Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第27話 声優が同級生
俺の方を振り返った楓の姿は、誰がどう見ても大人気声優の日菜の姿たった。
ゴシゴシと目を右手で擦ってからもう一度楓の姿を見るが、その姿は日菜の姿から変わらない。
「やっぱり日菜そのものだ」
「だから何回も言ってるじゃない」
日菜は持ち前の明るい性格と元気、太陽のような笑顔が印象的な声優だ。
それに比べて楓は学校でも静かで、人と関わることを多くは望まない内気な女の子。似ても似つかない。
日菜の姿のまま、いつも通りの楓のテンションで話されると違和感しかない。
それでも時間が経つに連れ、信じられないような事実に疑いを持っていた俺は少しずつ落ち着きを取り戻し、楓が日菜であるという事実を受け入れ始めていた。
「そうか。楓が病弱で学校を休みがちなのも日菜として声優の仕事をしてるからなのか」
「そうそう。学校には嘘ついてるけど別に病弱でも何でもないよ。先生に声優の仕事してるから学校休みますなんて言ったら騒ぎになりそうだし」
楓の言ってる事はごもっともだ。学校には俺たち以外のオタクもたくさんいる。
先生に自分が声優だと話してしまったら、何処からその情報が漏れるか分からない。騒ぎにならないための対策という訳だ。
非オタの生徒には楓が日菜だと知られても、誰だそれはと言われるだけかもしれないが、オタクなら日菜の名前を知らないわけがない。
騒ぎになるのは避けられないだろう。
「もう一回聞くけどライブで元気がなかったのはなんでなんだ?」
「……ちょっと体調が悪かっただけ」
若干間が空いたのが気になるが、日菜本人がそう言うのだからそれが事実なのだろう。
「……なんで女の子なんか連れてきてるのよ」
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもない」
楓は小声で何かを喋ったが全く聞き取れなかった。楓は不機嫌そうにプイッと顔を横にむける。
「意外とあからさまには驚かないんだね」
「いや、驚いてる。 多分俺が動揺を隠すことに全力を尽くしてなかったら身体中が震えて腰が抜けてその場に立ってはいられないだろうな」
俺はいつも楓と接する態度で会話をしているが、日菜と会話をするとなったら敬語が出てくるだろうし、あれは楓だと言い聞かせている。日菜であって日菜ではない。楓なのだと。
「その割には驚いた様子がないけど」
「んーまぁ確かにそうかもな。何でだろうな。一番推してる声優の日菜が目の前にいて、会話なんかしてたらもっと驚くと思ったんだけどな」
「……がっかりした? 日菜の本当の姿は私みたいな地味な女の子だって知って」
楓は不安そうに質問して来たが、仲の良い同級生が大人気声優であると言う事実に喜ぶ事はあってもガッカリなどあり得ない。
楓は日菜が大好きな俺の夢を壊したのではないかと心配してくれたのだ。
「がっかりなんかしねぇよ。寧ろ嬉しすぎて飛び跳ねたいくらいだからな。多分俺がそこまで驚いてないのも妙な親近感を感じてたからだと思うんだよ。第六感が働いたのかもな」
日菜は安心して胸をなでおろしたようだ。
自分の正体を知ってしまったファンの気持ちを案ずるあたり、楓は本物の声優なのだと感じた。
「こんなところでずっと突っ立って喋ってるのもあれだし、家に来る?」
「それもそうだな……は?」
楓の家に行くのなら何も問題は無いが、日菜の家に行くとなると俺の心臓が持つかどうか心配だった。
ゴシゴシと目を右手で擦ってからもう一度楓の姿を見るが、その姿は日菜の姿から変わらない。
「やっぱり日菜そのものだ」
「だから何回も言ってるじゃない」
日菜は持ち前の明るい性格と元気、太陽のような笑顔が印象的な声優だ。
それに比べて楓は学校でも静かで、人と関わることを多くは望まない内気な女の子。似ても似つかない。
日菜の姿のまま、いつも通りの楓のテンションで話されると違和感しかない。
それでも時間が経つに連れ、信じられないような事実に疑いを持っていた俺は少しずつ落ち着きを取り戻し、楓が日菜であるという事実を受け入れ始めていた。
「そうか。楓が病弱で学校を休みがちなのも日菜として声優の仕事をしてるからなのか」
「そうそう。学校には嘘ついてるけど別に病弱でも何でもないよ。先生に声優の仕事してるから学校休みますなんて言ったら騒ぎになりそうだし」
楓の言ってる事はごもっともだ。学校には俺たち以外のオタクもたくさんいる。
先生に自分が声優だと話してしまったら、何処からその情報が漏れるか分からない。騒ぎにならないための対策という訳だ。
非オタの生徒には楓が日菜だと知られても、誰だそれはと言われるだけかもしれないが、オタクなら日菜の名前を知らないわけがない。
騒ぎになるのは避けられないだろう。
「もう一回聞くけどライブで元気がなかったのはなんでなんだ?」
「……ちょっと体調が悪かっただけ」
若干間が空いたのが気になるが、日菜本人がそう言うのだからそれが事実なのだろう。
「……なんで女の子なんか連れてきてるのよ」
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもない」
楓は小声で何かを喋ったが全く聞き取れなかった。楓は不機嫌そうにプイッと顔を横にむける。
「意外とあからさまには驚かないんだね」
「いや、驚いてる。 多分俺が動揺を隠すことに全力を尽くしてなかったら身体中が震えて腰が抜けてその場に立ってはいられないだろうな」
俺はいつも楓と接する態度で会話をしているが、日菜と会話をするとなったら敬語が出てくるだろうし、あれは楓だと言い聞かせている。日菜であって日菜ではない。楓なのだと。
「その割には驚いた様子がないけど」
「んーまぁ確かにそうかもな。何でだろうな。一番推してる声優の日菜が目の前にいて、会話なんかしてたらもっと驚くと思ったんだけどな」
「……がっかりした? 日菜の本当の姿は私みたいな地味な女の子だって知って」
楓は不安そうに質問して来たが、仲の良い同級生が大人気声優であると言う事実に喜ぶ事はあってもガッカリなどあり得ない。
楓は日菜が大好きな俺の夢を壊したのではないかと心配してくれたのだ。
「がっかりなんかしねぇよ。寧ろ嬉しすぎて飛び跳ねたいくらいだからな。多分俺がそこまで驚いてないのも妙な親近感を感じてたからだと思うんだよ。第六感が働いたのかもな」
日菜は安心して胸をなでおろしたようだ。
自分の正体を知ってしまったファンの気持ちを案ずるあたり、楓は本物の声優なのだと感じた。
「こんなところでずっと突っ立って喋ってるのもあれだし、家に来る?」
「それもそうだな……は?」
楓の家に行くのなら何も問題は無いが、日菜の家に行くとなると俺の心臓が持つかどうか心配だった。
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