Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第31話 思わぬ事故
昨日陽キャグループにアニメ好きであることを馬鹿にされ一触即発となったが、楠木の助け船によってそれは免れた。
もし楠木が助け船を出してくれなかったら俺たちはあのまま陽キャグループと口論になっていただろう。
楠木がアニメ好きを否定してはいけないと言っていなければ、沖田も榎田に便乗してアニメ好きを否定してはずだ。
自分のオタク好きがばれる危険を犯してまで擁護をしてくれた楠木には感謝しかない。
そして今日も俺は楠木とイヤホンを接続して登校している。
今日は昨日のような問題が何も起きなければいいが……。陽キャグループとは極力関わらないようにしよう。
学校の最寄駅に到着し、神田高校の生徒が電車を降りる波に乗って電車を出た。
いつもなら電車を降りるのと同時に楠木が曲を止める。俺はそれを合図にBluetoothの接続を切るが、今日は何故か電車を降りても曲が止まらない。
楠木が曲を切らないということは、今日は教室まで曲を聴きたい気分なのだろう。
楠木の気持ちを汲み取った俺はBluetoothの接続を切らずに教室に向かった。
駅から学校までの道のりを楠木とBluetoothを繋げて歩くのは初めてのことだ。
憂鬱な気持ちで学校まで歩いていく毎日とは違い、教室に着くまでずっと浮ついた気持ちでいられた。
しかし、浮ついた気持ちでいた俺は気が抜けてとんでもないミスを犯す。
同じ電車にのっていた俺と楠木が教室に到着するタイミングはほぼ同時。
そもそも、あまり距離が離れてしまうとBluetoothの接続が切れてしまう。
ある程度の距離をお互いが意識しながら歩いていた。
そして教室に到着した俺は無意識にBluetoothの電源を切ってしまった。
その瞬間、日菜の曲が大音量で教室中に鳴り響いた。
驚きで体が硬直する。
俺の携帯から日菜の曲が流れるのならまだよかった。ああ、あいつかと流されるだけだ。
しかし、日菜の曲は楠木の携帯から流れたのだ。
日菜の曲が流れた瞬間、クラス中の視線は音の発生源である楠木に向けられる。
アニソンや声優の曲というのは、その曲がアニソンだと知らない人でも曲調でアニソンだと分かるものが多い。
クラスメイトは一瞬で楠木の携帯から鳴っている音がアニソンだと気付いたようで、冷たい視線が楠木に送られた。
楠木は急いで音量を下げるが、その行動も後の祭り。
冷たい視線が楠木に送られ続ける。
そして榎田がとどめの一言を楠木に向かって言い放った。
「え、それアニソン? 祐奈ってアニメ好きだったの? 気持ちわりぃ」
その一言を聞いて楠木は走って教室を後にした。
俺の横にいた風磨はそれを見て飛び出しそうになる。
「あいつっ」
俺はそんな風磨を制して思わず飛び出した。
「な、なんだよ。なんか文句あんのか」
榎田はすこし気圧された様子で後ろに下がる。
榎田を一発殴ってやりたいところだが今はそれどころではない。
急いで楠木を追いかけなければ。
楠木の姿は廊下にはなく、どこに走っていったか分からずあてもなく走り回って探すしかなかった。
もし楠木が助け船を出してくれなかったら俺たちはあのまま陽キャグループと口論になっていただろう。
楠木がアニメ好きを否定してはいけないと言っていなければ、沖田も榎田に便乗してアニメ好きを否定してはずだ。
自分のオタク好きがばれる危険を犯してまで擁護をしてくれた楠木には感謝しかない。
そして今日も俺は楠木とイヤホンを接続して登校している。
今日は昨日のような問題が何も起きなければいいが……。陽キャグループとは極力関わらないようにしよう。
学校の最寄駅に到着し、神田高校の生徒が電車を降りる波に乗って電車を出た。
いつもなら電車を降りるのと同時に楠木が曲を止める。俺はそれを合図にBluetoothの接続を切るが、今日は何故か電車を降りても曲が止まらない。
楠木が曲を切らないということは、今日は教室まで曲を聴きたい気分なのだろう。
楠木の気持ちを汲み取った俺はBluetoothの接続を切らずに教室に向かった。
駅から学校までの道のりを楠木とBluetoothを繋げて歩くのは初めてのことだ。
憂鬱な気持ちで学校まで歩いていく毎日とは違い、教室に着くまでずっと浮ついた気持ちでいられた。
しかし、浮ついた気持ちでいた俺は気が抜けてとんでもないミスを犯す。
同じ電車にのっていた俺と楠木が教室に到着するタイミングはほぼ同時。
そもそも、あまり距離が離れてしまうとBluetoothの接続が切れてしまう。
ある程度の距離をお互いが意識しながら歩いていた。
そして教室に到着した俺は無意識にBluetoothの電源を切ってしまった。
その瞬間、日菜の曲が大音量で教室中に鳴り響いた。
驚きで体が硬直する。
俺の携帯から日菜の曲が流れるのならまだよかった。ああ、あいつかと流されるだけだ。
しかし、日菜の曲は楠木の携帯から流れたのだ。
日菜の曲が流れた瞬間、クラス中の視線は音の発生源である楠木に向けられる。
アニソンや声優の曲というのは、その曲がアニソンだと知らない人でも曲調でアニソンだと分かるものが多い。
クラスメイトは一瞬で楠木の携帯から鳴っている音がアニソンだと気付いたようで、冷たい視線が楠木に送られた。
楠木は急いで音量を下げるが、その行動も後の祭り。
冷たい視線が楠木に送られ続ける。
そして榎田がとどめの一言を楠木に向かって言い放った。
「え、それアニソン? 祐奈ってアニメ好きだったの? 気持ちわりぃ」
その一言を聞いて楠木は走って教室を後にした。
俺の横にいた風磨はそれを見て飛び出しそうになる。
「あいつっ」
俺はそんな風磨を制して思わず飛び出した。
「な、なんだよ。なんか文句あんのか」
榎田はすこし気圧された様子で後ろに下がる。
榎田を一発殴ってやりたいところだが今はそれどころではない。
急いで楠木を追いかけなければ。
楠木の姿は廊下にはなく、どこに走っていったか分からずあてもなく走り回って探すしかなかった。
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