転生したから田舎でまったりしよう!
雑貨屋にて
木工店を後にして、町をふらふらしていると、ある家の窓に看板が立てかけられており、『雑貨』とだけ書かれている、面白そうなので入ってみることにした!
中に入ると、陶器の器や木炭、髪飾りや、ちょっとしたインテリアなど、色んなものが置いてある
「あのー、やってますかー?」
声をかけると、カウンターの奥にある扉が開き、室内だというのに、ローブにフードを被った、魔女のような格好の婆さんが出てきた。
「おや、これはこれは、レイモンド様じゃないかい、私はこの店の店主、『エルサーラ 』 この町では、皆からグランマと呼ばれとる」
「お邪魔してます、レイモンド・メルヴィスです!」
「まぁ、しっかりした子だねぇ」
「何事も最初が大事だからね」
「ホッホッホ、違いない!  ここは、色んなものがあるからね、ゆっくり見ていくといいよ!」
「そのつもり!」
見た目はあれだが、結構フレンドリーな人だったな、さすがはこの町のグランマ
店の雑貨を見てまわると、いくつか壺が置いてあり、蓋を開けると、黒い液体が入っていて、少し鼻にツンとくる匂いがする
「ソースだ…」
もしやと思い、他の壺も見てみるが、全部ソースだった
ソースがあるなら醤油もあると思ったんだけど、そう都合よくはいかないか、
「婆さん、この黒いのって、料理に使うソースなの?」
「おや、変わったものに目をつけるね、私の故郷の味だよ!」
「へー、じゃあ婆さんが作ってるの?」
「ああ、まぁ、その見た目だから、なかなか売れず、私しか消費しないけどね」
「これ買うよ!いくら?」
「横にあるお玉で1すくい銅貨1枚だよ!」
ツボの横に置いてある、大きなお玉をさしてそう言う
「え?安すぎない?」
「あんたはほんとに変わった子だねぇ、
まぁ年寄りの道楽でやってる店だ、利益なんかなくていいのさ」
「へー、俺としては嬉しいけど、定期的に買いに来るから、作るの辞めないでね?」
「あぁ、それならまた適当に作っとくよ」
俺は隣に置いてあった小壺に、5すく入れて、ツボと併せて銅貨8枚を払う
「もうひとつ聞きたいんだけど、婆さん、なんで魔法使ってるの?」
俺がそう言うと、婆さんが少しだけピクッ!として、直後また笑いだした
「ホッホッホ、あんたは、魔法の素養がかなり高いみたいだね!まさか、気づかれるとは、あの親にしてこの子ありかね、」
あの親って、ライル父さんとレイラ母さんの事か?
「どーゆー事?」
「あぁ、実は、人前に出る時は変身魔法を使って姿を変えているんだよ、巧妙に隠してるから、バレることはないと思ってたんだが、あんたの両親がこの地に来て、町に挨拶をしに来た時に、魔力に気づかれてね」
「そんな魔法があるんだね、でもどうして変身なんてするのさ、」
「そんね、これを見ればわかるわよ」
先程とは全然違う、若々しい声と口調でそういうと、どんどんと顔が歪んで、返信が解けていく
「これはすごいね、婆さんがお姉さんになった、」
変身が解けたエルサーラは、若々しく、20代後半くらいの、ものすごい美人な姿になるのだが、一点だけ普通じゃない
耳が長く、とがっているのだ
「ふふっ、婆さんであってるわ!エルフは長命だから、この見た目でも100歳は超えてるもの、」
「やっぱりエルフなんだね、ビックリした」
本には、エルフやドワーフや小人なんかもいると書いてあったが、いかんせん外に出たことがなかったので初めてあったのだ。
「じゃあ、あのソースはエルフの里で作られてるやつなんだね」
「えぇ、そうよ!  エルフ族の伝統的なソースなの!
それにしても、あんたもよく気づいたわね」
「まぁ、魔法は日常でよく使ってるし、変身魔法は全身を魔力で覆うんでしょ? それだといくら隠しても流石に魔力を感じるからね、」
「変身魔法の原理まで…それに日常で魔法を使うなんて、人間はあまりしないわよ?」
「そーなの? こんなに便利なのに」
「えぇ、人間は、魔法イコール攻撃魔法!って考え方が一般的よ! それに、日常で魔法を使うって、人間にとっては難しいことだしね、魔力操作とか魔法適正とか」
あぁ、俺は神様のおかげで魔法は全適正あるし、操作も産まれる前の、母さんのお腹の中にいる時から練習してたからな、
「そうなんだ、まぁ使えるものは使うよ、便利だし
「ふふっ、それもそうね」
少し世間話をして、俺はエルサーラの店を後にした
ーーーーー
「あ、レイ、こんなところにいたんだね、」
町の広場に向かってると、ニール兄さんに声をかけられたのだが、
「兄さんモテモテだね!  皆さんはじめまして、レイモンド・メルヴィスです、お見知り置きを、」
ニール兄さんの周りには、同年代の女の子何人も集まっていた、
まぁ、姉さんも兄さんもかなりの美形だ
姉さんはキリッと凛とした目に艶のあるブロンドでスラッと伸びる手足はながくスタイルがいい、父さんの血だな!
兄さんも、母さん譲りの軽いタレ目でゆったりとした雰囲気を醸し出している、6歳とは思えない落ち着きだ、
俺も両親のおかげで見てくれは良いが、2人には及ばないだろう
ちなみに兄さんの髪は金、俺は母さんとおなじ赤みが強い茶色だよ!
「レイ、このあとはどうするんだい?」
兄さんが、助けてくれと言う目で見つめてくる、
「俺は、お昼だし酒場に料理を食べに行くよ、お腹すいたから」
「そうかい?僕も一緒に行っていいかな?」
ここは、助けておいた方がいい気がする
「うん、1人より2人で食べる方が楽しいしね」
「そーだね!なら一緒に行こうか!」
ーーー
「レイ、助かったよ!」
「これは仮にしとくよ!」
そんなことがありつつ、俺は兄さんと酒場へ向かう
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