Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。

穂村大樹

第14話 作戦会議

後から風磨に聞いたのだが、花宮と風磨は同じ中学校に通っていたそうだ。

中学校時代は3年連続同じクラスで2人でよく遊んでいたそうだが、高校に入ってからは一度も同じクラスになる事はなく疎遠になっていたらしい。

だとしても、風磨がアニメオタクである事をあそこまですんなり受け入れられるとは考えづらい。
実は花宮もアニメオタクなのか? いや、それも考えづらい。

花宮がアニメに抵抗がないのであれば楠木もアニメが好きなことを明かしても良いのではないかと思い、ヨネダ珈琲から帰宅した俺はラインで楠木に提案した。
しかし、それは出来ないらしい。

以前に相当酷い経験をしたのだろう。

暫くは今のままでいいか。無理をさせる必要はない。

そして俺はいつのまにか楠木との通学、下校時のイヤホンの接続と放課後のファミレスデートが日課になり仲を深めている。



◆◆◆



俺と楠木がオタク友達になってから2ヶ月が経過しようとしている。遂に明日はゆいにゃんのライブの日だ。

明日がゆいにゃんのライブで、来週は日菜のライブがある。大好きな声優のライブに学校1の美少女と行けるなんて俺は幸せ者だ。

そして今日はライブ前日の作戦会議を楠木と行なっている。

「明日は何時の電車で現地まで行きますか? ライブは5時開演ですが物販に並ばなければならないのでやはり始発ですか⁉︎ 始発ですか⁉︎」

大好きなゆいにゃんのライブを前日に控え、楠木のテンションは異常に上がっている。上がっているというか、変になっている。

ライブの日にライブ会場近辺で害悪な行動を取るオタクもいるが、今日の楠木の様にテンションが異常に上がってるんだろうな。

「流石に始発だと早すぎるんじゃないか? 物販は10時からだし会場に9時に着くように行けば流石に売り切れたりはしないと思う」
「じゃあ7時30発の電車に乗るってことでいいですか?」
「それなら間に合うな」

楠木は異常なテンションになっているが、楽しみにしてくれているようで何よりだ。
何度も落選していたライブにやっと行けるのだから異常なテンションになるのも仕方がない。

「楽しみにしてくれてるのに座席があんまり良くなかったのが申し訳ない」
「そんなことないですよ‼︎ 一番端の席で過ごしやすそうじゃないですか」

先日、チケット発券期間にチケットを発券したのだが、座席は後ろ寄りの一番右端の席だった。

今回のライブはホールでのライブで、2階席もあるなかで1階席を引き当てただけでも運が良いと言えるが、どうせなら最前列付近が良かったなと思うのがオタクってもんだ。

「とりあえず今日は帰るか。明日のライブに備えて早く寝ないとだしな」
「そうですね。早起きしないといけないですもんね」

そう言って今日は解散した。遅くまでファミレスで作戦会議をして明日遅刻なんてしたらシャレにならんからな。

帰宅して風呂に入り歯を磨きながら今の自分の状況を改めて不思議に感じた。
楠木とファミレスに行くのが日課になっているが凄いことだよな。
学校1の美少女と毎日の様にファミレスに行きアニメの話をしている。こんな状況になると誰が想像しただろうか。

それに明日はライブ会場まで2人で電車で行くわけだし。
あれ、よく考えたら電車ってどうするんだ?

今までも通学と下校の時に同じ車両でイヤホンを接続して乗っていたが今回は普通に駅で待ち合わせをした。

一緒に乗って行くってことか? あ、なんか急に緊張してきた。
胸の鼓動が早くなる。こんな状態じゃ眠れねぇ……。

この後めちゃくちゃすぐ寝た。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品