中学のときと同じように不登校気味になってしまった方が楽だろう。
そもそも学校1の美少女という呼び方は迷惑だ。自分では自分のことを可愛いだなんて思ったことは1度もない。
性格ブスでアニメオタクで良いところなんて何もない。
私はそんな自分を隠し、嘘の自分を演じて陽キャグループの中にいた。嘘をついていた報いを受けたということなのだろう。
アニメオタクであることを隠し自分を偽っていた私には、アニメオタクであることを隠さず無邪気な笑顔でアニメの話している渋谷くんが輝いて見えた。
高校2年生の文化祭、私はクラスの出し物であるクレープ屋のスタッフをしていた。
スタッフの業務が一段落した私は時間が空いたため校内をうろうろしていた。
そのとき、渋谷くんと鈴木くんが誰もいない教室で2人でアニメの話をしているところを見かけた。
クラスの出し物なんてそっちのけでアニメの話をしている2人を見て、心の底から羨ましいと思った。
それと同時に私もあの人たちと仲良くなりたいと思った。
それからというもの、渋谷くんと鈴木くん、古村さんの3人が楽しそうにアニメの話をしているところを見かけるたびに胸が痛んだ。
私も本当はアニメが大好きなのにと。
仲間に入れて欲しいと思うこともあるけど、あの3人の中に割って入ることは難しそう。
3人の大切な時間を私が入ることで邪魔するわけにもいかない。
私の居場所は沖田くんや榎田くん、咲良、委員長がいる今の場所しかない。
それなのに、私がアニメオタクであることみんなに知られてしまった。
こうなってしまっては私の居場所はもうどこにも存在しない。
教室を飛び出してヤイゼリヤにまで来たけど、明日から私の居場所は自宅の自分の部屋になるだろう。
前向きに考えようと思えばいくらでも前向きになれる。
不登校になれば気になっていたアニメは一気に見られるし小説も読み放題。
でもそれは、1人になるということ。そうならないために今日まで頑張ってきたのに……。
涙が目に溜まり溢れ落ちそうになる。
その瞬間、後ろから肩をポンッと叩かれて思わず跳び上がる。
まさか渋谷くん?
いや、そんなわけない。渋谷くんが私を追いかけてくるメリットなんて何もない。
というか、何故私は肩をポンとされ真っ先に渋谷くんだと思ったのだろうか。
ここが私と渋谷くんしか知らない場所だから?
渋谷くんとアニメを通じて仲良くなったから?
いや、私は多分渋谷くんにこの場にいて欲しいんだ。
落ち込んだこの気持ちを渋谷くんに慰めて欲しい、元気にして欲しい。
そう思っているのだ。
恐る恐る後ろを振り向く。そこには私が今一番会いたかった渋谷くんがいた。
あぁ。もしかしたら初めて渋谷くんがアニメの話をしている姿を見かけた高校2年の文化祭の時からこうなることは決まっていたのかもしれない。
きっと私は……。
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