Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第21話 軽い口
「今楠木って言った?」
楓からの問いかけに狼狽える。楠木がオタクである
という事実は秘密だし、俺たちが一緒にライブに行ったことはもちろん秘密だ。
「え、楠木? そ、そんなこと言ってないぞ? お腹空いたなぁくず餅食べたいなぁって言っただけだけど」
「そんなこと言ってない。たしかに楠木って言った。楠木って、まさかあの楠木さん? 」
「いや、その……」
ああもうダメだ。俺にはこの状況を打開できるほどの語彙力がない。
もう正直に言うしかないと諦めかけたそのとき、希望の光、風磨が教室の中に入って来た。
普段から全く空気の読めない風磨ならこのピリついた空気をぶっ壊してくれる。
そう期待したのもつかの間、俺たちの方に歩いてくる風磨を楓は前髪で隠れて見えない目で鋭く睨みつけた。
すると風磨は空気を読んだのか、楓の真横にピンと背筋を伸ばして立った。
いつも空気を読まない風磨が何でこんな時だけ空気を読むんだよ……。
「……はぁ。そうだよ。同じクラスの楠木祐奈だ」
「「……⁉︎」」
風磨と楓は2人揃って一歩後ずさりする。そりゃ驚きもするだろうな。学校1の美少女と学校1のアニメ好きが一緒に声優のライブに行ったのだから。
というか風磨は今の話聞いてなかっただろ。何で俺が楠木の名前を言っただけで驚くんだよ空気読みすぎか。
楓が今の状況を風磨に説明する。
「ちょっと待て。質問したいことが多すぎるぞ」
「うん。質問するも何も嘘ついてるんじゃないの? 楠木さんと祐がオタク友達だなんて信じられない」
「嘘ついてるって疑いたくなるのも分かるが嘘じゃないぞ。れっきとした事実だ」
風磨と楓は顔を見合わせる。
「それじゃあ楠木さんはアニメ好きってこと?」
「そうだ。楠木からはみんなには黙っておいてくれって言われてるけどな。口を滑らしちまった」
「いや、いくらなんでもそれは祐の妄想だろ。俺たちだって馬鹿じゃない。そんな妄想には引っかからんぞ」
「そうだよ。学校1の美少女でみんなから大人気の楠木さんがアニメ好きで、しかも祐と2人でライブに行くなんて……」
「2人とも、俺が言ったことは全て事実だ。日菜に誓って嘘なんて一つも付いていない」
俺がどれだけ説明しても風磨と楓は俺が言っているとを信じてくれなかった。
仕方がない。これだけはしたくなかったが最後の手段に出るとしよう。
「そうか。そこまで疑うなら証拠を見せてやる」
俺がそう言って2人に見せつけたのは昨日の帰り際に駅で2人で撮った写真だ。
「お、おいまじかよ」
「し、信じられない……」
2人は口を大きく開けて唖然としている。
「よく見ろ。ちゃんとゆいにゃんのライブTシャツ着てるだろ?」
「これを見せられたら信じないわけにはいかない……。でもどうやって楠木さんと知り合ったの?」
「ああ、それはだなーー」
それから俺は楠木と知り合った時の状況を分かりやすく事細かに説明した。
「なるほど。そんなことがあったんだ」
「それはやばいな。俺だったら失神してるレベルだけど」
「一番驚いてるのは俺だからな。楠木がオタクだったってことだけでもスキャンダルなのに、俺とオタク友達になってるんだから」
楠木には申し訳ないが風磨と楓には楠木がオタクだという事実を知られてしまった。
しかし、俺は風磨と楓には楠木がオタクだと知られても良いと思っていた。
風磨と楓が楠木のオタク友達になれれば楠木はもっと楽しい学校生活をおくれるだろう。
今日楠木に提案してみよう。風磨と楓とオタク友達になることを。
それから一日、楓は何か考えたような表情をしており、風磨は楠木を紹介しろとうるさかった。
楓からの問いかけに狼狽える。楠木がオタクである
という事実は秘密だし、俺たちが一緒にライブに行ったことはもちろん秘密だ。
「え、楠木? そ、そんなこと言ってないぞ? お腹空いたなぁくず餅食べたいなぁって言っただけだけど」
「そんなこと言ってない。たしかに楠木って言った。楠木って、まさかあの楠木さん? 」
「いや、その……」
ああもうダメだ。俺にはこの状況を打開できるほどの語彙力がない。
もう正直に言うしかないと諦めかけたそのとき、希望の光、風磨が教室の中に入って来た。
普段から全く空気の読めない風磨ならこのピリついた空気をぶっ壊してくれる。
そう期待したのもつかの間、俺たちの方に歩いてくる風磨を楓は前髪で隠れて見えない目で鋭く睨みつけた。
すると風磨は空気を読んだのか、楓の真横にピンと背筋を伸ばして立った。
いつも空気を読まない風磨が何でこんな時だけ空気を読むんだよ……。
「……はぁ。そうだよ。同じクラスの楠木祐奈だ」
「「……⁉︎」」
風磨と楓は2人揃って一歩後ずさりする。そりゃ驚きもするだろうな。学校1の美少女と学校1のアニメ好きが一緒に声優のライブに行ったのだから。
というか風磨は今の話聞いてなかっただろ。何で俺が楠木の名前を言っただけで驚くんだよ空気読みすぎか。
楓が今の状況を風磨に説明する。
「ちょっと待て。質問したいことが多すぎるぞ」
「うん。質問するも何も嘘ついてるんじゃないの? 楠木さんと祐がオタク友達だなんて信じられない」
「嘘ついてるって疑いたくなるのも分かるが嘘じゃないぞ。れっきとした事実だ」
風磨と楓は顔を見合わせる。
「それじゃあ楠木さんはアニメ好きってこと?」
「そうだ。楠木からはみんなには黙っておいてくれって言われてるけどな。口を滑らしちまった」
「いや、いくらなんでもそれは祐の妄想だろ。俺たちだって馬鹿じゃない。そんな妄想には引っかからんぞ」
「そうだよ。学校1の美少女でみんなから大人気の楠木さんがアニメ好きで、しかも祐と2人でライブに行くなんて……」
「2人とも、俺が言ったことは全て事実だ。日菜に誓って嘘なんて一つも付いていない」
俺がどれだけ説明しても風磨と楓は俺が言っているとを信じてくれなかった。
仕方がない。これだけはしたくなかったが最後の手段に出るとしよう。
「そうか。そこまで疑うなら証拠を見せてやる」
俺がそう言って2人に見せつけたのは昨日の帰り際に駅で2人で撮った写真だ。
「お、おいまじかよ」
「し、信じられない……」
2人は口を大きく開けて唖然としている。
「よく見ろ。ちゃんとゆいにゃんのライブTシャツ着てるだろ?」
「これを見せられたら信じないわけにはいかない……。でもどうやって楠木さんと知り合ったの?」
「ああ、それはだなーー」
それから俺は楠木と知り合った時の状況を分かりやすく事細かに説明した。
「なるほど。そんなことがあったんだ」
「それはやばいな。俺だったら失神してるレベルだけど」
「一番驚いてるのは俺だからな。楠木がオタクだったってことだけでもスキャンダルなのに、俺とオタク友達になってるんだから」
楠木には申し訳ないが風磨と楓には楠木がオタクだという事実を知られてしまった。
しかし、俺は風磨と楓には楠木がオタクだと知られても良いと思っていた。
風磨と楓が楠木のオタク友達になれれば楠木はもっと楽しい学校生活をおくれるだろう。
今日楠木に提案してみよう。風磨と楓とオタク友達になることを。
それから一日、楓は何か考えたような表情をしており、風磨は楠木を紹介しろとうるさかった。
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