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第38話 了承、無理ってことは百も承知
緑彩先輩からお誘いを受けた俺は誘いの返事を一旦保留にし、馬鹿正直に直接蒼乃にお願いしてみた。
だが、もちろん蒼乃は良い反応を示さないわけで……。
「むしろなんで私がそれをオッケーすると思ったんですか‼︎」
蒼乃の反応は至極当然だ。
彼氏が休日に以前好きだった女の子と2人きりでお出かけしようというのだから、それを黙って見過ごせるわけがない。
蒼乃の反応が当然というよりも、俺の発言が異常と言った方が正しそうだ。
「いや、黙って遊びにいくのも申し訳ないと思ったから……」
「……はぁ。先輩、本当良い人ですね」
蒼乃はため息を吐きながら俯き、俺のことを良い人だと言うがそれは皮肉か、それとも本心か。
「いや、緑彩先輩と遊びに行きたいって言ってる時点で良い人では無いけどな」
「でも彼氏のそういう正直なところが彼女を安心させてくれるんですよ」
「安心なんてさせたことがあったか? むしろ心配しかさせて無いし。こんなお願いを許可する方がおかしい……」
「緑彩先輩と遊びに行くのを許可します」
「そりゃそうだろう……って、え⁉︎ 良いのか⁉︎」
「コラ‼︎ 露骨に嬉しそうにしない‼︎」
「はい‼︎ ごめんなさい‼︎」
一体どういう風邪の吹き回しだ? 蒼乃が電話に出たときの反応とは180度、いや、540度違う反応をしている。
「私だって本当は緑彩先輩と2人でお出かけだなんて行って欲しくないんですから……」
「え、だったらなんで緑彩先輩からの誘いの話をOKしてくれるんだ?」
「前から言ってるじゃないですか。私は別に先輩を困らせたりとか迷惑をかけたいわけじゃないんです。白太先輩には、自分の気持ちに嘘をついてまで私に振り向いて欲しいわけじゃありませんから。あんまり束縛が激しいと嫌になるっていうのは彼氏彼女を嫌いになる定番の理由ですしね」
この話を蒼乃にすれば頭ごなしに怒られて、緑彩先輩からのお誘いを受けることは不可能だろうと思っていた俺は、蒼乃の予想外の反応に唖然とする。
俺が逆の立場なら、蒼乃の様に寛大な心を持ってまあ好きだった人とのお出かけを了承できるだろうか。
考える必要もなく無理だろうな……。
「俺はもう緑彩先輩のことは好きじゃないぞ」
「さぁ、どうですかね〜」
「本当だって。……とりあえずありがとう」
「ただし、夜遅くまで2人で一緒にいないこと‼︎ そうなると私、心配になっちゃうので……。分かりましたか?」
「わ、分かった。それくらいなら簡単だけど。なんで時間を指定するんだ?」
「そ、そりゃ、もし白太先輩と緑川先輩がお出かけのあとに夜の街に消えていったらしたら……」
「なんだって?」
「なんでもありません‼︎ とにかく、夜は遅くても21時までには家に帰ってください‼︎」
「イエス‼︎ ボス‼︎」
俺は蒼乃から提案された21時までの帰宅、という約束を快く了承し、緑彩先輩とのお出かけ、いや、2人きりのデートを勝ち取ったのだ。
それにしても、今更俺と2人で付き合って欲しいところってどこなんだろうな……。
一度は俺のことを振っておいて、女ってのは本当によくわからん生き物だ。
だが、もちろん蒼乃は良い反応を示さないわけで……。
「むしろなんで私がそれをオッケーすると思ったんですか‼︎」
蒼乃の反応は至極当然だ。
彼氏が休日に以前好きだった女の子と2人きりでお出かけしようというのだから、それを黙って見過ごせるわけがない。
蒼乃の反応が当然というよりも、俺の発言が異常と言った方が正しそうだ。
「いや、黙って遊びにいくのも申し訳ないと思ったから……」
「……はぁ。先輩、本当良い人ですね」
蒼乃はため息を吐きながら俯き、俺のことを良い人だと言うがそれは皮肉か、それとも本心か。
「いや、緑彩先輩と遊びに行きたいって言ってる時点で良い人では無いけどな」
「でも彼氏のそういう正直なところが彼女を安心させてくれるんですよ」
「安心なんてさせたことがあったか? むしろ心配しかさせて無いし。こんなお願いを許可する方がおかしい……」
「緑彩先輩と遊びに行くのを許可します」
「そりゃそうだろう……って、え⁉︎ 良いのか⁉︎」
「コラ‼︎ 露骨に嬉しそうにしない‼︎」
「はい‼︎ ごめんなさい‼︎」
一体どういう風邪の吹き回しだ? 蒼乃が電話に出たときの反応とは180度、いや、540度違う反応をしている。
「私だって本当は緑彩先輩と2人でお出かけだなんて行って欲しくないんですから……」
「え、だったらなんで緑彩先輩からの誘いの話をOKしてくれるんだ?」
「前から言ってるじゃないですか。私は別に先輩を困らせたりとか迷惑をかけたいわけじゃないんです。白太先輩には、自分の気持ちに嘘をついてまで私に振り向いて欲しいわけじゃありませんから。あんまり束縛が激しいと嫌になるっていうのは彼氏彼女を嫌いになる定番の理由ですしね」
この話を蒼乃にすれば頭ごなしに怒られて、緑彩先輩からのお誘いを受けることは不可能だろうと思っていた俺は、蒼乃の予想外の反応に唖然とする。
俺が逆の立場なら、蒼乃の様に寛大な心を持ってまあ好きだった人とのお出かけを了承できるだろうか。
考える必要もなく無理だろうな……。
「俺はもう緑彩先輩のことは好きじゃないぞ」
「さぁ、どうですかね〜」
「本当だって。……とりあえずありがとう」
「ただし、夜遅くまで2人で一緒にいないこと‼︎ そうなると私、心配になっちゃうので……。分かりましたか?」
「わ、分かった。それくらいなら簡単だけど。なんで時間を指定するんだ?」
「そ、そりゃ、もし白太先輩と緑川先輩がお出かけのあとに夜の街に消えていったらしたら……」
「なんだって?」
「なんでもありません‼︎ とにかく、夜は遅くても21時までには家に帰ってください‼︎」
「イエス‼︎ ボス‼︎」
俺は蒼乃から提案された21時までの帰宅、という約束を快く了承し、緑彩先輩とのお出かけ、いや、2人きりのデートを勝ち取ったのだ。
それにしても、今更俺と2人で付き合って欲しいところってどこなんだろうな……。
一度は俺のことを振っておいて、女ってのは本当によくわからん生き物だ。
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